I文化センター様では、公民館や図書館が併設されており、空調設備の設定温度緩和、照明の消灯等、積極的な省エネ活動を推進されています。またビルの一般的指標である床面積当たりのエネルギー使用量(エネルギー原単位)は、庁舎としては平均的位置にあることから、更なる省エネのきっかけをつかむため受診されました。年間使用エネルギーの約78%が電力であり、年間傾向として1~3月に電力使用の突出があることから、診断では空調設備を対象にした改善対策や館内の空調や給排水に使用されているポンプ、照明設備などの省エネに関するご提案をしました。
内訳 | 電気 (千kWh/年) |
LPG (千kg/年) |
A重油 (kL/年) |
灯油 (kL/年) |
上水 (千m3/年) |
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改善前 | 346 | 0.2 | 25 | 0.3 | 0.7 |
改善後 | 288 | 0.2 | 23 | 0.3 | 0.5 |
提案1
空調設備
冷房専用エアコンの未使用時電源遮断
省エネ効果 | 2.2kL/年 |
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削減金額 | 187千円/年 |
設備概要 | 冷房専用エアコン(80W/台×17台) |
キーワード
非生産(不要)時・休日の稼働台数削減
内容
夏季のみに使用する冷房専用エアコンは、年間を通して電源は入れたままのようである。未使用であっても電源を入れたままだと、ヒーターや制御回路に電流が流れて電力が消費される(待機電力)。未使用時は電源を遮断することで、電力消費量を削減することを提案。
提案2
空調設備
温度緩和と夏季夜間の冷気導入
省エネ効果 | 1.7kL/年 |
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削減金額 | 140千円/年 |
設備概要 | 冷房設備容量(計237kW) |
キーワード
外気冷房活用
内容
現状は、外調機および全熱交換器を活用していない。夏季間の夜間は、冷気(外気)を導入して昼間時の冷房負荷を軽減することで、電力消費量を削減することを提案。冷気導入で冷房設定温度より低ければ、冷温水発生機のウォーミングアップ短縮につながり、又、中間期も活用できる。
提案3
ボイラ
冷温水発生機の燃焼空気比調整
省エネ効果 | 0.4kL/年 |
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削減金額 | 30千円/年 |
設備概要 | ― |
キーワード
空気比の適正化
内容
燃焼設備である冷温水発生機の燃焼空気量を、ばい煙量等の測定結果により確認した。公民館側はほぼ適正といえる空気量であったが、文化センター側は空気量が多い結果であった。そこで空気比を現状の1.6から1.3に低減し、燃料消費量を削減することを提案。
提案4
照明
舞台階段照明の消灯
省エネ効果 | 0.4kL/年 |
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削減金額 | 30千円/年 |
設備概要 | 照明の容量(0.005kW×38台) |
キーワード
照明の間引き
内容
舞台の階段照明は、年間を通じて点灯中である。消防法による非常照明は点灯し、階段部分は消灯可能であるので、これらの消灯により電力消費量を削減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案5
換気設備
舞台用送風ファンの制御
省エネ効果 | 6.9kL/年 |
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削減金額 | 581千円/年 |
設備投資額 | 500千円(回収0.9年) |
設備概要 | ファンモーター(22kW×1台) |
キーワード
インバータの導入
内容
現状の送風機は能力が過大のためか吐出ダンパを絞った運転としている。ダンパ調整でも多少の省エネにはなるが、インバータ制御方式を採用すれば、現状と同風量でも大きな省エネ効果が得られる。舞台用送風ファンにインバータを導入し、電力消費量を削減することを提案。
提案6
給排水
冷温水循環ポンプの制御
省エネ効果 | 2.3kL/年 |
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削減金額 | 193千円/年 |
設備投資額 | 500千円(回収2.6年) |
設備概要 | ポンプモーター(11kW×1台) |
キーワード
インバータの導入
内容
文化センターの冷温水循環ポンプは、循環量を系統に設けられたバルブで調整している。ポンプとバルブ間に圧力損失を生じさせた状態の運転なので、この損失を取り除くインバータによる流量制御方式を導入し、電力消費量を削減することを提案。(ポンプ特性曲線は同容量類似ポンプを用いた)
提案7
給排水
循環水ポンプへインバータ導入
省エネ効果 | 2.1kL/年 |
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削減金額 | 174千円/年 |
設備投資額 | 250千円(回収1.4年) |
設備概要 | ポンプモーター(5.5kW×1台) |
キーワード
インバータの導入
内容
循環水ポンプ(5.5kW)を10時間/日、100%の定量運転である。現状では水量に余裕があるとみられ、往き・還りの温度差が少ない。インバータによる変流量制御を行いポンプの電力消費量を削減することを提案。
提案8
照明
白熱電球のLED化
省エネ効果 | 1.0kL/年 |
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削減金額 | 86千円/年 |
設備投資額 | 72千円(回収0.8年) |
設備概要 | ダウンライト消費電力(100W/台×18台) |
キーワード
高効率照明への更新
内容
図書館児童室、図書館周りの外灯は、白熱灯が多く使用されている。更新時にはLEDランプに交換することで、電力使用量を削減することを提案。
提案9
衛生設備
女子トイレに擬音装置を設置
省エネ効果 | ― |
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削減金額 | 103千円/年 |
設備投資額 | 100千円(回収1.0年) |
設備概要 | ― |
キーワード
トイレに擬音装置を設置
内容
擬音装置を使用することにより、不必要なフラッシュ(洗浄)回数を抑えることで、水の使用量を削減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。