気高電機株式会社様は経営改革活動の一環として省エネ活動に取り組まれ、エネルギー使用機器リスト作成や配線図の整備などの活動と平行して各種の省エネ対策活動を実施しておられます。今回、省エネ活動のレベルアップを図るため、全般的な省エネ診断を希望されました。診断の結果、射出成型機シリンダの保温対策や油圧ポンプへのインバータ導入、コンプレッサの台数制御導入、空調対象面積の縮小等をご提案しました。
内訳 | 電力 (千kWh/年) |
A重油 (kL/年) |
灯油 (kL/年) |
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改善前 | 3,000 | 3 | 16 |
改善後 | 2,744 | 3 | 16 |
提案1
空調設備
設定温度の適正化
省エネ効果 | 4.0kL/年 |
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削減金額 | 229千円/年 |
設備概要 | 空調機(31台、定格消費電力:計200kW) |
キーワード
設定温度の適正化
内容
空調設定温度の管理値(夏季28℃・冬季20℃)の確実な運用により、電力消費量を削減することを提案(設定温度を1℃緩和した場合の効果を試算)。
提案2
空調設備
室内機フィルタ清掃の徹底
省エネ効果 | 1.8kL/年 |
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削減金額 | 103千円/年 |
設備概要 | 空調機(31台、定格消費電力:計200kW) |
キーワード
空調換気設備の清掃
内容
空調機のフィルタは目詰まりしているものが多く見られた。定期清掃を実施し、電力消費量を削減することを提案。
提案3
コンプレッサ
吐出圧力の低減
省エネ効果 | 8.9kL/年 |
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削減金額 | 505千円/年 |
設備概要 | コンプレッサ(10台、計137kW) |
キーワード
吐出圧力の低減
内容
フィルタの定期清掃やエア配管のループ化等により吐出圧力を0.1MPa低減(0.75→0.65MPa)し、コンプレッサの電力消費量を削減することを提案。
提案4
エア配管
エア漏れ対策
省エネ効果 | 6.4kL/年 |
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削減金額 | 364千円/年 |
設備概要 | コンプレッサ(10台、計137kW) |
キーワード
エア漏れ対策
内容
エア配管漏れの点検と修理により、コンプレッサの電力消費量を低減することを提案(効果は、漏れ率10%で、その80%を防止したとして試算)。
提案5
照明
天井照明の間引き
省エネ効果 | 5.5kL/年 |
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削減金額 | 315千円/年 |
設備概要 | 蛍光灯(40W/台×866台→606台) |
キーワード
照明の間引き
内容
組立工場ではタスク・アンビエント照明が採用されているが、天井照明が過剰。照明の間引き(▲30%)により適正照度に減光し、電力消費量を削減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案6
空調設備
空調対象面積の削減
省エネ効果 | 1.4kL/年 |
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削減金額 | 79千円/年 |
設備投資額 | 200千円(回収2.5年) |
設備概要 | 空調機(計64kW)、空調面積:約960m2→約480m2 |
キーワード
空調エリアの縮小
内容
工場フロアに作業時間帯が違う複数の組立ラインがあり、空調空気が作業休止中のラインのエリアまで流入している。シートなどにより間仕切りを設置して操業中ラインの空調負荷を軽減し、電力消費量を削減することを提案。
提案7
コンプレッサ
台数制御の導入
省エネ効果 | 2.4kL/年 |
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削減金額 | 324千円/年 |
設備投資額 | 900千円(回収2.8年) |
設備概要 | コンプレッサ(5台、計63kW) |
キーワード
台数制御
内容
コンプレッサ5台が50%程度の低負荷で常時稼働している。コンプレッサの台数制御運転を行い、所要負荷に応じた運転台数にすることで効率を上げ、電力消費量の削減及び契約電力の低減(▲10kW)を提案。
提案8
生産設備
油圧ポンプへのインバータ導入
省エネ効果 | 3.5kL/年 |
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削減金額 | 200千円/年 |
設備投資額 | 1,200千円(回収6.0年) |
設備概要 | 油圧ポンプ(2台、計21kW) |
キーワード
インバータの導入
内容
加工機械用の油圧ポンプは常時定速回転であり、保圧及び待機時のポンプ吐出油はレリーフ弁からタンクに戻されている。油圧ポンプへのインバータ導入により保圧・待機時の吐出油量を低減し、電力消費量を削減することを提案。
提案9
生産設備
射出成形機シリンダの保温対策
省エネ効果 | 28.6kL/年 |
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削減金額 | 1,621千円/年 |
設備投資額 | 2,000千円(回収1.2年) |
設備概要 | 射出成形機(13台、表面積0.95m2/台) |
キーワード
保温対策
内容
射出成形機シリンダ表面に設置されたヒータ(220℃)に保温カバーを取り付け、ヒータの電力消費量を削減することを提案。また、ヒータからの放熱量減により室内環境も改善される。
提案10
照明
水銀灯をメタルハライドランプに交換
省エネ効果 | 3.2kL/年 |
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削減金額 | 180千円/年 |
設備投資額 | 560千円(回収3.1年) |
設備概要 | 水銀灯(300W/台×56灯)<br /> →メタルハライドランプ(200W/台×56灯) |
キーワード
高効率照明への更新
内容
工場内の水銀灯を高効率のメタルハライドランプに更新することにより、電力消費量を削減することを提案。
提案11
デマンド管理
電力量計設置による最大電力削減
省エネ効果 | 契約電力を89kW低減 |
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削減金額 | 1,659千円/年 |
設備投資額 | 1,250千円(回収0.8年) |
設備概要 | 電力計(25台) |
キーワード
その他(設備毎の電気使用量の見える化)
内容
20kW以上の設備及びコンプレッサに電力量計を設置し、使用量実態の把握・解析により最大電力を低減し、契約電力を低減(869→780kW、▲89kW)することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。