株式会社アイワード 石狩工場様では、省エネ対策として不要な照明の間引き・消灯や不要機器の停止等を実施されています。今回は、空調や照明を中心に全般的な省エネ診断を希望されました。診断の結果、夜間の外気導入停止や高効率吸収型冷温水機への更新、照明のLED化更新及び点灯区分の細分化による消灯、真空ヒーターの更新等を提案しました。
提案1
コンプレッサ
コンプレッサのフィルタ清掃
省エネ効果 | 0.2 kL/年 |
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削減金額 | 16 千円/年 |
設備概要 | コンプレッサ(1台、37kW) |
キーワード
吸気フィルタの清掃
内容
フィルタが汚れると、吸気抵抗が大きくなり動力が増大する。吸気フィルタを定期的に清掃して圧損を減らし、電力消費量を低減することを提案(効果は、コンプレッサが常時80%負荷で運転しているとして試算)。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案2
空調設備
夜間の外気導入停止
省エネ効果 | 11.6 kL/年 |
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削減金額 | 967 千円/年 |
設備投資額 | 500 千円(回収:0.5年) |
設備概要 | 吸収式冷温水機(2台、LPG、冷/暖房COP:0.9/0.8) |
キーワード
外気導入量の適正化
内容
夏季と冬季は、外気導入量が必要以上に多いと空調エネルギーが無駄になる。問題を生じないと思われる深夜から早朝(23~5時、夏季:2ヶ月、冬季:5ヶ月)の外気取入れ(外気導入量:17.3千m³/h)を停止し、省エネを図ることを提案。
提案3
空調設備
高効率吸収式冷温水機への更新
省エネ効果 | 9.1 kL/年 |
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削減金額 | 754 千円/年 |
設備投資額 | 24,000 千円(回収:老朽化更新時に実施) |
設備概要 | 吸収式冷温水機(LPG消費量:70t/年、冷/暖房能力:422/494kW、冷/暖房COP:0.8/0.8→1.2/0.84) |
キーワード
高効率冷温水機への更新
内容
ガス吸収冷温水機は導入後17年経過し、経年劣化が懸念される。最近の高効率ガス吸収冷温水機に更新し、省エネを図ることを提案。
提案4
給湯設備
真空温水ヒーターの更新
省エネ効果 | 5.4 kL/年 |
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削減金額 | 448 千円/年 |
設備概要 | 真空温水ヒーター(1台、LPG消費量:37t/年、ボイラ効率:80→90%) |
キーワード
高効率給湯機への更新
内容
真空温水ヒーターは設置後17年経過し、効率の悪化が懸念される。高効率機種に更新し、燃料使用量を削減することを提案。なお、現状は1台であるが、暖房負荷の状況や冷温水機の能力との兼ね合いから、半分の容量の機種を2台設置する案の検討も必要。
提案5
照明
照明のLED化更新、及び点灯区分の細分化による消灯
省エネ効果 | 19.3 kL/年 |
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削減金額 | 1,374 千円/年 |
設備投資額 | 15,260 千円(回収:11.1年) |
設備概要 | FLR蛍光灯、メタルハライド灯→LED灯 |
キーワード
高効率照明への更新 点灯区分の細分化
内容
工場内蛍光灯と荷捌室天井のメタルハライド灯のLED化更新、製本工場・荷捌室の照明の点灯区分細分化による不要灯の消灯により、省エネを図ることを提案。但し、蛍光灯照明の点灯区分細分化による効果は算出していない。
現状 | 更新案 | 点灯時間 | 台数 | 効果 (千円/年) |
投資 (千円) |
回収 年数 |
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①FLR蛍光灯 (225W/台) |
LED灯 (118W/台) |
2,570 h/年 | 241 | 1,213 | 14,460 | 11.9 |
②メタルハライド灯 (414W/台) |
LED灯 (119W/台) |
1,365 →1,108h/年 |
24 | 161 | 800 | 5.0 |
計 | 265 | 1,374 | 15,260 | 11.1 |
提案6
変圧器
変圧器の統合、高効率化更新
省エネ効果 | 3.3 kL/年 |
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削減金額 | 234 千円/年 |
設備投資額 | 1,350 千円(回収:5.8年) |
設備概要 | 動力用変圧器の統合(3台:計1,000kVA→1台:500kVA)、電灯用変圧器の更新(1台:1φ300kVA→1台:1φ100kVA) |
キーワード
変圧器の統合 高効率変圧器への更新
内容
①動力用変圧器5台のうち負荷が低い3台を1台に統合、②電灯用変圧器(1台:1φ300kVA)は需要率が低いため最新の高効率小型変圧器(1台:1φ100kVA)に更新。①②により変圧器の損失を低減して、省エネを図ることを提案。
現状 | 更新案 | 効果 (千円/年) |
投資 (千円) |
回収 年数 |
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①変圧器 (3台:3φ200kVA×1、 300kVA×1、500kVA×1) |
1台(3φ500kVA)に統合 | 167 | 450 | 2.7 |
②変圧器 (1台:1φ300kVA) |
1台(1φ100kVA)に更新 | 67 | 900 | 13.4 |
計 | 234 | 1,350 | 5.8 |
提案7
デマンド管理
デマンド監視装置の導入
削減金額 | 438 千円/年 |
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設備投資額 | 400 千円(回収:0.9年) |
設備概要 | デマンド監視装置 |
キーワード
デマンド監視制御装置の導入、活用
内容
モニタ付きのデマンド監視装置導入によりエネルギー使用状況を“見える化”し、最大電力の変化を監視して設定値に近づいた場合には、予め定めた機器の停止や印刷機の回転速度低減により最大需要電力を抑制して、契約電力を低減(1,215→1,190kW、▲25kW)する。さらに、季節毎の目標値設定により、年間を通して電力使用量を削減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。