株式会社萬世閣様の運営するホテルでは、不要照明の間引き・消灯や高効率照明への更新、デマンド監視装置の導入活用等の省エネ活動に取り組まれており、今回は全般的な省エネ診断を希望されました。診断の結果、空調用冷温水ポンプのインバータ化、客室空調用室内機の熱交換器清掃、真空温水器の空気比低減、温水配管の保温対策強化等を提案しました。
内訳 | 電力 (千kWh/年) |
自家発電力 (千kWh/年) |
A重油 (kL/年) |
LPG (t/年) |
灯油 (kL/年) |
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改善前 | 3,670 | 1,880 | 1,140 | 75 | 50 |
改善後 | 3,511 | 1,880 | 1,112 | 75 | 50 |
提案1
温水設備
真空温水機の空気比低減
省エネ効果 | 12.8 kL/年 |
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削減金額 | 1,019 千円/年 |
設備概要 | 真空温水機(2台、A重油消費量計:360kL/年) |
キーワード
空気比の適正化
内容
給湯用の真空温水機2台を交互運転している。空気比は2台とも高いため、省エネ法の基準値(1.9→1.3)に調整し、省エネを図ることを提案。
提案2
自販機
高効率自販機への更新
省エネ効果 | 3.2 kL/年 |
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削減金額 | 213 千円/年 |
設備概要 | 自販機(39台、消費電力計:35千kWh/年) |
キーワード
高効率自販機への更新
内容
飲料(缶・ボトル)自販機を高効率機に更新し、電力消費量を削減(▲36%)することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案3
空調設備
冷温水ポンプのインバータ化
省エネ効果 | 32.7 kL/年 |
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削減金額 | 2,160 千円/年 |
設備投資額 | 2,500 千円(回収:1.2年) |
設備概要 | ポンプ(1台、30kW) |
キーワード
インバータの導入
内容
宴会場空調用の冷温水ポンプは、バルブで絞って流量を調整している。バルブ全開+インバータ化(必要流量まで回転数を下げる)により、電力消費量を低減することを提案。この場合、実揚程分の圧力を発生させる必要があること等から、効果は揚程を1/2まで下げるとの条件で試算。
提案4
空調設備
客室空調用室内機の熱交換器清掃
省エネ効果 | 9.1 kL/年 |
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削減金額 | 729 千円/年 |
設備投資額 | 3,180 千円(回収:4.4年) |
設備概要 | 室内機(FCU:318台、冷/暖房熱量計:550/960kW) |
キーワード
室内機の清掃(熱交換器、フィルタ等)
内容
客室空調用の室内機(FCU:ファンコイルユニット)の熱交換器の汚れが散見される。清掃により熱交換効率を回復させ、燃料消費量の削減を図ることを提案。効果は、清掃による省エネ率5%として試算。
提案5
空調設備
レストラン・ラウンジの窓ガラスへのカーテン設置
省エネ効果 | 0.7 kL/年 |
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削減金額 | 52 千円/年 |
設備投資額 | 1,000 千円(回収:19.2年) |
設備概要 | 窓ガラス(面積225m²、夜間室温22°C、外気1°C) |
キーワード
冬期の窓ガラスからの放熱対策(カーテン設置等)
内容
レストラン及びラウンジでは、冬期の夜間(営業時間帯外)の暖房を停止しているが、室温が高いため窓ガラスから放熱があり、熱損失が発生する。一晩の放熱分が建物を冷やし翌日の暖房負荷に加算されるため、窓ガラス面にカーテンを設置して室温低下を防ぎ、暖房用A重油消費量を削減することを提案。
提案6
空調設備
空調用ファンに省エネベルトを採用
省エネ効果 | 0.4 kL/年 |
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削減金額 | 25 千円/年 |
設備投資額 | 17 千円(回収:0.7年) |
設備概要 | 排気ファン(1台、22kW) |
キーワード
省エネベルトへの交換
内容
主厨房の空調機用ファンは1年中連続運転しているため、省エネベルトに交換して電力消費量を削減することを提案。効果には、耐久性向上によるメンテナンス費用減は含めていない。
(注)内側にノッチ加工を施したVベルト(省エネベルト)使用により、ベルトがプーリーに巻きつく際の「曲げ応力」が小さくなり、曲げによる損失減少により電動機から駆動側への動力伝達効率を高め、省電力になる。
提案7
温水プール
温水プール表面からの熱放散量低減
省エネ効果 | 4.1 kL/年 |
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削減金額 | 330 千円/年 |
設備投資額 | 200 千円(回収:0.6年) |
設備概要 | 温水プール(表面積100m²、水温31°C、周囲温度28°C) |
キーワード
浴槽や温水プールの保温対策
内容
冬期夜間において、温水プール水面への簡易保温シート設置等により水分蒸発と水温低下を抑制し、ボイラの燃料消費量を削減することを提案。具体策としては、屋内プールの表面に発泡樹脂シートや断熱板などを浮かべる等がある。
提案8
温水配管
温水配管系の保温対策強化
省エネ効果 | 1.9 kL/年 |
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削減金額 | 151 千円/年 |
設備投資額 | 380 千円(回収:2.5年) |
設備概要 | フランジ型玉形弁(150A:3個)、フランジ(150A:3個、80A:14個、65A:6個)、配管(80A:1m、50A:1m)等 |
キーワード
保温対策
内容
機械室の温水配管系統において保温対策を強化して放熱ロスを低減し、温水ボイラのA重油消費量を削減することを提案。
提案9
照明
蛍光灯型誘導灯のLED化
省エネ効果 | 1.8 kL/年 |
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削減金額 | 121 千円/年 |
設備投資額 | 1,368 千円(回収:11.3年) |
設備概要 | 蛍光灯型誘導灯(40台、23W/台)→LED誘導灯(40台、2.7W/台) |
キーワード
誘導灯の高効率化更新
内容
蛍光灯型誘導灯の消費電力は少ないが24時間点灯のため、年間電力使用量は大きい。高効率のLED誘導灯に交換し、電力消費量を削減することを提案。
提案10
コンセント負荷
客室冷蔵庫の空室時電源OFF
省エネ効果 | 2.8 kL/年 |
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削減金額 | 185 千円/年 |
設備投資額 | 10 千円(回収:0.1年) |
設備概要 | 小型冷蔵庫(320台、17kWh/月/台) |
キーワード
待機電力の削減
内容
スイッチ付コンセントを設置して、空室時に室内小型冷蔵庫の電源をOFFとし、無駄な稼働による電力消費を削減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。