S社様では、デマンド監視装置の導入や不要照明の間引き等の省エネ活動に取り組まれており、今回、全般的な省エネ診断を希望されました。診断の結果、射出成型機や押出機のヒータ部保温対策、冷却水ポンプや冷却塔ファンのインバータ化、大型電動機の動力伝達用ベルトの省エネベルト化、高効率照明への更新等をご提案しました。
提案1
エア配管
エア漏れの削減
省エネ効果 | 2.1kL/年 |
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削減金額 | 131千円/年 |
設備概要 | コンプレッサ(22kW×1台) |
キーワード
エア漏れ対策
内容
エア漏れの点検・修理により、コンプレッサの電力消費量を削減することを提案(効果は漏れ率20%で、うち80%を防止したとして試算)。
提案2
コンプレッサ
吐出圧力の低減
省エネ効果 | 1.1kL/年 |
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削減金額 | 65千円/年 |
設備概要 | コンプレッサ(22kW×1台) |
キーワード
吐出圧力の低減
内容
コンプレッサの吐出圧力は0.65MPaであるが、エア配管末端の機器では圧力不足になっていない。吐出圧力を0.60MPa(▲0.05MPa)に下げ、コンプレッサの電力消費量を削減することを提案。
提案3
生産設備
冷水出口温度の引き上げ
省エネ効果 | 0.9kL/年 |
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削減金額 | 56千円/年 |
設備概要 | 冷凍機(4台、計44kW) |
キーワード
その他(冷水温度の適正化)
内容
押出成型機等の冷却用冷水温度を9℃から10℃に1℃緩和し、冷凍機の電力消費量を削減することを提案(品質に影響しない限界の温度を探索されることを推奨)。
提案4
照明
不要時消灯の徹底
省エネ効果 | 0.6kL/年 |
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削減金額 | 34千円/年 |
設備概要 | FLR蛍光灯(225W/台×41台)、水銀灯(400W/台×24台) |
キーワード
不要照明の消灯
内容
射出成型機の自動運転時、プレス工程の昼休み等での消灯を徹底し、電力消費量を削減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案5
生産設備
ヒータ部の保温
省エネ効果 | 25.6kL/年 |
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削減金額 | 1,572千円/年 |
設備投資額 | 1,250千円(回収0.8年) |
設備概要 | 射出成型機(6台)、押出機(2台)、押出機(1台) |
キーワード
保温対策
内容
①押出機成型機のヒータ部表面、②押出機A、Bのヒータ部表面、③押出機Cのヒータ部表面の保温対策により放熱ロスを低減し、電力消費量を削減することを提案。消費電力削減によりデマンド低減も期待できるが、効果計算はしていない。
項目 | 投資 (千円) |
効果 (千円/年) |
回収 年数 |
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①射出成型機のヒータ部(6台、220℃、表面積計6.3m2) | 600 | 641 | 0.9 |
②押出機のヒータ部(2台、185℃、表面積計3.0m2) | 400 | 563 | 0.7 |
③押出機のヒータ部(1台、210℃、表面積計1.4m2) | 250 | 368 | 0.7 |
提案6
生産設備
大型電動機の動力伝達用ベルトの省エネベルト化
省エネ効果 | 4.5kL/年 |
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削減金額 | 276千円/年 |
設備投資額 | 80千円(回収0.3年) |
設備概要 | 押出機(2台、計207kW) |
キーワード
高効率機への更新
内容
押出機には大型電動機が使用されており、ベルト駆動でスクリューに動力を伝達している。このベルトを省エネタイプに交換し、電力消費量を削減(▲2%)することを提案。
提案7
生産設備
冷却水ポンプのインバータ化
省エネ効果 | 5.7kL/年 |
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削減金額 | 353千円/年 |
設備投資額 | 350円(回収1.0年) |
設備概要 | ポンプ(22kW×1台) |
キーワード
インバータの導入
内容
冷却水ポンプは吐出バルブ全開で年間を通じて定量運転されているが、往還温度差が3℃程度であり流量が過大。冬期や中間期は冷却水温度が低下するため、ポンプにインバータを導入(回転数制御)して流量を低減し、電力消費量を削減(▲50%)することを提案。
提案8
生産設備
冷却塔ファン:インバータ化により季節に応じた風量設定
省エネ効果 | 0.4kL/年 |
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削減金額 | 22千円/年 |
設備投資額 | 30千円(回収1.4年) |
設備概要 | ファン(1.1kW×1台) |
キーワード
インバータの導入
内容
冷却塔は年間を通じて定風量で運転されている。冬期や中間期の外気温度が低いため、冷却塔ファンにインバータを導入(回転数制御)して風量を低減し、電力消費量を削減することを提案。
提案9
照明
高効率照明への更新
省エネ効果 | 14.7kL/年 |
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削減金額 | 902千円/年 |
設備投資額 | 4,040千円(回収4.5年) |
設備概要 | FLR蛍光灯、水銀灯→LED灯、メタルハライドランプ |
キーワード
高効率照明への更新
内容
①工場、事務所:蛍光灯をLED灯に、②工場:水銀灯をメタルハライドランプに更新し、電力消費量を削減することを提案。
現状 | 更新案 | 台数 | 投資 (千円) |
効果 (千円/年) |
回収 年数 |
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①FLR蛍光灯(225W/台) FLR蛍光灯(85W/台) |
LED灯(124W/台) LED灯(47W/台) |
41 54 |
1,640 1,080 |
353 159 |
4.6 6.8 |
②水銀灯(400W/台) | メタルハライドランプ(190W/台) | 24 | 1,320 | 390 | 3.4 |
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。