株式会社テック様では、不要照明の間引き・消灯や、デマンド監視装置の導入等の省エネ活動に取り組まれており、今回は空調機等を中心に全般的な省エネ診断を希望されました。診断の結果、パッケージエアコンの効率化更新、空調機器のインバータ化、コンプレッサ吐出圧低減とエア機器への供給圧低減、自動デマンド負荷制御装置導入による最大電力削減等を提案しました。
内訳 | 電力 (千kWh/年) |
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改善前 | 2,800 |
改善後 | 2,405 |
提案1
エア配管
エア配管の漏れ防止対策の強化
省エネ効果 | 9.0 kL/年 |
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削減金額 | 489 千円/年 |
設備概要 | コンプレッサ(5台、計:67kW) |
キーワード
エア漏れ対策
内容
エア配管、エア使用設備など古いものが散見された。エア漏れ点検は実施されているが、一般的には10~20%程度のエア漏れがある。エア漏れ防止対策を強化し、省エネを図ることを提案(効果は、漏れ率10%、うち80%を改善した場合で試算)。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案2
空調設備
パッケージエアコンの更新
省エネ効果 | 23.0 kL/年 |
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削減金額 | 1,253 千円/年 |
設備投資額 | 6,000 千円(回収:4.8年) |
設備概要 | 空調機(3台、能力計:154kW、冷/暖房COP:2.1/2.4→4.2/4.2) |
キーワード
高効率空調機への更新
内容
A棟の老朽化した冷暖房用パッケージエアコンを高効率機に更新し、電力消費量を削減することを提案。
提案3
空調設備
AHUファンのインバータ化
省エネ効果 | 18.2 kL/年 |
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削減金額 | 988 千円/年 |
設備投資額 | 675 千円(回収:0.7年) |
設備概要 | ファン(3台、15kW/台) |
キーワード
インバータの導入
内容
エアハンドリングユニット(AHU)のファンは年間連続定格運転しているが、夜間休日(非生産時間)では熱負荷が下がるため、ダンパ全開+インバータ導入(モータ回転数減による風量20%減)により、省エネを図ることを提案。
提案4
空調設備
冷水ポンプのインバータ化
省エネ効果 | 11.8 kL/年 |
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削減金額 | 644 千円/年 |
設備投資額 | 165 千円(回収:0.3年) |
設備概要 | ポンプ(1台、11kW) |
キーワード
インバータの導入
内容
チラー用冷水ポンプは連続運転しているが、インバータを導入して、低負荷の中間期・夜間の流量低減(▲50%)により、省エネを図ることを提案。
提案5
空調設備
AHUファンに省エネベルト導入
省エネ効果 | 4.1 kL/年 |
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削減金額 | 225 千円/年 |
設備投資額 | 400 千円(回収:1.8年) |
設備概要 | ファン(3台、15kW/台) |
キーワード
省エネベルトへの交換
内容
エアハンドリングユニット(AHU)のファンはモータ容量が大きいため、既設設備のプーリーを改造して省エネベルトを導入し、電力消費量を削減(▲5%程度)することを提案。
(注)内側にノッチ加工を施したVベルト(省エネベルト)では、ベルトがプーリーに巻きつく際の「曲げ応力」が低減するため曲げによる損失が減少し、モータから駆動側への動力伝達効率が向上し、省電力になる。
提案6
空調設備
屋根への散水による省エネ
省エネ効果 | 0.6 kL/年 |
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削減金額 | 34 千円/年 |
設備投資額 | 50 千円(回収:1.5年) |
設備概要 | 屋根の面積(200m²)、空調機(COP:3.0) |
キーワード
屋根・屋上の日射対策
内容
C棟の屋根のクリーンルーム部分は裏張りしてあるが、他の部分は断熱材の施工がない。屋根への散水(チラーからの排水を再利用)により屋根からの侵入熱を低減(▲15%)し、空調用電力消費量を削減することを提案。
提案7
コンプレッサ、エア機器
コンプレッサの吐出圧低減、エア機器への供給圧低減
省エネ効果 | 21.3 kL/年 |
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削減金額 | 1,161 千円/年 |
設備投資額 | 150 千円(回収:0.1年) |
設備概要 | コンプレッサ(5台、計:67kW)、減圧弁(10台) |
キーワード
吐出圧力の低減 減圧弁によるエア圧の適正化
内容
①エアコンプレッサの吐出圧力を、エア使用設備の様子を見ながら徐々に低減(0.63~0.65MPa→0.5MPa、▲0.1MPa)する。②エア機器のエア圧が高いため、減圧弁により適切な圧力(エアブロー:0.6→0.4MPa)で供給する。①②より、省エネを図ることを提案。
項目 | 効果金額 (千円) |
投資金額 (千円) |
回収 年数 |
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①コンプレッサの吐出圧低減 (▲0.1MPa) |
550 | - | - |
②エア機器へ供給圧低減 (▲0.06~0.2MPa) |
611 | 150 | 0.2 |
計 | 1,161 | 150 | - |
提案8
コンプレッサ
コンプレッサ排熱の暖房利用
省エネ効果 | 4.9 kL/年 |
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削減金額 | 268 千円/年 |
設備投資額 | 300 千円(回収:1.1年) |
設備概要 | コンプレッサ(5台、計:67kW)、空調機(能力:6kW、COP:3.0) |
キーワード
コンプレッサ排気を暖房に利用
内容
コンプレッサの排熱は、ダクト配管を通じて外部へ排気されている。この排熱をC棟の暖房へ利用して空調負荷を低減し、省エネを図ることを提案。
提案9
照明
蛍光灯のLED化
省エネ効果 | 8.7 kL/年 |
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削減金額 | 472 千円/年 |
設備投資額 | 2,490 千円(回収:5.3年) |
設備概要 | Hf蛍光灯→直管型LED灯 |
キーワード
高効率照明への更新
内容
工場内の蛍光灯を高効率・長寿命のLED照明に更新し、省エネを図ることを提案。長寿命化(40,000h)により天井照明の交換作業低減が期待されるが、効果には含めていない。
現状 | 更新案 | 定格寿命 (h) |
台数 | 効果金額 (千円) |
投資金額 (千円) |
回収 年数 |
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①Hf蛍光灯 (40W2灯:86W/台) |
直管型LED灯 (40W/台) |
12,000 →40,000 |
153 | 272 | 1,530 | 5.6 |
②Hf蛍光灯 (110W2灯:230W/台) |
直管型LED灯 (101W/台) |
48 | 201 | 960 | 4.8 | |
計 | 201 | 473 | 2,490 | 5.3 |
提案10
デマンド管理
自動デマンド負荷制御装置による最大電力削減
省エネ効果 | 最大電力の低減(▲50kW) |
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削減金額 | 1,085 千円/年 |
設備投資額 | 1,000 千円(回収:0.9年) |
設備概要 | 自動デマンド負荷制御装置 |
キーワード
デマンド監視制御装置の導入、活用
内容
デマンド監視制御装置を活用して自動デマンド負荷制御装置でエアコン・AHUファン等を制御し、最大電力低減(契約電力500→450kW、▲50kW)を図ることを提案。本提案では、蛍光灯のLED化(13kW、提案9)、エアコン更新(10kW、提案2)、コンプレッサ改善(12kW、提案7)等による節電寄与分(約43kW)を含む。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。