S研究所様は平成15年3月竣工の研究施設で氷蓄熱パーケージ空調を本館に設備し、全熱交換器を併用して省エネ及び負荷平準化に取組んでおり成果を上げられています。エネルギーの殆どは電力量であり、実験研究用の動力と空調設備、照明などです。今回の診断では空調関係の外気量削減やへの高効率照明設備への更新などの省エネに関するご提案をしました。
内訳 | 電気 (千kWh/年) |
都市ガス (千m3/年) |
上水 (千m3/年) |
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改善前 | 1,406 | 0.17 | 2.2 |
改善後 | 1,282 | 0.17 | 2.2 |
提案1
空調設備
空調立上げ時間の短縮
省エネ効果 | 0.8kL/年 |
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削減金額 | 44千円/年 |
設備概要 | 電動機(2.8kW×10台、4.5kW×17台) |
キーワード
運転時間の短縮(待機時)
内容
本館、本館研究等は氷蓄熱パッケージエアコンである。それ以外の空調はほとんどパッケージエアコンであり、立上げ時間を遅らせ、エアコンの運転時間短縮により、電力消費量を削減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案2
給湯設備
電熱式蓄熱温水器熱源にヒートポンプ導入
省エネ効果 | 20.8kL/年 |
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削減金額 | 1,126千円/年 |
設備投資額 | 3,000千円(回収2.7年) |
設備概要 | 電気温水器定格出力(75kw×2台) |
キーワード
その他(ヒートポンプへ代替)
内容
本館本部棟の電気温水器の熱源は電熱による直接加熱のため、熱効率が低い。空気熱源によるヒートポンプに変更する事により大幅な省エネを図り、電力消費量を削減することを提案。
提案3
空調設備
本館研究棟の外気量削減
省エネ効果 | 2.1kL/年 |
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削減金額 | 116千円/年 |
設備投資額 | 300千円(回収2.1年) |
設備概要 | ― |
キーワード
外気導入量・換気量の適正化
内容
排気ファン、全熱交換器については現在も不要なものは停止しているが更に徹底するための試算を行った。人感センサーにより、排気ファンの起動停止を行い、電力消費量を削減することを提案。
提案4
空調設備
標本管理室と船員室の間仕切りの外気侵入防止
省エネ効果 | 0.4kL/年 |
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削減金額 | 23千円/年 |
設備投資額 | 100千円(回収4.3年) |
設備概要 | ― |
キーワード
外気導入量・換気量の適正化
内容
船員室と標本管理室は常時扉を開放しているため、冷房期は外気侵入と冷気の漏出が起き、暖房期には暖気の流出と外気の侵入が起きている。開口部の上部にビニールカーテンを取り付けて開口面積低減し、また開放時間の短縮も行うことで、冷暖房の負荷を低減し、電力消費量を削減することを提案。
提案5
照明
実験室及び事務所の蛍光灯器具ごとに個別のスイッチを取付
省エネ効果 | 1.3kL/年 |
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削減金額 | 73千円/年 |
設備投資額 | 100千円(回収1.4年) |
設備概要 | 蛍光灯消費電力(65W/台×50台) |
キーワード
個別スイッチ設置
内容
蛍光灯器具ごとに個別のスイッチを設置して、不在時又は、明るい窓際など不要な場合に蛍光灯を消灯することで、電力消費量を削減することを提案。
提案6
照明
外灯マルチハロゲンランプをセラミックメタルハライドランプに交換
省エネ効果 | 5.6kL/年 |
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削減金額 | 302千円/年 |
設備投資額 | 243千円(回収0.8年) |
設備概要 | 器具消費電力(300W/台×35台) |
キーワード
高効率照明への更新
内容
現状の外灯は、マルチハロゲン灯MF300を使用しているが、これを高効率のメタルハライドランプMF200形に交換し、灯数を半分に削減することで、電力消費量を削減することを提案。
提案7
照明
大型冷凍庫・冷蔵庫内の白熱電球をLED照明に変更
省エネ効果 | 0.7kL/年 |
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削減金額 | 390千円/年 |
設備投資額 | 120千円(回収3.1年) |
設備概要 | 40W/灯×12灯 |
キーワード
高効率照明への更新
内容
冷凍庫・冷蔵庫内のような低温雰囲気中では蛍光灯が安定して点灯できないので、白熱電球が使用されている。低温用LED照明(ねじ込み型)に変更し、電力消費量を削減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。