特別養護老人ホーム 丸山長寿園様では年間エネルギー使用量のうち約60%が電気、残りの40%が熱(A重油・LPG)の使用量です。電力使用量が多いのは7~9月で、冷房に使用している空冷チラーが大半を占め、一方、熱エネルギーは12~2月が多く、暖房用と給湯用のボイラが大半を占めていると思われます。大きな省エネルギーを図る手段としては、現状の空調システムを高効率空調機に、給湯システムを高効率ヒートポンプを活用したシステムへの更新提案ですが、投資が必要となることから、空調設備の運用面での改善について提案を行いました。
内訳 | 電気 (千kWh/年) |
LPG (千kg/年) |
A重油 (kL/年) |
上水 (千m3/年) |
---|---|---|---|---|
改善前 | 466 | 12 | 0 | 20 |
改善後 | 403 | 12 | 55 | 20 |
提案1
空調設備
空調設定温度の適正化
省エネ効果 | 4.8kL/年 |
---|---|
削減金額 | 383千円/年 |
設備概要 | ― |
キーワード
季節による設定温度変更
内容
現状の空調設定温度は冷暖房24℃であり、夏季・冬季ともに温度を1℃緩和することで電力消費量を削減することを提案。
提案2
ボイラ
空気比の適正化
省エネ効果 | 0.6kL/年 |
---|---|
削減金額 | 56千円/年 |
設備概要 | ― |
キーワード
空気比の適正化
内容
燃焼用空気の空気比については管理されていないとの事で、空気比を1.6→1.4(0.2)程度低減させて燃料使用量を削減することを提案。
なお、排ガス酸素濃度および排ガス温度は想定(一般)値としているため、メーカーの点検を受けることを推奨した。
提案3
OA・事務機器
パソコンの待機電力の削減
省エネ効果 | 0.1kL/年 |
---|---|
削減金額 | 7千円/年 |
設備概要 | デスクトップPC(34W×10台) |
キーワード
離籍時(帰宅時)の電源遮断
内容
事務室および各コーナーにあるパソコンの不使用時にはモニター電源を遮断にするなどして、待機電力を削減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案4
デマンド管理
デマンド監視制御装置の導入
省エネ効果 | 契約電力155kW→140kW(15kW低減) |
---|---|
削減金額 | 265千円/年 |
設備投資額 | 400千円(回収1.5年) |
設備概要 | ― |
キーワード
デマンド監視制御装置の導入(電気使用量の見える化装置の導入を含む)
内容
冷房用チラーにより年間最大需要電力が発生しており、デマンド監視装置を導入して最大電力の抑制することを提案。デマンド監視装置で蓄積データをグラフ化するなど有効に活用するを推奨した。
提案5
衛生設備
建物中央トイレへ擬音装置を設置
省エネ効果 | ― |
---|---|
削減金額 | 87千円/年 |
設備投資額 | 40千円(回収0.5年) |
設備概要 | ― |
キーワード
トイレに擬音装置を設置
内容
建物中央のトイレは職員の方、一般の方ともに使用。女子トイレに擬音装置を設置し、不必要なフラッシュ回数を抑制することを提案。
提案6
空調設備
個別空調方式への更新
省エネ効果 | 28.2kL/年 |
---|---|
削減金額 | 2,509千円/年 |
設備投資額 | 18,669千円(回収7.4年) |
設備概要 | 冷温水ポンプ消費電力(3.7kW) |
キーワード
高効率空調機への更新
内容
現状の空調システム「冷房:空冷チラー/暖房:温水ボイラ」方式から、高効率個別パッケージエアコン方式へ更新することで、電力消費量を削減することを提案。
提案7
ボイラ
高効率ヒートポンプシステムへの更新
省エネ効果 | 7.7kL/年 |
---|---|
削減金額 | 1,434千円/年 |
設備投資額 | 12,500千円(回収8.7年) |
設備概要 | ― |
キーワード
高効率機への更新
内容
給湯用に使用されている給湯ボイラを高効率ヒートポンプシステム(出湯負荷はエコキュート、循環保温負荷はヒートポンプ)に更新することを提案。
提案8
照明
高効率蛍光灯への交換
省エネ効果 | 0.1kL/年 |
---|---|
削減金額 | 8千円/年 |
設備投資額 | 63千円(回収7.9年) |
設備概要 | 蛍光灯FLR40W×2灯/台 蛍光灯FLR85W/台 |
キーワード
高効率照明への更新
内容
建物の中でも比較的点灯時間の長い事務所内の照明が従来型の蛍光灯(FLRタイプ)であったため、高効率型(Hfタイプ)に更新し、電力消費量を削減することを提案。
提案9
受変電設備
受電設備の統合
省エネ効果 | 1.1kL/年 |
---|---|
削減金額 | 73千円/年 |
設備投資額 | 840千円(回収11.5年) |
設備概要 | 変圧器(75kVA×1台、150kVA×1台→150kVA×1台 |
キーワード
受変電設備の統合
内容
動力用変圧器75kVAと150kVAの2台の変圧器を高効率変圧器(150kVA)1台へ統合し、電力消費量を削減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。