省エネ・節電ポータル

省エネ支援現場レポート

支援レポート Vol.1-3

  • 省エネ診断
  • 工場

フォローアップ編栃木市・ひかり工業株式会社(製造業)

成果はさっそく出始めています。
しかし、省エネ活動に終わりはありません。

ひかり工業株式会社
(栃木市・電気亜鉛めっき加工全般)

昭和24年に創業以来、培われたノウハウと「品質・納期・サービス」にこだわり、お客様に高付加価値を提供している。

モノづくりはもちろん、省エネに対しても高い意識をお持ちのひかり工業。診断の結果に基づいて、具体的な施策が効果の試算とともに提案された報告会から4カ月、その後の進捗はどうでしょうか?
省エネルギーセンターから、診断指導部の職員がお伺いしました。

その後の進捗状況は? 効果のほどは?
提案項目の一つひとつについて、細やかにフォローアップ。
1月23日午後、リラックスした雰囲気でヒアリングが始まりました。まずは、全般的な状況から。デマンド(最大需要電力)が目標値を下回るなど、ひかり工業が取り組んで来られた省エネ活動の成果は、着実に現れ始めていました。
続いて、前回(2012年9月14日)ご提案した12の施策の一つひとつについて、その後の進捗状況の確認です。効果の予測が難しかった<参考提案>を含め、すべての提案をご検討の上、4カ月あまりの間に既に実施されている施策も多くありました。中でも、生産設備の稼働状況に合わせて無駄を抑える「排風機へのインバータ導入」には、予想以上の効果があったとのことでした。
全従業員のモチベーションを高める「見える化」とは?
組織的な省エネ活動の進め方から、補助金のアドバイスまで。
ひと通り確認が済むと、続いて現場の視察が行われました。インバータ導入後の排風機制御盤には、生産設備の運転状況がひと目でわかるランプが灯っています。水銀灯からLED照明への転換など提案内容を超えた積極的な施策も見られ、全体の照度が抑えられている一方、品質チェックが行われる部分は、手元照明でむしろ明るくなった印象です。
工場視察の後は再び事務所に戻ってディスカッション。省エネ活動に対する全従業員のモチベーションを高めるには、担当者が状況を把握しているのみならず、活動の成果を全員に伝える「見える化」も大切であること。生産していない夜間に消費されている70〜80kWの電力には削減余地が期待できること。(ヒーターの運転条件見直し)投資を伴う施策の実施に際しては、SII(一般財団法人環境共創イニシアチブ)などが募集を行う各種補助金制度があること。最後まで、提案施策関連だけに限定されない総合的なアドバイスが続きました。
当日のタイムスケジュール

前回の提案施策と進捗状況

前回のご提案その後の取り組み
運用にて実施可能な提案エアーコンプレッサーの吐出圧力低減新機種に交換
投資回収年数5年以下の提案排風機へのインバータ導入
メッキ槽カバー取り付け-
投資回収年数5年超の提案ボイラーの変更検討中
冷却塔ファン発停の採用-
エアーコンプレッサーインバータ化と台数制御
水銀灯をセラミックメタルはライドランプに交換LED照明に交換
参考提案ボイラーの空気比改善準備中
蒸気のカスケード利用検討中
チラー凝縮器洗浄-
空冷チラーへの井水直接利用検討中
フリークーリングの採用検討中

◯ :既に実施されているもの。

ピックアップ

予想を上回る効果が得られた「排風機へのインバータ導入」。

工場の換気のために、24時間運転している排風機をインバータで制御することにより、生産設備が停止する夜間などの風量を削減。

写真は、昨年12月にインバータを導入された排風機の制御盤。ランプの点灯と周波数表示により、工場内の設備の稼働条件がひと目で分かります。右上の赤い数字が周波数設定値。インバータ導入後は、ピーク電力だけでなく使用電力量の削減にも寄与している。

アフター"フォローアップ"インタビュー

実施のスピードと、省エネ意識の浸透ぶりにプロも感心した、ひかり工業の場合。

ひかり工業の場合、4ヵ月前に提案された施策の多くが、実施または検討され、既に具体的な成果も出始めていました。組織が一丸となって計画を推進していく上で欠かせない、高い省エネ意識が現場まで浸透しており、良いカタチで進んでいる様子。これからボイラーなどの設備導入を控え、各種補助金制度についても興味津々だった寺内様に伺いました。

ひかり工業株式会社

寺内 正雄

更に新たな気づきも。
省エネ診断を受けて本当に良かったと実感しています。

前回の提案報告会でいろいろと勉強させていただいたつもりでしたが、今回もまた新たな気づきがありました。省エネは、施策を実施することでいったん状況が改善されても、それを維持継続できなければ意味がありません。効果的な推進体制づくりや、利用できそうな補助金制度など、ご提案いただいた施策以外のアドバイスを含め、トータルにフォローアップいただけた点は大変助かりました。