A社様では、デマンド監視装置の導入や高効率照明への更新、操業のシフト等の省エネ活動に取り組まれており、今回、全般的な省エネ診断を希望されました。診断の結果、空調用換気の回数低減、インバータ制御型コンプレッサへの更新、冷水ポンプや純水ポンプのインバータ化、冷却水設定温度の低減等をご提案しました。
提案1
空調設備
換気回数の低減
省エネ効果 | 30.0kL/年 |
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削減金額 | 1,800千円/年 |
設備概要 | 空調機(電力消費量:計1,570千kWh/年)、<br /> AHU(3台、計56kW)、ボイラ(重油消費量:計290kL/年) |
キーワード
換気量の適正化
内容
空調の温湿度や清浄度の設定基準が工場使用条件より厳しい。緩和策としてAHU(エア ハンドリング ユニット)による換気回数の低減(10→4回転/h)を行い、空調用電力消費量とボイラ用燃料消費量を削減することを提案。
提案2
空調設備
外気導入量の削減
省エネ効果 | 6.0kL/年 |
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削減金額 | 286千円/年 |
設備概要 | 空調機(電力消費量:計1,570千kWh/年) |
キーワード
外気導入量の適正化
内容
工場では外気導入を24時間連続実施している。非生産時に外気導入を停止して空調負荷を低減し、電力消費量を削減することを提案。
提案3
空調設備
冷却水設定温度の低減
省エネ効果 | 11.6kL/年 |
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削減金額 | 554千円/年 |
設備概要 | 空調用冷凍機(1台、冷凍能力703kW) |
キーワード
季節による設定温度変更
内容
空調用冷凍機の冷水温度下限は12℃(カタログ値)であるが、冷却水用クーリングタワーのファンは20℃で停止する設定である。冷却水の設定温度適正化(11月:20→17℃、12~3月:20→12℃、4月:20→18℃)により冷凍機の運転効率(COP)向上を図り、電力消費量を削減することを提案。
提案4
ボイラ
空気比の低減
省エネ効果 | 7.7kL/年 |
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削減金額 | 600千円/年 |
設備概要 | ボイラ(5台、重油消費量:計290kL/年) |
キーワード
空気比の適正化
内容
温水ボイラ2台の排ガス酸素濃度が高く(9.3%、9.8%)、過剰給気状態であり、空気比が大きい。空気比の適正化(1.83→1.4)により、燃料消費量を削減することを提案(効果はボイラ5台で試算)。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案5
空調設備
冷水ポンプのインバータ化
省エネ効果 | 21.8kL/年 |
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削減金額 | 1,042千円/年 |
設備投資額 | 350千円(回収0.3年) |
設備概要 | ポンプ(1台、現状電力20.6kW) |
キーワード
インバータの導入
内容
冷凍機の冷水出入口温度差は1℃と小さく、流量が過大。また、冷水ポンプはバルブで絞って運転している。バルブ全開+インバータ導入(モータの回転数制御)により水量の適正化を行い、ポンプの電力消費量を削減(▲50%)することを提案。
提案6
コンプレッサ
インバータ制御型コンプレッサへの更新
省エネ効果 | 22.4kL/年 |
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削減金額 | 1,072千円/年 |
設備投資額 | 4,000千円(回収3.7年) |
設備概要 | コンプレッサ(75kW×1台) |
キーワード
高効率機への更新
内容
従来型コンプレッサ(ロード・アンロード方式)をインバータ制御型に更新することにより、①ロード・アンロードのロスを低減、②エア圧の安定化により吐出圧力を低減(0.65→0.58MPa、▲0.07MPa)。①②より、コンプレッサの電力消費量を削減することを提案。
(注)従来型(ロード・アンロード方式)は、アンロード時等でも電力を消費し消費動力の減り方が少ない。インバータ制御型は、流量に応じて吐出圧力を一定に保つよう回転数を制御するため、消費動力が流量に相応して減少し省エネ効果が高い。
項目 | 投資 (千円) |
効果 (千円/年) |
回収 年数 |
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①インバータ制御型コンプレッサへの更新 | 4,000 | 707 | 3.7 |
②吐出圧力の低減 | - | 365 |
提案7
コンプレッサ
乾燥BOX用に専用小型コンプレッサを新設
省エネ効果 | 4.9kL/年 |
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削減金額 | 232千円/年 |
設備投資額 | 250千円(回収1.1年) |
設備概要 | 小型コンプレッサ(0.5kW×1台、ドライエアフィルタ付き) |
キーワード
高効率機への更新
内容
乾燥BOX3台に供給しているエア(5m3/台・h×3台)は、高圧エアをレギュレータで減圧している。専用の小型コンプレッサを導入して、コンプレッサの電力消費量を削減することを提案。
提案8
生産設備
純水ポンプのインバータ化
省エネ効果 | 2.2kL/年 |
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削減金額 | 106千円/年 |
設備投資額 | 100千円(回収0.9年) |
設備概要 | ポンプ(2.8kW×1台) |
キーワード
インバータの導入
内容
純水ポンプでは、出入口のバルブを絞って流量調整している。バルブ全開+インバータ導入(ポンプモータの回転数制御)により、電力消費量を削減(▲37%)することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。