三丸化学株式会社様では、設備台帳、管理基準や系統図を整備し、空調設定温度の緩和、不要な空調・照明の停止、高効率照明設備の導入、保温施工の推進、工程改善やポンプのインペラ調整など精力的に省エネを推進されています。今回、エネルギー使用量の削減と節電を目的に受診されました。現状のエネルギー消費は、熱量比率でみると、電力が31%、燃料が69%であり、エアコンプレッサ設備や冷却設備などの電力関連と、蒸気配管や生産設備の燃料関連の省エネをご提案しました。
提案1
コンプレッサ
エアコンプレッサ吐出圧力の低減
省エネ効果 | 8.0kL/年 |
---|---|
削減金額 | 435千円/年 |
設備概要 | エアコンプレッサ(22kW×2台、15kW×1台) |
キーワード
吐出圧力の低減
内容
稼働中のコンプレッサ(全3台で合計の定格容量59kW)から0.7MPa-Gの吐出圧力で供給されているが、需要先では減圧弁で減圧し使用している。そこで、吐出圧力を0.6MPa-Gまで0.1MPaだけ下げ、電力消費量を削減することを提案。
提案2
コンプレッサ
エア漏れの防止
省エネ効果 | 7.0kL/年 |
---|---|
削減金額 | 380千円/年 |
設備概要 | エアコンプレッサ(22kW×2台、15kW×1台) |
キーワード
圧力損失の低減、エア漏れ対策
内容
エア配管はループ化され総延長350m位で減圧弁、自動弁などの制御機器が接続されており、コンプレッサ運転間隔も短いのでエア漏れが懸念される。そこで、一般的な工場での漏れ率を適用し、漏れ対策により電力消費量の削減を提案。(現状の漏れ率10%→対策後の漏れ率2%、コンプレッサの年間電力消費量27千kWh)
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案3
蒸気配管
蒸気配管の保温
省エネ効果 | 154.4kL/年 |
---|---|
削減金額 | 10,574千円/年 |
設備投資額 | 3,730千円(回収0.4年) |
設備概要 | 蒸気配管 |
キーワード
保温対策
内容
現状、蒸気配管(平均蒸気温度140℃)のバルブ、フランジと配管の一部に保温がされていない。バルブと配管に40mmの保温を施工することで、蒸気配管・バルブ表面からの熱放散を年間で5,100GJ削減し、燃料消費量を削減することを提案。
提案4
冷却設備
SCP用冷却水へのフリークーリングの導入
省エネ効果 | 25.6kL/年 |
---|---|
削減金額 | 1,386千円/年 |
設備投資額 | 8,000千円(回収5.8年) |
設備概要 | チラー(定格電動機容量37kW) |
キーワード
その他(フリークーリング)
内容
SCP用冷却水を供給するチラー(定格電動機容量37kW)は、専用で通年運転がなされている。必要な冷却水温度は15℃であることから、外気温度が低い期間は冷却塔で冷却水を冷却するフリークーリング方式を導入することで、電力消費量を削減することを提案。
提案5
コンプレッサ
エアコンプレッサの制御装置による台数制御
省エネ効果 | 20.3kL/年 |
---|---|
削減金額 | 1,096千円/年 |
設備投資額 | 400千円(回収0.4年) |
設備概要 | エアコンプレッサ(22kW×2台、15kW×1台) |
キーワード
台数制御
内容
エアコンプレッサ3台(合計定格容量59kW)が稼働中であるが、3台の平均吐出量は75%程度でしかない。台数制御を導入し、通常は22kW×2台を95%以上の負荷運転とし、負荷変動分は15kWのコンプレッサで賄うことで、電力消費量を年間で79千kWh削減することを提案。
提案6
コンプレッサ
エアコンプレッサの大型機増設による台数制御
省エネ効果 | 7.5kL/年 |
---|---|
削減金額 | 406千円/年 |
設備投資額 | 1,980千円(回収4.9年) |
設備概要 | エアコンプレッサ<br /> (22kW×2台、15kW×1台→36kW×1台、15kW×1台) |
キーワード
台数制御 コンプレッサの統合、台数削減
内容
稼働中のエアコンプレッサ3台(合計定格容量59kW)について、22kW×2台を停止し、大型コンプレッサ36kWを増設し、100%負荷運転を実施することで、電力消費量を年間で29千kWh削減することを提案。
提案7
生産設備
SCPの断熱施工
省エネ効果 | 1.3kL/年 |
---|---|
削減金額 | 91千円/年 |
設備投資額 | 120千円(回収1.3年) |
設備概要 | SCP設備 |
キーワード
保温対策
内容
SCP設備は上面と一部の蒸気配管で保温が施工されていないため、放熱損失が大きい。上面と配管に40mmの保温を施工することで、上面と蒸気配管・バルブ表面からの熱放散を年間で44GJ削減し、燃料消費量を削減することを提案。
提案8
生産設備
蒸留釜の脱着式保温
省エネ効果 | 0.5kL/年 |
---|---|
削減金額 | 35千円/年 |
設備投資額 | 150千円(回収4.3年) |
設備概要 | 蒸留釜 |
キーワード
保温対策
内容
ピリジン蒸留釜では、一部の範囲で保温が施工されていないため、放熱損失が大きい。処理工程に対応可能な着脱式保温を施工することで、熱放散を年間で17GJ削減し、燃料消費量を削減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。