株式会社一ノ蔵様では、デマンド監視装置導入等の省エネ活動に取り組まれており、今回は全般的な省エネ診断を希望されました。診断の結果、空調設備の更新、ボイラの空気比適正化、蒸気配管の保温対策強化、曝気ブロワへのインバータ導入、照明や誘導灯の高効率化、センサによるコンベア運転制御等を提案しました。
内訳 | 電力 (千kWh/年) | A重油 (kL/年) | LGP (t/年) | 灯油 (kL/年) |
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改善前 | 2,660 | 320 | 1 | 3 |
改善後 | 2,547 | 306 | 1 | 3 |
提案1
空調設備
室外機の不使用期間電源遮断による待機電力削減
省エネ効果 | 0.6 kL/年 |
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削減金額 | 32 千円/年 |
設備概要 | 室外機(25台、クランクケースヒーター:40W/台) |
キーワード
不要時の電源遮断(室外機:クランクケースヒーター)
内容
室外機の圧縮機にはクランクケースヒーターが内蔵され、常時通電されている。空調機の不使用期間で室外機の電源を遮断し、節電を図ることを提案。
提案2
ボイラ
空気比の適正化
省エネ効果 | 10.4 kL/年 |
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削減金額 | 677 千円/年 |
設備概要 | ボイラ(2台、3t/h/台、重油消費量計:318kL/年) |
キーワード
空気比の適正化
内容
ボイラ2台の空気比が高い(1号機:1.8、2号機:1.6)ため、省エネ法に基づく判断基準(1.3)まで下げて、重油消費量を削減することを提案。
提案3
コンプレッサ
吐出圧力の低減
省エネ効果 | 1.2 kL/年 |
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削減金額 | 71 千円/年 |
設備概要 | コンプレッサ(1台、7.5kW) |
キーワード
吐出圧力の低減
内容
コンプレッサ(複数)のうち1台の吐出圧力が大きいため、低減(0.80→0.65MPa)して電力消費量を削減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案4
空調設備
高効率空調機への更新
省エネ効果 | 3.1 kL/年 |
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削減金額 | 181 千円/年 |
設備投資額 | 5,280 千円(回収:老朽更新時に実施) |
設備概要 | 空調機(4台、冷/暖房能力:20.0/22.3kW/台、冷/暖房COP:2.8/3.0→4.2/4.1) |
キーワード
高効率空調機への更新
内容
空調設備は設置後20年経過し老朽化しており、また冷媒(R22)が地球温暖化防止対策として2020年に製造中止となる。そのため最新の高効率空調機に更新し、省エネを図ることを提案。今回は、事務所の空調機4台で試算。
提案5
蒸気配管
保温対策強化
省エネ効果 | 3.5 kL/年 |
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削減金額 | 228 千円/年 |
設備投資額 | 540 千円(回収2.4 年) |
設備概要 | フランジ型玉形弁(100A:3個、80A:10個、65A:1個)、フランジ(200A:1個、80A:5個、50A:5個)等 |
キーワード
保温対策
内容
蒸気配管のバルブ・フランジの保温対策を強化して熱放散を低減し、ボイラの重油消費量を削減することを提案。
提案6
排水処理設備
曝気ブロワのインバータ化
省エネ効果 | 11.4 kL/年 |
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削減金額 | 665 千円/年 |
設備投資額 | 500 千円(回収0.8 年) |
設備概要 | ブロワ(2台、7.5kW/台) |
キーワード
曝気ブロワの回転数低減
内容
曝気ブロワ2台は常時稼働しているが、水使用の少ない時期は、排水放流が少なくなる。そのためブロワにインバータを導入して、休日・未使用時間帯の空気供給量を低減(周波数設定60%)し、省エネを図ることを提案。
(注)曝気槽にDO計(Dissolved Oxygen:溶存酸素量)を設置して連続測定し、DO値が基準値を維持するように曝気用ルーツブロワのインバータ制御(DO値による回転数制御、風量低減)を行うことにより、更に効果が得られる。
提案7
照明
照明や誘導灯の高効率化更新
省エネ効果 | 5.2 kL/年 |
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削減金額 | 304 千円/年 |
設備投資額 | 4,917 千円(回収:老朽更新時に実施) |
設備概要 | 蛍光灯、ダウンライト(蛍光灯)、蛍光灯型誘導灯<br /> →冷陰極蛍光ランプ、LED灯、LED誘導灯 |
キーワード
高効率照明への更新 誘導灯の高効率化更新
内容
①蛍光灯を低電力消費(▲約40%)・長寿命(50,000h)・安価な冷陰極蛍光ランプに、②入口のダウンライト(蛍光灯)をLED灯に、③蛍光灯型誘導灯をLED誘導灯に更新し、消費電力の低減を図ることを提案。
現状 | 更新案 | 台数 | 効果金額 (千円) |
投資金額 (千円) |
回収年数 |
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①蛍光灯 (36W/台) |
冷陰極蛍光ランプ (22W/台) |
64 | 42 | 384 | 9.1 |
②ダウンライト (電球型蛍光灯、13W/台) |
LED灯 (6.9W/台) |
17 | 6 | 136 | 22.7 |
③蛍光灯型誘導灯 (15W/台) |
LED誘導灯 (2.0W/台) |
125 | 256 | 4,397 | 17.2 |
蛍光灯型誘導灯 (23W/台) |
LED誘導灯 (2.7W/台) |
16 | |||
計 | 222 | 304 | 4,917 | 16.2 |
提案8
照明
人感センサによる階段灯の減光制御
省エネ効果 | 0.8 kL/年 |
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削減金額 | 44 千円/年 |
設備投資額 | 504 千円(回収:11.5 年) |
設備概要 | FLR蛍光灯(6台、85W/台)→人感センサ付きHf型蛍光灯(6台、65W/台) |
キーワード
人感センサによる減光制御
内容
FLR蛍光灯を人感センサ・減光制御機能付きHf型蛍光灯に更新して、照度を階段利用者通行時は100%、非通行時は30%に減光し、電力消費量を削減することを提案。
提案9
生産設備
センサによるコンベア運転制御
省エネ効果 | 1.9 kL/年 |
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削減金額 | 108 千円/年 |
設備投資額 | 300 千円(回収:2.8 年) |
設備概要 | コンベア(30台、0.25kW/台)、搬送品検出センサ(10個、コンベア3台毎に設置) |
キーワード
不要時の運転停止
内容
壜詰め工場のコンベアは、搬送品がないときも動作している。搬送品の検出センサを設置し、搬送品がない場合にコンベアを停止し、省エネを図ることを提案。
提案10
変圧器
変圧器の高効率化更新と統合
省エネ効果 | 5.0 kL/年 |
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削減金額 | 291 千円/年 |
設備投資額 | 3,740 千円(回収:12.9 年) |
設備概要 | ①変圧器の更新(1φ:1台、200→150kVA)、<br /> ②変圧器の統合(3φ:3台、500kVA/台→2台、500kVA/台) |
キーワード
高効率変圧器への更新 変圧器の統合
内容
①設置後18年経過した変圧器を高効率型に更新、②変圧器3台を2台に統合 により、変圧器損失を低減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。