株式会社天童ホテル様では、空調機の中間期停止、照明のLED化、従業員への省エネ啓蒙等の省エネ活動に取り組まれており、今回は全般的な省エネ診断を希望されました。診断の結果、洗面所や浴室での節水対策、空調設備用ポンプのインバータ化、ボイラの空気比適正化、デマンド監視装置導入による最大電力の低減等を提案しました。
内訳 | 電力 (千kWh/年) |
A重油 (kL/年) |
LPG (t/年) |
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改善前 | 2,290 | 290 | 60 |
改善後 | 2,187 | 252 | 60 |
提案1
冷凍冷蔵庫
厨房用プレハブ冷蔵庫・冷凍庫の集約
省エネ効果 | 1.5 kL/年 |
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削減金額 | 101 千円/年 |
設備投資額 | -(経費で対応) |
設備概要 | 冷蔵庫・冷凍庫の削減(3台、2.2kW/台) |
キーワード
稼働台数の削減
内容
厨房用の冷蔵庫と冷凍庫が多数設置されているが、個々の利用率は低いとみられ、台数の集約が可能。冷蔵庫、冷凍庫は圧縮機の消費電力だけでなく、扉凍結防止ヒーター、霜取りヒーター、庫内照明など付帯設備の電力消費がある。稼動台数を集約し、省エネを図ることを提案。
提案2
衛生設備
洗面所の湯水量調整
省エネ効果 | 22.2 kL/年 |
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削減金額 | 2,806 千円/年 |
設備投資額 | -(経費で対応) |
設備概要 | 上水使用量(46千m³/年)のうち、湯量減:▲3.3千m³/年、手洗い水減:▲2.2千m³/年 |
キーワード
節水型水栓等の取り付け
内容
洗面用湯水の吐出量が多いため、①手洗用止水栓で75%削減、②超節水型シャワー導入により、節水とボイラのA重油消費量を低減することを提案。
提案3
照明
蛍光灯の省電力化
省エネ効果 | 0.7 kL/年 |
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削減金額 | 49 千円/年 |
設備投資額 | -(球切れ時に交換、経費扱い) |
設備概要 | FLR蛍光灯(180台、40W/台)→省電力型蛍光灯(180台、36W/台) |
キーワード
高効率照明への更新
内容
バックヤードの事務所・厨房等のFLR蛍光灯を省電力型蛍光灯に変更し、電力消費量を低減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案4
空調設備
高効率のインバータ制御型冷凍機への更新
省エネ効果 | 4.9 kL/年 |
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削減金額 | 329 千円/年 |
設備投資額 | 27,650 千円(回収:老朽更新時に実施) |
設備概要 | 水冷チラー(1台、冷却能力247kW、COP:4.1→5.1) |
キーワード
高効率チラーへの更新
内容
水冷チラーは設置後約28年経過し老朽化しているため、高効率のインバータ制御型冷凍機に更新し、電力消費量を低減することを提案。
提案5
空調設備
温水2次ポンプのインバータ化
省エネ効果 | 4.2 kL/年 |
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削減金額 | 283 千円/年 |
設備投資額 | 600 千円(回収:2.1年) |
設備概要 | ポンプ(2台:11kW、3.7kW) |
キーワード
インバータの導入
内容
新館温水2次ポンプ2台(No.2、No.3)は能力が過大であり、バルブで絞って運転(No.2:35%、No.3:70%)しているため、バルブ全開+インバーター化(モータ回転数制御による流量減)により、消費電力量の低減を図ることを提案。
提案6
ボイラ
空気比の低減による燃料消費量削減
省エネ効果 | 7.2 kL/年 |
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削減金額 | 550 千円/年 |
設備投資額 | 400 千円(ボイラ4台の空気比調整費)(回収:0.7年) |
設備概要 | ボイラ(4台、0.9t/h/台、重油消費量計:176kL/年) |
キーワード
空気比の適正化
内容
ボイラの空気比は個別の計測が行われず把握できていないが、高い値であると推定。空気比の適正化(1.8→1.3)により、A重油消費量の削減を図ることを提案。
提案7
蒸気配管
保温対策強化
省エネ効果 | 3.3 kL/年 |
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削減金額 | 250 千円/年 |
設備投資額 | 1,300 千円(回収:5.2年) |
