H社様では、空調設定温度の緩和、不要照明の間引き・消灯等の省エネ活動に取り組まれており、今回は全般的な省エネ診断を希望されました。診断の結果、蒸気配管の保温対策強化、照明の高効率化更新、コンプレッサ吐出圧低減とエア漏れ対策強化、デマンド監視装置導入による最大電力削減等を提案しました。 省エネ診断の半年後(平成26年12月)、弊センターのチューニング診断「①蒸気配管系からの放熱量測定、②エア配管からの漏れ計測」を受診され、現状のロスと改善効果を確認しました。
提案1
ボイラ
空気比低減による燃料消費量削減
省エネ効果 | 2.4 kL/年 |
---|---|
削減金額 | 200 千円/年 |
設備概要 | ボイラ(1台、5t/h、都市ガス13A:850千m³/年 |
キーワード
空気比の適正化
内容
バーナーの空気比が必要以上に大きい場合、排ガスによる熱損失が増加する。空気供給量を適正値に修正して空気比を低減(1.35→1.30、▲0.05)し、省エネを図ることを提案。
提案2
コンプレッサ
吐出圧力の低減
省エネ効果 | 3.0 kL/年 |
---|---|
削減金額 | 202 千円/年 |
設備概要 | コンプレッサ(1台、37kW) |
キーワード
吐出圧力の低減
内容
コンプレッサ5台が運転されているが、うち1台(37kW)の吐出圧を低減(0.75→0.65MPa、▲0.1MPa)し、省エネを図ることを提案。全数実施すると製品不良が危惧されるため、今回は1台のみ実施し、順次実施することにした(効果は1台分を算出)。
提案3
エア配管
エア漏れ対策強化
省エネ効果 | 4.1 kL/年 |
---|---|
削減金額 | 277 千円/年 |
設備概要 | コンプレッサ(5台、計:203kW) |
キーワード
エア漏れ対策
内容
エア漏れ防止対策を強化し、省エネを図ることを提案(効果は、漏れ率10%、うち80%を改善した場合で試算)。
提案4
デマンド管理
デマンド監視装置を活用して最大電力を削減
省エネ効果 | 最大電力の低減(▲18kW) |
---|---|
削減金額 | 359 千円/年 |
設備概要 | デマンド監視装置 |
キーワード
デマンド監視制御装置の導入、活用
内容
前年12月に最大電力が増大したためデマンド管理を強化し、最大電力を低減(367→349kW、▲18kW)することを提案。本提案には、照明の効率化更新(▲8kW、提案7)による節電寄与分を含む。
提案5
衛生設備
蛇口への節水コマ取り付け
省エネ効果 | - |
---|---|
削減金額 | 30 千円/年 |
設備投資額 | -(千円程度のため、経費扱い) |
設備概要 | 蛇口(10個) |
キーワード
節水型水栓等の取り付け
内容
蛇口内部のコマを節水用コマに交換すると、ハンドル半開時の流量が抑制され、節水が図れる。洗面所等の洗面用蛇口に節水コマに交換し、節水を図ることを提案。
ハンドル開度 | 普通コマ | 節水コマ |
---|---|---|
90度 | 12 L/分 | 6 L/分 |
全開 | 21 L/分 | 21 L/分 |
13mm胴長水栓で水圧0.1MPaのとき
出典:東京都水道局ホームページより
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案6
蒸気配管
保温対策強化
省エネ効果 | 18.6 kL/年 |
---|---|
削減金額 | 1,545 千円/年 |
設備投資額 | 644 千円(回収:0.4年) |
設備概要 | フランジ型玉型弁(65A:11個)、フランジ(150A:12個)、配管(65A:44m) |
キーワード
保温対策
内容
蒸気配管系の配管、バルブの保温対策強化により無駄な放熱を低減し、ボイラの燃料(都市ガス)消費量を削減することを提案。
提案7
照明
照明の高効率化更新
省エネ効果 | 13.6 kL/年 |
---|---|
削減金額 | 922 千円/年 |
設備投資額 | 6,500 千円(回収:7.0年) |
設備概要 | FLR蛍光灯→(LED灯、Hf蛍光灯)、水銀灯→セラミックメタルハライド灯 |
キーワード
高効率照明への更新
内容
①工場・事務室のFLR蛍光灯を高効率のLED灯に更新、②成型ライン・ボイラ室等のFLR蛍光灯をHf蛍光灯に交換、③工場・倉庫棟・外灯の水銀灯を高効率のセラミックメタルハライド灯に交換。①②③により、電力消費量を削減することを提案。
現状 | 更新案 | 台数 | 点灯時間 (h/年) |
効果金額 (千円) |
投資金額 (千円) |
回収 年数 |
---|---|---|---|---|---|---|
①FLR蛍光灯 (40W2灯式、85W/台) |
直管型LED灯 (55W/台) |
100 | 4,878 | 256 | 3,500 | 13.7 |
②FLR蛍光灯 (40W2灯式、85W/台) |
Hf蛍光灯 (65W/台) |
100 | 4,878 | 171 | 1,200 | 7.0 |
③水銀灯 (415W/台) |
セラミック メタルハライド灯 (208W/台) |
40 | 3,415 | 495 | 1,800 | 3.6 |
計 | 240 | 922 | 6,500 | 7.0 |
提案8
照明
誘導灯のLED化
省エネ効果 | 0.4 kL/年 |
---|---|
削減金額 | 26 千円/年 |
設備投資額 | 325 千円(回収:12.5年) |
設備概要 | 蛍光灯型誘導灯→LED誘導灯 |
キーワード
誘導灯の高効率化更新
内容
従来型誘導灯(蛍光灯)は、銅鉄形安定器を使用しているため効率が悪い。高効率のLED誘導灯に更新し、省エネを図ることを提案
更新前 | 更新後 | 台数 |
---|---|---|
蛍光灯型誘導灯(15W/台) | LED誘導灯(2.0W/台) | 5 |
蛍光灯型誘導灯(23W/台) | LED誘導灯(2.7W/台) | 5 |
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。