省エネ・節電ポータル

省エネ支援現場レポート

支援レポート Vol.2-2

  • 省エネ診断
  • ビル

提案編東京都・河北
リハビリテーション病院
(医療施設)

幅広く、かつ緻密なアドバイス。
ていねいな解説にも満足です。

社会医療法人河北医療財団 河北リハビリテーション病院(東京都杉並区)

2001年に開設された、閑静な住宅街の「病院らしくない」病院。スタッフはもちろん環境も含め一丸となり、患者さんの社会復帰を支援している。

環境マネジメントを実施する河北リハビリテーション病院の場合、診断を申し込まれた時点で、「ここを診てほしい」という具体的なご希望をお持ちでした。最初の打合せから踏み込んだやりとりが交わされた前回の調査より、2カ月弱。省エネルギーセンターから、再び2名のエネルギー合理化専門員がお伺いしました。

診断結果の概要から、具体的な省エネ改善策へ。
「良く進められている省エネ」を、更に進めるには?
9月28日朝、2人の専門員が到着すると、さっそく報告会スタート。「費用対効果の上がる省エネ」を強調されていた手塚様、事務長の江間様のほか、今回は財団本部より丸POM部長様にもご出席を賜りました。
「省エネルギー診断報告書」の内容に沿って、まずは診断結果の概要から。天野専門員は開口一番、河北リハビリテーション病院の省エネ活動が「大変良く進められている」ことを評価しました。以後、これを前提に話は進みます。
エネルギー使用状況の分析を経て、いよいよ、具体的な省エネ改善提案の概要説明です。今回は、参考提案を含む11項目が提示されました(※提案一覧参照)。
詳細なデータに基づく試算結果を踏まえ、
「費用対効果」が分かるカタチで、改善策をご提案。
続いて、担当専門員より各項目の詳細説明です。前回の調査時に議論された「空調機器の更新」についても、導入後の試算結果を踏まえ、実際の「費用対効果」や「投資回収年数」が予測できるカタチで提示されました。
河北リハビリテーション病院のように「できることは全て」実施しておられるお客様の場合、提案施策は、投資回収に時間のかかるものが中心になりやすいとのことですが、運用で改善できる施策も提案されました。「事務機器の節電」は、スリープモード等の活用で、使わない時の電力消費を極力抑えようというもの。「照明法の改善」は空間全体を照らす天井の照明を減らし、LEDデスクトップライトで手元の照度を補う、「タスク&アンビエント照明」の手法を取り入れた提案です。
「遮光フィルム」の効果は、個室にも有効?
施策説明後の質疑応答は、まるで「省エネ戦略会議」!!
投資回収に15年以上かかったり、細かい試算結果が示せない施策は、「参考」として提案されます。190m²にのぼる南面の窓に、「遮光フィルム」を貼付けるという案もその一つ。これにより、夏場に患者さんが感じる「じりじり感」をやわらげるとともに、空調負荷が軽減されるというのです。
説明を聞きながら「これを患者さんの個室(四人部屋)に使えないだろうか?」と考えていた手塚様から、質問がありました。梅津専門員は、遮光効率は、方位によっても変わる(西に近づくほど効率が下がる)こと。「じりじり感じ」といった感覚的な要素は数値化が難しいことなど、率直かつ詳細に答えます。
こうして、時間ぎりぎりまで、真剣なやりとりが続きました。

窓ガラスへの遮光フィルム貼付け

一旦、今回のご提案内容をおあずけし、ご検討いただきます。次回は、施策の導入・運営状況の確認はもとより、着実に成果を上げていただけるよう、河北リハビリテーション病院の省エネプロジェクトを、総合的にフォローアップさせていただきます。

当日のタイムスケジュール

診断者の目

「更に効果的な省エネ推進」をお手伝いするために。

エネルギー使用合理化専門員

天野 尚

省エネを推進する上での3本柱として、一、無駄の発見 二、高効率機器の導入 三、高効率運転の実施が挙げられます。大変良く進められている省エネ活動を、更に効率的に推進していただくために、このセオリーに沿って綿密に検討を重ねた上で、以下の項目をご提案させていただきました。結果、投資回収年数の長いもの、内容的に細かいものが多くなりましたが、今回の我々の提案が、少しでもお役に立つことを願っています。

エネルギー使用合理化専門員

梅津 弘章

エネルギー部門担当として、「全熱交換機の有効利用」「ボイラーの空気比適正化」などについて、詳しく説明させていただきました。「窓ガラスへの遮光フィルム貼付け」のように、公表データが少ないため細かい試算が難しいといった事情から、参考提案とせざるを得なかったものもあります。真剣なご質問に一つひとつお答えするうち、「報告会」と言うより「戦略会議」となりました。有意義な会が持てたことを嬉しく思います。

「省エネ診断報告書」のご利用法について

※診断結果に基づくご提案を実施いただくことで、効果的な省エネを推進していただけます。
理解を深めていただく上で、巻末の用語集もご利用ください。

※提案項目ごとに、導入後の投資回収年数や費用対効果の試算データを明示していますので、
ご検討中の施策導入について、組織内でご検討される際に、ご活用いただけます。

今回のご提案

運用にて実施可能な提案

  • ◆既設全熱交換器の有効利用
  • ◆電気給湯器の設定温度変更
  • ◆事務機器の節電
  • ◆照明法の改善

    ※全般照明→タスク(作業用)&アンビエント(環境)照明へ

投資回収年数5年超の提案

  • ◆空調機の高効率機への変更

    ※現行の「R22冷媒」→「R410A冷媒」+インバーター搭載機種へ

  • ◆外気導入量の削減
  • ◆動力用変圧器の統合
  • ◆ダウンライトをLEDランプに交換

参考提案

  • ◆ボイラーの空気比の適正化
  • ◆窓ガラスに遮光フィルム貼付け

受診者の声

社会医療法人河北医療財団 POM部 部長

丸 行弘

オペレーションサポート POM室 課長

手塚 太朗

検討中の施策に対して、データによる裏づけをいただけたほか、
照明など"待ったなし"の課題に関わるご提案も、大変助かりました。

空調機器の更新など、検討していた施策に対して、詳細なデータによる費用対効果の裏づけがいただけたこと。照明の更新などすぐに何とかしなければならない課題について、即対応できるご提案をいただいたこと。どちらも大変助かりました。説明もていねいで、よく理解できました。気になる部分は、どんどん質問しましたが、その場で的確な答をいただけるのは有り難いですね。有意義な報告会に満足しています。