鈴与エコプロダクツ株式会社 袋井事業所様では、空調設定温度の適正化や不要機器の停止等の省エネ活動に取り組まれており、今回、全般的な省エネ診断を希望されました。診断の結果、排水処理用攪拌機や曝気ブロア・粉砕機へのインバータ導入、水抜き機へのエア用レギュレータ設置と吸込ノズル口径の縮小、最大電力低減活動の強化等をご提案しました。
内訳 | 電力 (千kWh/年) |
灯油 (kL/年) |
LPG (t/年) |
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改善前 | 310 | 88 | 1 |
改善後 | 248 | 87 | 1 |
提案1
蒸気配管
蒸気減圧弁の二次圧力見直し
省エネ効果 | 0.5kL/年 |
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削減金額 | 53千円/年 |
設備概要 | ボイラ(0.75t/h×1台) |
キーワード
蒸気圧力の適正化
内容
蒸気使用設備のうち潜熱を利用する熱交換器では、蒸気圧力低減により省エネとなる。蒸気加熱槽の減圧弁の二次圧力を下げて(0.25→0.15MPa)、燃料消費量を削減することを提案(ただし、圧力低下による配管サイズ不足の可能性に要注意)。
提案2
コンプレッサ
コンプレッサ制御方法の改善
省エネ効果 | 1.0kL/年 |
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削減金額 | 78千円/年 |
設備概要 | コンプレッサ(15kW×1台) |
キーワード
その他(コンプレッサ運転制御方法の改善)
内容
ロード・アンロード制御方式のコンプレッサを連続モードで運転しているため、軽負荷時にアンロードにならず無駄がある。運転モードを自動に切り換え、電力消費量を削減することを提案。
提案3
コンプレッサ
吐出圧力の低減
省エネ効果 | 0.7kL/年 |
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削減金額 | 50千円/年 |
設備概要 | コンプレッサ(15kW×1台) |
キーワード
吐出圧力の低減
内容
コンプレッサの設定圧力(0.65~0.75MPa)はやや高い。0.55~0.65MPaに下げて、電力消費量を削減することを提案。
提案4
エア配管
エア配管の漏れ防止
省エネ効果 | 0.6kL/年 |
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削減金額 | 44千円/年 |
設備概要 | コンプレッサ(15kW×1台) |
キーワード
エア漏れ対策
内容
エア漏れは検知が難しく、漏れ量が分かりにくいが、コンプレッサ動力の損失が意外に大きい。エア漏れ対策により、電力消費量を削減することを提案(漏れ率10%、うち80%の漏れを防止した場合の効果を試算)。
提案5
デマンド管理
最大電力低減活動の強化
省エネ効果 | 最大電力の低減(▲10kW) |
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削減金額 | 162千円/年 |
設備概要 | デマンド監視装置 |
キーワード
デマンド監視制御装置の活用その他(最大電力の低減)
内容
デマンド監視装置を活用して最大電力の変化を監視し、使用電力の大きい乾燥機の起動タイミング調整により、最大電力を抑制(134→124kW、▲10kW)することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案6
蒸気配管
保温対策の強化
省エネ効果 | 0.5kL/年 |
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削減金額 | 55千円/年 |
設備投資額 | 50千円(回収0.9年) |
設備概要 | 減圧弁(50A×1個)、フランジ(50A×10個) |
キーワード
保温対策
内容
蒸気バルブ弁や配管の保温対策を強化して熱放散の防止を図り、燃料消費量を削減することを提案。
提案7
エア配管
水抜き機用エアの減圧、吸込ノズルの小径化
省エネ効果 | 2.3kL/年 |
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削減金額 | 165千円/年 |
設備投資額 | 120千円(回収0.7年) |
設備概要 | コンプレッサ(15kW×1台)、ノズル(4個) |
キーワード
その他(レギュレータの設置)その他(エアノズルの形状適正化)
内容
水抜き機のエア配管にレギュレータを設置して減圧し、さらに吸込ノズルの口径縮小(φ4→φ3)によりエア使用量を低減(▲57%)し、コンプレッサの電力消費量を削減することを提案。
提案8
排水処理
曝気用ブロワおよび攪拌機へのインバータ導入
省エネ効果 | 6.5kL/年 |
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削減金額 | 505千円/年 |
設備投資額 | 610千円(回収1.2年) |
設備概要 | 曝気用ブロワ(2.2kW×1台)、攪拌機(3.7kW×1台) |
キーワード
インバータの導入その他(曝気ブロワの回転数低減)
内容
曝気槽内汚水のDO値(Dissolved Oxygen:溶存酸素量)から、過曝気に近い状況と判断される。①DO値連続測定+曝気用ブロワへのインバータ導入(回転数制御化)、②攪拌機へのインバータ導入(回転数低減)により、電力消費量を削減することを提案。
現状 | 投資 (千円) |
効果 (千円/年) |
回収 年数 |
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①曝気用ブロアのインバータ制御化 | 430 | 201 | 2.1 |
②攪拌機のインバータ制御化 | 180 | 304 | 0.6 |
提案9
生産設備
破砕機のインバータ化
省エネ効果 | 3.6kL/年 |
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削減金額 | 275千円/年 |
設備投資額 | 570千円(回収2.1年) |
設備概要 | モータ(37kW×1台) |
キーワード
インバータの導入
内容
破砕機は投入量が変化して時々高負荷となるが、殆どは低負荷で運転しているためモータの効率が低い。そのため、投入量の一定化+インバータ制御化により、電力消費量を削減することを提案。
提案10
生産設備
高効率モータ(IE3)への更新
省エネ効果 | 0.2kL/年 |
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削減金額 | 18千円/年 |
設備投資額 | 148千円(回収8.2年) |
設備概要 | モータ(37kW×1台) |
キーワード
高効率機への更新
内容
生産設備のオーバホール時に、破砕機の三相モータ(IE1)を高効率モータ(IE3、トップランナー)に更新し、電力消費量を削減することを提案。
提案11
照明
高効率照明への更新
省エネ効果 | 1.1kL/年 |
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削減金額 | 89千円/年 |
設備投資額 | 809千円(回収9.1年) |
設備概要 | Hf蛍光灯、蛍光灯型誘導灯→LED灯、LED誘導灯 |
キーワード
高効率照明への更新
内容
①Hf蛍光灯をLED灯に、②蛍光灯型誘導灯をLED誘導灯に更新し、電力消費量を削減することを提案。
現状 | 更新案 | 台数 | 投資 (千円) |
効果 (千円/年) |
回収 年数 |
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①Hf蛍光灯(69W/台) | LED灯(40W/台) | 29 | 464 | 47 | 9.9 |
②蛍光灯型誘導灯C級(15W/台) | LED誘導灯(2.0W/台) | 5 | 345 | 42 | 8.2 |
蛍光灯型誘導灯B級BL形(23W/台) | LED誘導灯(2.7W/台) | 2 | |||
蛍光灯型誘導灯B級BH形(49W/台) | LED誘導灯(3.6W/台) | 3 |
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。