設備概要 | フランジ型玉形弁(80A:15個)、フランジ(100A:50個、65A:50個) |
キーワード
保温対策
内容
蒸気配管及びバルブの保温対策を強化し、ボイラの重油消費量を削減することを提案(社員による保温施工で対応可能)。
提案8
給湯設備
浴槽用濾過設備に深夜用専用小型ポンプ導入
省エネ効果 | 2.2 kL/年 |
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削減金額 | 151 千円/年 |
設備投資額 | 240 千円(回収:1.6年) |
設備概要 | ポンプ(2台、5.5kW/台)に、ポンプ(2台、2.2kW/台)を追加導入 |
キーワード
小型ポンプの導入
内容
浴槽用濾過ポンプ2台(5.5kW/台)を稼働しているが、深夜は汚れが小さいため専用の小型濾過ポンプを設置して、タイマでポンプ切り替えを行い、電力消費量の低減を図ることを提案。濾過ポンプが増えるため、故障時のバックアップにもなる。
(注)浴槽水内の遊離残留塩素濃度を検出して濾過ポンプをインバータ制御する方法もあり、更なる省エネが可能。
提案9
衛生設備
浴室のシャワーヘッドを節水型に交換
省エネ効果 | 6.0 kL/年 |
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削減金額 | 810 千円/年 |
設備投資額 | 2,800 千円(回収:3.5年) |
設備概要 | シャワーヘッド(40個) |
キーワード
節水型水栓等の取り付け
内容
浴室のシャワーヘッドを従来型から節水型に変更し、節水及びA重油消費量を低減することを提案。
提案10
照明
トイレ照明の人感センサ化
省エネ効果 | 0.6 kL/年 |
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削減金額 | 39 千円/年 |
設備投資額 | 176 千円(回収:4.5年) |
設備概要 | トイレ8ヶ所、蛍光灯(27W/台:14台、12W/台:8台)、人感センサ(8ヶ所、親機1台+子機2台/ヶ所) |
キーワード
人感センサによる自動点滅
内容
共用部トイレは照明の台数が多いが、手動による点滅では効果的な点灯管理が難しい。人感センサを設置して不在時に消灯し、電力消費量を低減することを提案。
提案11
照明
蛍光灯型誘導灯のLED化
省エネ効果 | 9.7 kL/年 |
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削減金額 | 654 千円/年 |
設備投資額 | 8,500 千円(回収:13.0年) |
設備概要 | 蛍光灯型誘導灯→LED誘導灯 |
キーワード
誘導灯の高効率化更新
内容
蛍光灯型誘導灯を消費電力が小さいLED型に更新し、電力消費量を低減することを提案。
分類 | 消費電力(W) | 台数 | ||
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蛍光灯型 | LED型 | 蛍光灯型 | LED型 | |
①誘導灯:A級(40W) | 49 | 10.5 | 22 | 48 |
②誘導灯:A級(35W) | 44 | 10.5 | 26 | |
③誘導灯:B級(BH級) | 25 | 3.6 | 90 | 91 |
④誘導灯:C級(20W) | 25 | 2.0 | 1 | 1 |
⑤誘導灯:C級(10W) | 13 | 2.0 | 57 | 56 |
合計 | 196 | 196 |
提案12
デマンド管理
デマンド監視装置の導入
省エネ効果 | 最大電力の低減(▲27kW) |
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削減金額 | 437 千円/年 |
設備投資額 | 400 千円(回収:0.9年) |
設備概要 | デマンド監視装置 |
キーワード
デマンド監視制御装置の導入、活用
内容
デマンド監視装置を導入して最大電力の変化を監視し、設定値に近づいた場合に予め計画した設備の運転を停止し、最大電力(契約電力:720→693kW、▲27kW)を抑制することを提案。運転停止設備としては、厨房機器(コンベクションオーブン、食器洗浄機)、冷凍庫・冷蔵庫のデフロスト時間の変更、電気温水器の停止等がある。
提案13
コンセント負荷
客室冷蔵庫の空室時電源OFF
省エネ効果 | 2.8 kL/年 |
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削減金額 | 191 千円/年 |
設備投資額 | 116 千円(スイッチ付OAタップ)(回収:0.6年) |
設備概要 | 小型冷蔵庫(116台、180kWh/台/年) |
キーワード
待機電力の削減
内容
客室に冷蔵庫が設置してあるが、常時電源が投入され待機電力を消費している。スイッチ付延長コード等を利用し、空室時の電源OFFにより、省エネを図ることを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。