A店様では、省エネ対策として不要照明の間引き・消灯や冷暖房設定温度の変更等を実施されています。今回は全般的な省エネ診断を希望されました。診断の結果、空調用全熱交換器の換気量低減や冬期の運用方法改善、中間期にガスヒートポンプ(GHP)空調機の稼働台数半減、店舗内照明のLED化、節水型便器への更新等を提案しました。
内訳 | 電力 (千kWh/年) |
都市ガス13A (千m³/年) |
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改善前 | 482 | 37 |
改善後 | 341 | 33 |
提案1
空調設備
全熱交換器の換気量低減
省エネ効果 | 6.7 kL/年 |
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削減金額 | 731 千円/年 |
設備概要 | 全熱交換器(1台、効率66%、吸排気風量:100%時18千m³/h・12.3kW、50%時8.0kW)、GHP空調機(出力:56kW、COP:1.03、都市ガス消費量:37千m³/年) |
キーワード
全熱交換器の換気量低減
内容
店舗内の空調は、盛夏期(60日/年)で全熱交換器の2時間運転(風量50%)、中間期(215日/年)で全熱交換器の連続運転11時間(風量100%)、冬期(90日/年)で外気冷房を基本としている。盛夏期の換気量で問題がなければ中間期も同一条件で全熱交換器を運転し、空調用燃料の消費量やファン動力の削減を図ることを提案。
提案2
空調設備
(冬期)全熱交換器の換気モード運転化
省エネ効果 | 1.1 kL/年 |
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削減金額 | 120 千円/年 |
設備概要 | 全熱交換器(1台、効率66%、吸排気風量:100%時18千m³/h・12.3kW、50%時8.0kW) |
キーワード
全熱交換器の運転モード変更
内容
冬期(90日/年、11h/日)の冷房ではGHPを停止し、全熱交換器の全熱交換モード×100%風量での外気冷房としている。全熱交換モードでは冷房能力が3割程度に減るため、熱交換をしない換気モード運転で冷却能力を上げ、その分風量を減少(50%)させることにより、省エネを図ることを提案。
提案3
空調設備
設定温度の緩和
省エネ効果 | 4.3 kL/年 |
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削減金額 | 328 千円/年 |
設備概要 | GHP空調機(出力:56kW、COP:1.03、都市ガス消費量:37千m³/年) |
キーワード
設定温度の適正化
内容
売場の冷房温度は26°Cに設定され、冬期の外気冷房時期を除いてGHPによる冷房を行っている。設定温度を緩和(26→27°C、+1°C)して外気温度との温度差を小さくし、省エネを図る(▲10%)ことを提案。
提案4
空調設備
中間期にGHPの稼働台数半減
省エネ効果 | 1.9 kL/年 |
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削減金額 | 208 千円/年 |
設備概要 | GHP空調機(出力:56kW、COP:1.03、都市ガス消費量:37千m³/年、室外機消費電力:計10.4kW/7台、室内機消費電力:計6.0kW/対象28台) |
キーワード
運転台数の削減
内容
GHP空調システムの制御系統は、2系統に区分されている。中間期(低負荷)では1系統のみの運転とし、省エネを図ることを提案。燃料消費量の改善も期待できるが、当該機種の負荷特性が不明であるため電力消費量の削減効果のみを試算。
提案5
空調設備
(冬期)GHP室外機の電源OFF
省エネ効果 | 0.1 kL/年 |
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削減金額 | 13 千円/年 |
設備概要 | GHP空調機(出力:56kW、COP:1.03、室外機:7台、クランクケースヒータ:30W/台) |
キーワード
不要時の室外機電源遮断(クランクケースヒータOFF)
内容
GHP室外機の圧縮機にはクランクケースヒータが内蔵され、運転停止でも通電されている。冬期(長期間停止:2,160h/年)ではGHP空調機の元電源ブレーカを切り、省エネを図ることを提案。但し、運転再開の10~12時間前に通電開始しないと設備故障に至る可能性があるため、長時間連続停止する場合のみ実施する。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案6
空調設備
室外機の日射対策
省エネ効果 | 0.7 kL/年 |
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削減金額 | 54 千円/年 |
設備投資額 | 35 千円(回収:0.6年) |
設備概要 | GHP空調機(出力:56kW、COP:1.03、室外機:7台) |
キーワード
室外機の日射対策
内容
空調機の室外機は、夏期に日射の影響により凝縮器(熱交換器)の温度が上昇し、エネルギー消費量が増加する。夏期に室外機の日射遮蔽(よしず設置等)を行い、燃料消費量の低減を図ることを提案。
提案7
衛生設備
節水型便器への更新
削減金額 | 208 千円/年(節水量:411m³/年) |
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設備投資額 | 600 千円(回収:2.9年) |
設備概要 | 便器(6台) |
キーワード
節水型便器への更新
内容
設置されている大便器はフラッシュバルブ式で、1回あたり13L程度の上水を使用する。節水型便器(使用量6L程度)に更新し、節水を図ることを提案。
提案8
照明
バックヤード照明の点灯回路分割、人感センサ設置による不要時消灯
省エネ効果 | 1.3 kL/年 |
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削減金額 | 142 千円/年 |
設備投資額 | 224 千円(回収:1.6年) |
設備概要 | LED灯(50台:46W/台)、人感センサ(8セット:1セット当たり、親機1台+子機2台) |
キーワード
人感センサによる自動点滅 点灯区分の細分化
内容
バックヤードの照明器具は既にLED灯に更新されているが、営業時間中は全点灯されている。照明を適切なブロックに区画して人感センサを設置して作業時のみの点灯化により、節電を図ることを提案。
提案9
照明
店舗照明のLED化
省エネ効果 | 25.1 kL/年 |
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削減金額 | 2,757 千円/年 |
設備投資額 | 14,000 千円(回収:5.1年) |
設備概要 | Hf蛍光灯(366台:160W/台、38台:62W/台)→LED灯(366台:97.8W/台、38台:48.2W/台) |
キーワード
高効率照明への更新
内容
売場の蛍光灯は既にHf型器具に更新されているが、LED灯に更新して更なる省エネを図ることを提案。
提案10
小型冷蔵庫
従業員用冷蔵庫の更新
省エネ効果 | 0.1 kL/年 |
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削減金額 | 7.3 千円/年 |
設備投資額 | 80 千円(回収:10.9年) |
設備概要 | 冷蔵庫(1台:220L、550→290kWh/年) |
キーワード
高効率家電品への更新
内容
休憩室内の冷蔵庫(導入後約15年経過)を最新の高効率機種(高断熱性、インバータ型)に更新し、消費電力量を半減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。