N社様では、操業や休日のシフト、コンプレッサの吐出圧低減等の省エネ活動に取り組まれており、今回全般的な省エネ診断を希望されました。診断の結果、排ガス処理用ファンや排気ファンのインバータ化、廃熱によるリサイクル材予熱、溶解炉へのリジェネバーナ設置等をご提案しました。
内訳 | 電力 (千kWh/年) |
都市ガス13A (千m3年) |
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改善前 | 6,700 | 2,400 |
改善後 | 6,510 | 2,102 |
提案1
空調設備
設定温度の見直し
省エネ効果 | 0.7kL/年 |
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削減金額 | 39千円/年 |
設備概要 | 空調機(5.5kW×3台) |
キーワード
設定温度の適正化
内容
電気制御室は作業員の休憩室も兼ねているため、冷房設定温度が低い(23~24℃)。政府の推奨設定温度が28℃であること、作業者不在が多いことを考慮して設定温度を緩和(+2℃)し、電力消費量を削減することを提案。
提案2
空調設備
スポットクーラの定期洗浄
省エネ効果 | 0.4kL/年 |
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削減金額 | 26千円/年 |
設備概要 | スポットクーラ(37台、計44kW) |
キーワード
空調換気設備の清掃
内容
工場内スポットクーラは、オイルミストによる汚れのため効率低下が懸念される。①フィルタ洗浄(年2~3回)、②熱交換器の高圧洗浄(薬品使用、業者へ依頼)の定期実施により、電力消費量を削減することを提案(効率が10%回復するものとして試算)。
提案3
照明
天井照明の間引き
省エネ効果 | 2.4kL/年 |
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削減金額 | 137千円/年 |
設備概要 | 高圧ナトリウム灯(220W/台×51台→30台) |
キーワード
照明の間引き
内容
工場内の天井灯が多数点灯しているが、天井の明かり窓等からの採光により、JIS照度基準と比較して明るい。適正な照度管理による消灯を行い、電力消費量を削減(▲42%)することを提案。
現状 | JIS照度基準 | 照明 | 台数 |
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A工場:300~400Lx | [ごく粗な視作業」:75~150Lx | 高圧ナトリウム灯 (220W/台) |
3 |
B、C工場:300~400Lx | [粗な視作業」:150~300Lx | 34 | |
製品倉庫:300~400Lx | [ごく粗な視作業」:75~150Lx | 14 |
提案4
デマンド管理
デマンド監視装置の活用強化
省エネ効果 | 最大電力を200kW低減 |
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削減金額 | 3,213千円/年 |
設備概要 | デマンド監視装置 |
キーワード
デマンド監視制御装置の活用その他(最大電力の低減)
内容
圧延ライン数減(2→1)を踏まえて、デマンド監視装置による最大電力監視と設備管理強化により、最大電力を低減(2,000→1,800kW、▲200kW)することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案5
工業炉
リジェネバーナの取り付け
省エネ効果 | 280.6kL/年 |
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削減金額 | 19,578千円/年 |
設備投資額 | 68,000千円(回収3.5年) |
設備概要 | 溶解炉(30t×1台、都市ガス13A使用量1540千m3/年) |
キーワード
その他(リジェネバーナ設置による燃料削減)
内容
A溶解炉の燃焼バーナをリジェネ化し、所期の省エネ効果を得られている。B溶解炉にもリジェネバーナを取り付け、燃料消費量を削減することを提案。
提案6
工業炉
溶解炉の廃熱によるリサイクル材予熱
省エネ効果 | 65.5kL/年 |
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削減金額 | 4,569千円/年 |
設備投資額 | 9,370千円(回収2.1年) |
設備概要 | サイクル材の予熱炉(W7m×D15m×H3m) |
キーワード
廃熱回収
内容
溶解炉に投入される原料は、①インゴット、②リサイクル材で構成される。溶解炉の燃料発熱量の約35%が排ガスとして大気へ放出されているため、排ガス(1,000℃)にて②リサイクル材を予熱(予熱炉新設)し、溶解炉の燃料消費量を削減することを提案。
提案7
生産設備
排ガス吸引ファンのインバータ化
省エネ効果 | 40.5kL/年 |
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削減金額 | 2,345千円/年 |
設備投資額 | 1,500円(回収0.6年) |
設備概要 | 排気ファン(55kW×1台) |
キーワード
インバータの導入
内容
排ガス処理装置は溶解炉6台分の能力を有するが、溶解炉の最大運転台数は2台。排ガス処理装置への吸引ファンにインバータを導入(回転数制御化)して、溶解炉の運転台数に応じた風量に低減し、ファンの電力消費量を削減することを提案。
提案8
生産設備
排気ファンのインバータ化
省エネ効果 | 2.8kL/年 |
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削減金額 | 163千円/年 |
設備投資額 | 690千円(回収4.2年) |
設備概要 | 排気ファン(30kW×1台) |
キーワード
インバータの導入
内容
圧延機の排気にはオイルミストセパレータが取り付けられているが、同セパレータの圧損変動により排気風量が変化する。処理風量検出+排気ファンへのインバータ導入(回転数制御)により、処理風量を一定に制御し、電力消費量を削減(▲17%)することを提案。
提案9
受変電設備
変圧器の統合
省エネ効果 | 1.4kL/年 |
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削減金額 | 81千円/年 |
設備投資額 | 200千円(回収2.5年) |
設備概要 | 変圧器(3φ300kVA×2台→1台) |
キーワード
変圧器の統合
内容
圧延ライン数減(2→1ライン)に対応して、圧延工程用変圧器を統合(2→1台)し、変圧器の損失を低減させることを提案。
提案10
受変電設備
高効率変圧器への更新
省エネ効果 | 0.8kL/年 |
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削減金額 | 46千円/年 |
設備投資額 | 1,420千円(老朽更新時に実施) |
設備概要 | 変圧器(3φ200kVA×1台) |
キーワード
高効率変圧器への更新
内容
加工品工場の動力用変圧器は30年以上使用され、更新検討時期を迎えている。最新の高効率変圧器に更新し、電力損失を低減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。