A社様は、全般的な省エネ診断を希望されました。診断の結果、外気導入量の低減や空調設定温度の緩和、エア配管の漏れ対策やコンプレッサの吐出圧低減、高効率照明への更新、不要照明の消灯や間引き、小型の高効率変圧器への更新等を提案しました。
提案1
空調設備
(事務室)外気導入量低減、空調エリアの間仕切り
省エネ効果 | 0.5 kL/年 |
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削減金額 | 50 千円/年(透明カーテン設置は経費扱い) |
設備概要 | 空調機(1台:定格6.6kW、冷/暖房COP:2.7/2.9、冷/暖房時間:13h/日×77/99日/年)、在室人数:6人 |
キーワード
外気導入量の適正化 区画化による空調負荷低減
内容
夏期・冬期は、外気導入量が必要以上に多いと空調負荷が増大する。本社1階の事務室は、CO2濃度が低く(608ppm)、過剰な換気状態。換気の停止や透明カーテンによる階段との仕切り等により、外気導入量を最適必要量(CO2濃度:608→管理値900ppm、外気導入量:673→270m³/h、削減率60%)とし、省エネを図ることを提案。
(注)ビル管理法によるCO2基準値は、1,000ppm。
提案2
空調設備
設定温度の緩和
省エネ効果 | 0.5 kL/年 |
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削減金額 | 46 千円/年 |
設備概要 | 空調機(2台:定格計10.7kW、冷/暖房時間:13h/日×77/99日/年) |
キーワード
設定温度の適正化
内容
本社の空調機において、温度計による室温管理やブラインド使用、温度ムラ改善により、設定温度を緩和(冷/暖房:24/26→26/24、各2°C)し、電力消費量を削減することを提案。
提案3
エア配管
エア漏れ対策
省エネ効果 | 0.4 kL/年 |
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削減金額 | 40 千円/年 |
設備概要 | コンプレッサ(4台:計24.2kW) |
キーワード
エア漏れ対策
内容
診断時にエア配管のカプラ等からエア漏れが散見された。配管、カプラ、ホース等のエア漏れを調査して対策を行い、コンプレッサの電力消費量を削減することを提案。効果は一般的な値として、エア漏れ率10%のうち80%を改善した場合で試算。
提案4
コンプレッサ
吐出圧力の低減
省エネ効果 | 0.3 kL/年 |
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削減金額 | 30 千円/年 |
設備概要 | コンプレッサ(4台:計24.2kW) |
キーワード
吐出圧力の低減
内容
板金工場のエアは、エアブローとサンダーで使用され、圧力低減が可能。コンプレッサの吐出圧力を低減(0.9→0.8MPa、▲0.1MPa)し、電力消費量を削減することを提案。他工場では0.65MPaまで下げている事例が多く、更なる吐出圧力低減の可能性がある。
提案5
自販機
自販機の更新
省エネ効果 | 0.4 kL/年 |
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削減金額 | 35 千円/年(費用はベンダー負担) |
設備概要 | 自販機(缶・ボトル用2台:定格0.5~0.6kW、電力消費量計:3.6→2.1千kWh/年) |
キーワード
高効率自販機への更新
内容
飲料自販機は省エネ法の第2次特定機器に指定され、年々省エネ性能が向上している。現行の自販機を省エネ型自販機に更新し、電力消費量を削減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案6
衛生設備
温水洗浄便座の省エネ対策
省エネ効果 | 0.1 kL/年 |
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削減金額 | 10 千円/年 |
設備投資額 | 14 千円(ウィークリータイマ2台)(回収:1.4年) |
設備概要 | 温水洗浄便座(2台) |
キーワード
温水洗浄便座の省エネ対策
内容
本社内トイレの温水洗浄便座(貯湯式)は、導入時の設定のまま(常時、温水と便座保温)である。省エネ対策として、冬期以外は温水OFF・便座保温OFF、便座の蓋閉め、設定温度の変更(便座・温水ともに中→低)、夜間休日はタイマで電源OFFにより、使用電力量を削減することを提案。
提案7
照明
高効率照明への更新
省エネ効果 | 5.6 kL/年 |
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削減金額 | 511 千円/年 |
設備投資額 | 2,607 千円(回収:5.1年) |
設備概要 | 水銀灯、FLR蛍光灯→セラミックメタルハライド灯、LED灯 |
キーワード
高効率照明への更新
内容
①水銀灯をセラミックメタルハライド灯に、②蛍光灯をLED灯に更新し、省エネを図ることを提案。効果には、②の照明の長寿命化によるランプ交換作業軽減金額を含めていない。
現状 | 更新案 | 寿命 | 点灯時間 | 台数 | 効果 (千円/年) |
投資 (千円) |
回収 年数 |
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①外灯:水銀灯 (415W/台) |
セラミック メタルハライド灯 (196W/灯) |
12,000→ 12,000h |
5.5h/日×365日 | 23 | 236 | 575 | 2.4 |
②本社:FLR蛍光灯 (85W/台) |
LED灯 (40W/灯) |
12,000→ 40,000h |
13h/日×点灯率0.9 ×278日 |
41 | 140 | 656 | 4.7 |
工場:FLR蛍光灯 (85W/台) |
9h/日×点灯率0.6 ×278日 |
86 | 135 | 1,376 | 10.2 | ||
計 | 150 | 511 | 2,607 | 5.1 |
提案8
照明
不要照明の消灯、間引き、点灯時間短縮
省エネ効果 | 0.9 kL/年 |
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削減金額 | 86 千円/年 |
設備投資額 | 47 千円(回収:0.5年) |
設備概要 | ダウンライト、蛍光灯 |
キーワード
不要照明の消灯 点灯時間の短縮 照明の間引き
内容
本社・工場の照明および外灯について、不在箇所や昼光利用箇所の消灯、照度過剰箇所の間引き、点灯時間の短縮により、電力消費量を削減することを提案。
対象 | 現状の点灯時間 | 台数 | 改善対策 | 効果 (千円) |
備考 |
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①本社1F:ダウンライト (27W/台) |
13h/日×278日 | 4 | 不要灯の消灯 (別に蛍光灯があるため) |
9 | - |
②本社:蛍光灯 (85W/台) |
5 | 照明の間引きや 不在時の消灯 (キャノピーSWに より6h/日消灯) |
17 | キャノピーSW 設置:25個 |
|
③工場:蛍光灯 (85W/台) |
9h/日×278日 | 20 | 照明の間引きや 不在時の消灯 (キャノピーSWに より5h/日消灯) |
55 | |
④工場(ひさし部分): 蛍光灯 (85W/台) |
9.5h/日×278日 | 6 | 点灯時間短縮 (タイマで1.5h早く消灯) |
5 | タイマ設置: 1台 |
計 | 35 | 86 | 47 |
提案9
変圧器
小型の高効率変圧器への更新
省エネ効果 | 0.8 kL/年 |
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削減金額 | 76 千円/年 |
設備投資額 | 740 千円(回収:9.7年) |
設備概要 | 変圧器(1台:3φ200kVA→3φ100kVA) |
キーワード
小型の高効率変圧器への更新
内容
変圧器(油入、3φ200kVA)は稼働後20年以上経過し、更新時期を迎えている。負荷率を考慮して、小容量の高効率変圧器(3φ100kVA動力用変圧器)に更新し、変圧器損失を低減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。