A社様は第1種エネルギー管理指定工場に指定され、省エネ管理に対する意識が高く、削減目標の取決めやデマンド監視の活用など省エネ活動が有効に実施されています。今回、操業方法を含む全般的な診断を目的に受診されました。現状のエネルギー消費は熱量比率でみると、電力が98%、燃料が2%であり、空気配管からの漏れ防止、電気炉開口部からの放熱防止、水銀灯のLED化やファン・ポンプのインバータ化など電力関連の省エネをご提案しました。
提案1
コンプレッサ
エア配管の漏れ防止
省エネ効果 | 19.6kL/年 |
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削減金額 | 876千円/年 |
設備概要 | エアコンプレッサ(255kW×1台、37kW×3台) |
キーワード
圧力損失の低減、エア漏れ対策
内容
コンプレッサ(合計定格容量366kW)が稼動しているが、空気配管からの漏れは検知しにくかったり、漏れ量が分かりにくいが、コンプレッサ動力の損失が意外に大きい。そこで、一般的な工場での漏れ率を適用し、漏れ対策により電力使用量の削減を提案。(現状の漏れ率10%→対策後の漏れ率2%、コンプレッサの年間電力消費量950千kWh)
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案2
生産設備
電気炉開口部の放熱防止
省エネ効果 | 250.5kL/年 |
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削減金額 | 11,200千円/年 |
設備投資額 | 4,000千円(回収0.4年) |
設備概要 | 電気炉(開口面積2m2) |
キーワード
保温対策
内容
現在、電気炉投入口の炉蓋は開放状態が長く放熱損失が大きい。材料投入時等必要時以外の炉蓋の閉止を確実に実施するとともに、断熱蓋に更新することで、電力消費量を年間で970千kWh削減することを提案。
提案3
照明
水銀灯400WのLED化
省エネ効果 | 33.5kL/年 |
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削減金額 | 1,499千円/年 |
設備投資額 | 8,676千円(回収5.8年) |
設備概要 | 400W水銀灯→104W LED |
キーワード
高効率照明への更新
内容
工場照明は水銀灯(400W/台×110台)で、十分に明るい。照度を半分程度以下とするLED灯(104W/台×110台)に更新することで、電力消費量を削減することを提案。
提案4
コンプレッサ
コンプレッサ冷却水ポンプのインバータ化
省エネ効果 | 12.9kL/年 |
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削減金額 | 575千円/年 |
設備投資額 | 1,050千円(回収1.8年) |
設備概要 | 冷却水ポンプ(15kW×1台) |
キーワード
インバータの導入
内容
現在、水冷式コンプレッサ用の冷却水ポンプ(定格15kW、負荷率85%)はコンプレッサ仕様に対してモーター容量が大きく、送水量が過大と推定できる。ポンプにインバータを設置して送水量を70%に絞ることで、電力使用量を削減することを提案。
提案5
照明
照明の間引き(個別スイッチ他)
省エネ効果 | 7.1kL/年 |
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削減金額 | 316千円/年 |
設備投資額 | 400千円(回収1.3年) |
設備概要 | 蛍光灯と水銀灯(定格消費電力220kW) |
キーワード
個別スイッチ設置 不要照明の消灯(昼休み時の消灯)
内容
事務所の蛍光灯照明は窓際の照明器具にプルスイッチを取り付ける。また、工場水銀灯照明は照明区画を再区分し、入口近傍明かり窓下や材料置場等を個別に消灯できるようにする。以上の対策により、電力消費量を削減することを提案(定格消費電力220kW、消灯可能率50%)
提案6
生産設備
冷却塔ファン制御の採用
省エネ効果 | 2.4kL/年 |
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削減金額 | 108千円/年 |
設備投資額 | 120千円(回収1.1年) |
設備概要 | 電気炉冷却塔ファン(1.5kW×2台、2.2kW×1台) |
キーワード
その他(発停制御)
内容
電気炉冷却用の冷却塔ファン(合計定格容量5.2kW)は昼夜連続運転されている。冷却水の温度により冷却塔ファンを停止する発停制御を採用し、電力消費量を削減することを提案。
提案7
空調設備
パッケージエアコン室外機に日よけ設置
省エネ効果 | 0.5kL/年 |
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削減金額 | 23千円/年 |
設備投資額 | 66千円(回収2.9年) |
設備概要 | 空調設備の合計定格消費電力49kW |
キーワード
室外機への散水、日射対策、移設
内容
パッケージエアコン室外機(11台の合計定格消費電力49kW)は夏季ピーク時に日射の影響を受け、効率低下が懸念される。遮蔽ネットを設置し、吸い込み温度を下げることで10%改善し、電力消費量を削減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。