S社様では空調の設定温度適正化や高効率照明への更新等の省エネ活動に取り組まれており、今回は、コンプレッサの省エネや電力料金の低減等についての診断を希望されました。診断の結果、コンプレッサの台数制御や吐出圧低減、デマンド監視装置活用による契約電力の低減、クリーンルーム内工業炉の放熱用局所排気等をご提案しました。
提案1
コンプレッサ
吐出圧力の低減
省エネ効果 | 16.6kL/年 |
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削減金額 | 1,036千円/年 |
設備概要 | コンプレッサ(5台、計297kW) |
キーワード
吐出圧力の低減
内容
コンプレッサは吐出圧力0.65~0.69MPaで運転されているが、エア使用機器の必要圧力は0.5MPa以上である。吐出圧力を0.60MPa(0.05MPa低減)とすることにより、電力消費量を削減することを提案。
提案2
エア配管
エア漏れ対策
省エネ効果 | 6.7kL/年 |
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削減金額 | 420千円/年 |
設備概要 | コンプレッサ(5台、計297kW) |
キーワード
エア漏れ対策
内容
工場竣工後に約9年経過しており、エア配管系からのエア漏れが懸念される。漏れ量を把握し、漏れがある場合はその対策を行い、コンプレッサの電力消費量を削減することを提案(効果は一般的な工場での漏れ率10%を適用して試算)。
提案3
デマンド管理
最大電力の低減
省エネ効果 | 契約電力を27kW低減 |
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削減金額 | 406千円/年 |
設備概要 | デマンド監視装置 |
キーワード
デマンド監視(制御)装置の活用
内容
デマンド監視装置を活用してピーク電力を監視し、設定値に近づいた場合に予め決めておいた設備(照明や乾燥機の一部等)を停止することにより最大電力を抑制し、契約電力を27kW低減(569→542kW)することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案4
コンプレッサ
台数制御の導入
省エネ効果 | 52.9kL/年 |
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削減金額 | 3,309千円/年 |
設備投資額 | 3,000千円(回収0.9年) |
設備概要 | コンプレッサ(5台、計297kW) |
キーワード
台数制御
内容
エア配管はコンプレッサ4台のラインと1台のラインがあり、各コンプレッサは個々に容量調整をされている。結果的に多数のコンプレッサが低負荷で稼動し、効率が悪い状況のため、5台を1ラインにまとめ、所要負荷に応じた運転台数とすることで運転効率を高め、電力消費量を削減することを提案。
提案5
エア使用設備
ダイシングマシンの待機時エア供給停止
省エネ効果 | 4.4kL/年 |
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削減金額 | 274千円/年 |
設備投資額 | 1,000千円(回収3.6年) |
設備概要 | ダイシングマシン37台<br /> (エア消費量170L/分・台、稼働率80%) |
キーワード
その他(待機時のエア供給停止)
内容
ダイシングマシンはバッチ運転であるが、常時エアを供給している。待機時(待機時間率10%)にエア供給を停止し、コンプレッサの電力消費量を削減することを提案。
提案6
工業炉
クリーンルーム内工業炉の放熱用局所排気
省エネ効果 | 1.4kL/年 |
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削減金額 | 369千円/年 |
設備投資額 | 1,000千円(回収2.7年) |
設備概要 | キュア炉・乾燥炉(炉の表面積7.9m2/台×11台)、<br /> 局所排気用ファン(40W/台×3台) |
キーワード
局所排熱
内容
クリーンルーム内のキュア炉・乾燥炉11台からの放熱(表面温度47℃)が冷房の負荷となっている。炉の前面に天井から樹脂カーテンを設け、炉から放散される熱をファンで局所排気することにより、冷房用燃料消費量を低減することを提案。
提案7
照明
照明器具に個別スイッチ取付
省エネ効果 | 0.8kL/年 |
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削減金額 | 49千円/年 |
設備投資額 | 60千円(回収1.2年) |
設備概要 | Hf蛍光灯(70W/台×30台) |
キーワード
個別スイッチ設置
内容
工場・事務所ともに、照明灯の間引きを実施している。更に、個々の照明器具にキャノピースイッチを取り付けて随時点灯・消灯可能にすることにより、不在時や日中の窓際などでの消灯を徹底し、電力消費量を削減することを提案。
提案8
受変電設備
電灯用変圧器2台の統合
省エネ効果 | 0.5kL/年 |
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削減金額 | 33千円/年 |
設備投資額 | 300千円(回収9.1年) |
設備概要 | 変圧器(1φ100kVA×2台→1台) |
キーワード
変圧器の統合
内容
電灯用変圧器が2台あるが、ともに負荷率が10%前後である。変圧器を1台に統合することにより、変圧器損失を低減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。