STEP5
計画実行
STEP6
効果検証
STEP7
ステップ
アップ
カーボンニュートラルを実現するためには、日本の約9割を占めているエネルギー起源CO2の排出量削減が最も重要となります。その為には、「使用エネルギー量の削減」と「エネルギー源の脱炭素化」を同時に押し進めることが大切です。
エネルギー源の脱炭素化では、より脱炭素化がしやすいエネルギーへの転換も重要な検討要素となります。
この考え方は、各中小企業のカーボンニュートラル実現に向けても同様となります。
量
の
削
減
電気
燃料
その他
質
の
改
善
カーボンニュートラルの実現は、20年以上先まで見据えた中長期的な対応です。
その為、明確な目標(目標時期、目標値)を設定し、従来以上に時間軸を意識した計画立案のもと、対策を着実に実施することが重要となります。
コスト
削減
競争力
強化
生産性
向上
企業
価値の
向上
融資
条件の
優遇
等
設定した目標に対し、その道筋を未来から現在にさかのぼり、
いつ、何を実施するかを計画する必要がある(目標に対するバックキャスティング)
設備更新をすると、その設備を使い続ける必要があるため、
設備更新のタイミングが極めて重要(特に燃料を使う設備)
現時点で経済的に導入可能な時期が見通せない新技術(ペロブスカイト太陽電池、水素、アンモニア、
e-メタン等)がある中、まずは中間目標を設定
現状把握エネルギー源別のCO2排出量の把握機器別、工程別のCO2排出量の把握 等
目標設定最終目標、中間目標の設定
削減対策
の検討削減余地、削減対策の検討費用対効果、実現可能性の評価 等
中長期
プラン策定削減対策を時間軸で展開導入効果の検証方法の検討 等
計画実行
効果検証
ステップ
アップ
現状把握
カーボンニュートラル実現のファーストステップは「現状把握」です。対象事業所のCO2排出量が現状どうなっているのかわからないと目標設定が出来ません。
年間のCO2排出量を把握すると同時に、エネルギー源別のCO2排出量の確認も重要です。更には、「設備別の排出量」、「工程別の排出量」がわかれば、現状の課題が明確になります。排出量の多い部分から対策するのが効果が高いのは言うまでもないことですから、このような見える化をすることがカーボンニュートラルの実現確度を高めるために重要なポイントとなります。
簡単に自社のCO2排出量を把握したい事業者の方へ
省エネセンターでは、自社のCO2排出量を見える化するツールとして「セルフ診断ツール」を提供しています。
セルフ診断ツールは自社のエネルギー使用データ(電気、燃料等)を入力することで、誰でも自由に無料でCO2排出量を把握することができるツールです。まずは、手元に電気やガスの検針票を用意して、利用してみましょう。
目標設定
目標設定に関しては、最終目標と中間目標の2つを設定すると効果的です。
この時重要なのは、「どこまで脱炭素化ができるのか?」といったベストエフォート型の目標ではなく、「どこまで脱炭素化すべきか?」という点に軸足を置くことにあります。
(最終目標)自社のカーボンニュートラルをいつ実現するか
(中間目標)最終目標への道筋として、まず最初に目指す中間目標を設定
目標設定の考え方はいくつかありますが、下記の数字等を参考に、事業者としての判断を加味して設定します。
①国、自治体、所属する業界団体や工業会の目標
②お取引先様の目標や削減要請(サプライチェーン全体でのCO2削減)
③同業他社の目標や動向 等
削減対策の検討
削減余地や削減対策の検討に際しては、主に以下のような視点で検討します。
エネルギーを使う必要がない時間帯、場所、工程でのムダの排除
例えば、照明で言えば人がいない場所、いない時間帯での消灯、
工程で言えば待機電力の削減 等
機器の使用条件の設定を必要最小限に
例えば、照明で言えば照度の最適化、空調で言えば設定温度、
コンプレッサで言えば吐出圧力の最適化 等
機器の高効率化、最適容量化、稼働率の向上
例えば、空調で言えば高効率化更新・モジュール化、
ボイラで言えば高効率化や複数台数制御 等
排熱の再利用、熱輸送ロスの削減 等
例えば、低温排熱のヒートポンプでの加熱利用、
ボイラの分散配置による熱輸送ロスの削減 等
エネルギー源の低炭素化、脱炭素化
例えば、太陽光発電の自家消費、再エネ100%の電気の購入、
脱炭素・低炭素燃料への転換 等
中長期プラン策定
STEP3で抽出した削減対策を時間軸を踏まえて展開してみます。
中間目標に達しない場合は、追加の削減策を検討する必要があります。
これを繰り返し、中間目標を実現するための中長期プランを完成させます。
計画実行
効果検証
ステップアップ