A社様では、ファンやポンプのインバータ化、不要照明の消灯等の省エネ活動に取り組まれており、今回、全般的な省エネ診断を希望されました。診断の結果、焼入れ炉の保温対策強化、空調機の熱交換器洗浄、蒸気ドレン回収によるボイラ給水加熱、水銀灯のLED化等をご提案しました。
内訳 | 電力 (千kWh/年) |
自家発電 (千kWh/年) |
A重油 (kL/年) |
灯油 (kL/年) |
---|---|---|---|---|
改善前 | 4,200 | 700 | 210 | 40 |
改善後 | 4,053 | 700 | 210 | 37 |
提案1
空調設備
盛夏期以外での冷水温度の設定適正化
省エネ効果 | 0.2kL/年 |
---|---|
削減金額 | 14千円/年 |
設備概要 | 空調機(吸収式冷温水発生機120RT×1台) |
キーワード
設定温度の適正化
内容
盛夏期以外は軽負荷であるため、冷温水発生機の冷水設定温度を高めて(7→9℃)、燃料消費量を削減(▲5.1%)することを提案。
提案2
コンプレッサ
夏期以外でも吸気温度低減
省エネ効果 | 0.4kL/年 |
---|---|
削減金額 | 23千円/年 |
設備概要 | コンプレッサ(計90kW) |
キーワード
吸気温度の低減
内容
機械室の換気ファンは夏期のみ運転。中間期・冬季の換気ファン運転によりコンプレッサの吸気温度を低減(28→15℃)して効率アップを図り、電力消費量を削減することを提案。
(注)容積型コンプレッサでは、吸気温度低下により空気密度が上昇し、多くの質量の空気を処理できる。エア使用量一定で、コンプレッサ動力は吸気風量に比例するため、吸気側で多く処理した分、省エネとなる。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案3
空調設備
熱交換器の洗浄
省エネ効果 | 7.4kL/年 |
---|---|
削減金額 | 462千円/年 |
設備投資額 | 1,750千円(回収3.8年) |
設備概要 | 空調機(35台、冷暖房能力計:834kW/250kW) |
キーワード
空調換気設備の清掃
内容
空調機の大部分は設置後15年経過。フィルタ清掃は定期的に行われているが、内部の熱交換器は洗浄されていないため、表面の汚れにより効率が低下している。熱交換器の洗浄により、電力消費量を削減(▲10%)することを提案。
提案4
空調設備
室内設置チラーの屋外排気
省エネ効果 | 2.4kL/年 |
---|---|
削減金額 | 150千円/年 |
設備投資額 | 1,100千円(回収7.3年) |
設備概要 | 空冷チラー(7台、圧縮機2.35kW/台、冷房能力4.8kW/台) |
キーワード
その他(局所排気による空調負荷低減)
内容
空冷チラーが室内に設置され、内部の凝縮器からの放熱が室内に排出されている。その放熱は冬期に暖房補助となるが、夏期では空調負荷が増大する。①チラー7台の集中設置化、②チラー用の排気ダクト設置(室外排熱)により空調負荷を軽減し、電力消費量を削減(▲10%)することを提案。
提案5
ボイラ
蒸気ドレン回収によるボイラ給水加熱
省エネ効果 | 2.2kL/年 |
---|---|
削減金額 | 178千円/年 |
設備投資額 | 550千円(回収3.1年) |
設備概要 | ボイラ(灯油消費量:31千kL/年) |
キーワード
蒸気ドレンの回収
内容
洗浄機から、蒸気ドレン(85℃)が放流されている。蒸気ドレンを回収してボイラ給水を加熱し、燃料消費量を削減することを提案。
提案6
蒸気配管
蒸気配管の保温対策強化
省エネ効果 | 0.3kL/年 |
---|---|
削減金額 | 21千円/年 |
設備投資額 | 80千円(回収3.8年) |
設備概要 | 伸縮継手(複式:40A×1個、単式:40A×1個)、<br /> フランジ型玉形弁(25A×2個)、<br /> 減圧弁(25A×1個)、ストレーナ(25A×1個) |
キーワード
保温対策
内容
蒸気配管の保温対策強化により、ボイラの灯油消費量を削減することを提案。
提案7
エア機器
ブロー用エアのブロワ化
省エネ効果 | 1.8kL/年 |
---|---|
削減金額 | 116千円/年 |
設備投資額 | 900千円(回収7.8年) |
設備概要 | コンプレッサ(エアブロー用の所要動力:7.4kW)<br /> →ブロワ(3.7kW×1台) |
キーワード
エア源の変更
内容
プレス後の屑除去ため圧縮空気でエアブローしているが、高圧空気は必要ない。エア供給源をコンプレッサからブロワ(新設)に変更し、電力消費量を削減することを提案。
提案8
工業炉
焼入れ炉の断熱強化
省エネ効果 | 10.8kL/年 |
---|---|
削減金額 | 679千円/年 |
設備投資額 | 500千円(回収0.7年) |
設備概要 | 焼入れ炉(1台、表面積:16m2、底面は接地面であるため除外) |
キーワード
保温対策
内容
焼入れ炉の表面は保温はされているが60℃と高く、放熱ロスがある。更なる保温対策強化により、加熱用の電力消費量を削減することを提案。
提案9
生産設備
冷却水ポンプのインバータ化
省エネ効果 | 2.6kL/年 |
---|---|
削減金額 | 164千円/年 |
設備投資額 | 350千円(回収2.1年) |
設備概要 | ポンプ(7.5kW×1台) |
キーワード
インバータの導入
内容
冷却水の必要量は生産状況に応じて変動するが、冷却水用ポンプは連続運転。ポンプに圧力センサとインバータ(回転数制御)を設置して供給水量を適正化し、電力消費量を削減することを提案(配管系統や実揚程、必要水量等の事前確認が必要)。
提案10
照明
水銀灯をLED灯に更新
省エネ効果 | 12.7kL/年 |
---|---|
削減金額 | 777千円/年 |
設備投資額 | 10,112千円(回収13.0年) |
設備概要 | 水銀灯(415W/台×64台、寿命12,000h)<br /> →LED灯(101W/台×64台、寿命40,000h) |
キーワード
高効率照明への更新
内容
天井の水銀灯を高天井用LEDに更新し、消費電力削減と長寿命化による保守費削減を図ることを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。