A社様では、空調設備の小型化や分散設置化、インバータ制御の高効率コンプレッサ導入等の省エネ活動に取り組まれており、今回、コンプレッサを中心に全般的な省エネ診断を希望されました。診断の結果、蒸気駆動コンプレッサの導入やコップレッサの吐出圧低減、ボイラの蒸気圧低減、照明の間引き、高効率・長寿命の照明への更新等をご提案しました。
内訳 | 電力 (千kWh/年) |
A重油 (kL/年) |
軽油 (kL/年) |
LPG (t/年) |
灯油 (kL/年) |
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改善前 | 2,400 | 190 | 3 | 17 | 4 |
改善後 | 1,963 | 159 | 3 | 17 | 4 |
提案1
ボイラ
気圧比の適正化
省エネ効果 | 2.3kL/年 |
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削減金額 | 157千円/年 |
設備概要 | ボイラ(A重油消費量190kL/年) |
キーワード
空気比の適正化
内容
空気比が高いと排ガス量が増え、エネルギー損失が増大する。空気比の適正化(1.50→1.35)により、燃料消費量を削減することを提案。
提案2
ボイラ
設定蒸気圧力の緩和
省エネ効果 | 0.6kL/年 |
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削減金額 | 40千円/年 |
設備概要 | ボイラ(A重油消費量190kL/年) |
キーワード
蒸気圧力の適正化
内容
蒸気負荷は高い圧力を必要とはしないため、ボイラの設定蒸気圧力を緩和(0.65→0.50MPa)し、燃料消費量を削減することを提案。
提案3
エア配管
エア漏れの防止対策
省エネ効果 | 8.6kL/年 |
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削減金額 | 490千円/年 |
設備概要 | ― |
キーワード
エア漏れ対策
内容
エア漏れは検知が難しく、漏れ量が分かりにくいが、コンプレッサ動力の損失が意外に大きい。エア漏れ対策により、電力消費量を削減することを提案(漏れ率10%、うち80%の漏れを防止した場合の効果を試算)。
提案4
照明
天井照明の晴天時消灯
省エネ効果 | 11.3kL/年 |
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削減金額 | 961千円/年 |
設備概要 | 水銀灯(415W/台×100台) |
キーワード
不要照明の消灯
内容
A工場は外光を取り入れる構造であるため、現場の照度は250~400lxとB工場(モデル工場)の130~250lxと比較して十分明るい。常時点灯の天井照明を晴天時に消灯し、電力消費量を削減することを提案。
提案5
照明
通路及び検査工程における照明の間引き
省エネ効果 | 14.9kL/年 |
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削減金額 | 1,267千円/年 |
設備概要 | 水銀灯(415W/台:210→147台) |
キーワード
照明の間引き
内容
A工場の照度(通路250lx、検査工程400lx)は、モデル工場であるB工場(通路130lx、検査工程250lx)と比較して高い。A工場の照度基準をB工場にあわせて照明を間引きし、電力消費量を削減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案6
蒸気使用設備
蒸気ドレンの回収
省エネ効果 | 4.2kL/年 |
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削減金額 | 292千円/年 |
設備投資額 | 700千円(回収2.4年) |
設備概要 | ボイラ(A重油消費量77kL/年) |
キーワード
蒸気ドレンの回収
内容
生産工程からの蒸気ドレンを回収してボイラの給水に利用し、ボイラの燃料消費量を削減することを提案。
提案7
コンプレッサ
蒸気駆動コンプレッサの導入および空気圧縮熱の回収利用
省エネ効果 | 31.5kL/年 |
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削減金額 | 2,486千円/年 |
設備投資額 | 24,000千円(回収9.7年) |
設備概要 | 蒸気駆動コンプレッサ(38.6kW) |
キーワード
その他(蒸気駆動コンプレッサの導入)その他(廃熱回収)
内容
①洗浄液加熱用の蒸気圧力が高いため減圧する。その際の蒸気エネルギーを蒸気駆動コンプレッサ(新規導入)に活用し、既設コンプレッサの電力消費量を削減することを提案。②同時に空気圧縮熱を回収して、ボイラの給水予熱に活用し、燃料消費量を削減することを提案。
提案8
コンプレッサ
吐出圧力低減およびブースターコンプレッサの導入
省エネ効果 | 33.2kL/年 |
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削減金額 | 2,812千円/年 |
設備投資額 | 2,200千円(ブースターコンプレッサの導入費用)(回収0.8年) |
設備概要 | コンプレッサ(9台、計236kW)、<br /> ブースターコンプレッサ(7.5kW×1台) |
キーワード
吐出圧力の低減その他(専用小型コンプレッサの導入)
内容
①エア使用設備の大部分は必要圧力が0.4MPa以下であることから、コンプレッサの吐出圧力を低減(0.74→0.5MPa)。②高いエア圧が必要な設備に対しては、専用のブースターコンプレッサを導入。①②より、電力消費量を削減することを提案。
提案9
生産設備
温水槽の液面の保温
省エネ効果 | 11.9kL/年 |
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削減金額 | 823千円/年 |
設備投資額 | 1,500千円(回収1.8年) |
設備概要 | 温水槽(液面の面積24m2) |
キーワード
保温対策
内容
温水槽の液面(60℃)が開放されており、熱放散がある。球状の軽い断熱材を液面に敷き詰め、作業性を維持しながら放熱を抑制し、ボイラの燃料消費量を削減することを提案。
提案10
照明
水銀灯を高効率・長寿命の蛍光灯に更新
省エネ効果 | 24.6kL/年 |
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削減金額 | 2,086千円/年 |
設備投資額 | 11,340千円(回収5.4年) |
設備概要 | 水銀灯(415W/台×210台、寿命12,000h)<br /> →2灯用HT形鏡面反射笠付高出力タイプ(中~高天井用)<br /> 蛍光灯(210W/台×210台、寿命18,000h) |
キーワード
高効率照明への更新
内容
高天井及び部分照明用の水銀灯を、2灯用HT形鏡面反射笠付高出力タイプ(中~高天井用、長寿命)蛍光灯に取り替え、電力消費量を削減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。