支援レポート Vol.17
これまでの活動が省エネ診断提案のスムーズな実施につながる
5件の運用改善策は実施済み、投資案件も設備を更新中
「磯はなび」は富山湾に面して立地したリゾート型温泉ホテルで、客室数50室、利用者数は平日約200名、休日は400名にのぼるといいます。
磯はなびでは、主要設備については設備更新の長期計画を策定し(「12年計画」とよんでいる)、その計画に沿って、照明の高効率化、デマンド監視装置の導入による電力使用量の節減等の省エネ対策に取り組んできました。
今回の省エネ診断の受診にあたっては、設備更新にあたって、エネルギー消費面から専門家のアドバイスを望んだことと、現状の設備運用に無駄がないかどうかをチェックしてもらい、改善につなげたいということでした。
エネルギー使用合理化専門員の施設全体のウォークスルー、関係者からのヒアリング、各種データの検討を経て、運用改善で4件、投資改善で2件が提案されました。
NO | 提案内容 | ||
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1 | 運用改善 | 空調設備 | 1階ロビー・ホールのAHU用ファンの夜間停止 |
2 | 運用改善 | ボイラ | 温水ボイラの運転台数減 |
3 | 運用改善 | ボイラ | 温水ボイラの空気比適正化 |
4 | 運用改善 | 照明 | ホテル上層階廊下照明の間引き |
5 | 運用改善 | デマンド管理 | デマンド目標電力の見直しによる最大電力低減 |
6 | 投資改善 | 照明 | 蛍光灯のLED化 |
7 | 投資改善 | 照明 | 避難誘導灯のLED化 |
運用改善提案の5件はすべて実施済み
「1階ロビー・ホールのAHU用ファンの夜間停止」「廊下照明の間引き」など、比較的容易で係員が自らできる対策は、基準を作り、担当者を決めて実施しています。
ボイラ関係の「運転台数減」「空気比適正化」に関しては、ボイラ設備に関しての専門知識も必要で、設備管理者の協力を得て、温水所要に応じた運転台数の基準や、空気比の点検・調整基準を作成し、適切な運用に努めています。
投資改善は計画的に実施
主要設備は「12年計画」に基づいて計画的に更新を進めています。提案された「蛍光灯のLED化」は順次実施しており、「避難誘導灯の更新」は新たに「12年計画」に織り込み、実施していきます。
省エネ診断時のアドバイスが補助金活用のきっかけに
更新を計画していた吸収式冷温水機については、診断時に「更新に先立ち、冷温水の適正流量の検討が必要」というアドバイスを受け、詳細な設備検討を進め「平成28年度中小企業等の省エネ・生産性革命投資促進事業費補助金」を活用し、高効率機に更新しました。
日々の着実な活動と「検証会」が、省エネ改善の成果を支える源に
診断の提案は着実に実施に移し成果を上げつつあります。磯はなびでは、電気・ガス・水道等の使用量についてのデータと請求明細書等に基づいた「検討会」を2か月に一度開催しています。前年同月の気候、利用者数等を勘案したエネルギー増減比較などを行い、設備改修の計画見直し、省エネ評価を行っています。また異常が認められれば各部署の担当者や現場の係員が一緒になって検証し改善につなげています。こうした日常的な活動が、提案案件のスムーズな実行につながっているといえます。