M社様では、部署単位での省エネ活動を推進されていますが、大きな成果を得るまでには至っていません。今回、コンプレッサ周りの省エネなどを目的に受診されました。現状のエネルギー消費は熱量比率でみると、電力が73%、燃料が23%であり、照明器具の適正化や高効率化、コンプレッサの吐出圧力低減や漏れ防止など電力関連と、ボイラ蒸気圧力の適正化や蒸気配管・バルブの保温など燃料関連の省エネをご提案しました。
内訳 | 電気 (千kWh/年) |
LPG (千kg/年) |
A重油 (kL/年) |
灯油 (kL/年) |
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改善前 | 2,400 | 17 | 190 | 4.0 |
改善後 | 2,069 | 17 | 171 | 4.0 |
提案1
照明
照度基準に合わせた照明器具量の適正化
省エネ効果 | 14.9kL/年 |
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削減金額 | 1,267千円/年 |
設備概要 | 400W水銀灯 |
キーワード
照明の間引き
内容
第一工場の照度は通路部分で250lx、検査調整の部分照明で400lxである。モデル工場である第二工場では通路部分で130lx、検査調整の部分照明で250lxである。第一工場にも第二工場の照度基準を適用し間引きを行うことで、電力消費量を低減することを提案。
提案2
照明
工場高天井照明の晴天時消灯
省エネ効果 | 11.3kL/年 |
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削減金額 | 961千円/年 |
設備概要 | 400W水銀灯 |
キーワード
不要照明の消灯(昼休み時の消灯)
内容
工場は外光を取り入れられる構造であり、照度は250~400lxと十分に明るい。晴天時は高天井照明を消灯することで、電力消費量を低減することを提案。
提案3
コンプレッサ
エア配管の漏れ防止
省エネ効果 | 8.6kL/年 |
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削減金額 | 490千円/年 |
設備概要 | エアコンプレッサ(合計定格容量236kW) |
キーワード
圧力損失の低減、エア漏れ対策
内容
コンプレッサ(合計定格容量236kW)が稼動しているが、空気配管からの漏れは検知しにくかったり、漏れ量が分かりにくいが、コンプレッサ動力の損失が意外に大きい。そこで、一般的な工場での漏れ率を適用し、漏れ対策により電力使用量の削減を提案。(現状の漏れ率10%→対策後の漏れ率2%、コンプレッサの年間電力消費量420千kWh)
提案4
ボイラ
ボイラ空気比の適正化
省エネ効果 | 2.3kL/年 |
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削減金額 | 157千円/年 |
設備概要 | ボイラ(年間燃料消費量190kL) |
キーワード
空気比の適正化
内容
現状のボイラ(年間燃料消費量190kL)の排ガス酸素濃度は7.0%(空気比として1.5)であり、省エネ法の判断基準による基準空気比に比べ高い。空気比を1.35まで適正化することで1.2%の省エネが図られることから、空気比調整により燃料消費量を削減することを提案。
提案5
ボイラ
蒸気圧力の緩和
省エネ効果 | 0.6kL/年 |
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削減金額 | 40千円/年 |
設備概要 | ボイラ(年間燃料消費量190kL) |
キーワード
蒸気圧力の適正化
内容
蒸気は0.65MPa-Gで製造されているが0.50MPa-G以下でも十分なようである。ボイラでの製造圧を0.15MPaだけ下げ、燃料消費量を削減することを提案(年間燃料消費量190kL)。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案6
照明
工場水銀灯照明を高効率蛍光灯に更新
省エネ効果 | 24.6kL/年 |
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削減金額 | 2,086千円/年 |
設備投資額 | 11,340千円(回収5.4年) |
設備概要 | 400W水銀灯→210W高出力タイプ蛍光灯 |
キーワード
高効率照明への更新
内容
現状、210台の400W水銀灯が工場照明として、年間2,223時間点灯している。同じ光束の高出力タイプ蛍光灯(消費電力210W/台)に更新することにより、電力消費量を削減することを提案。
提案7
コンプレッサ
エアコンプレッサ吐出圧力の低減
省エネ効果 | 20.6kL/年 |
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削減金額 | 1,744千円/年 |
設備投資額 | 2,200千円(回収1.3年) |
設備概要 | エアコンプレッサ(合計定格容量236kW) |
キーワード
吐出圧力の低減
内容
コンプレッサ(合計定格容量236kW)から0.74MPa-Gの吐出圧力で供給されているが、需要先には余裕がある。そこで、吐出圧力を0.50MPa-Gまで0.24MPaだけ下げ、電力消費量を削減することを提案。
提案8
生産設備
槽の液面の断熱
省エネ効果 | 11.9kL/年 |
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削減金額 | 823千円/年 |
設備投資額 | 1,500千円(回収1.8年) |
設備概要 | 槽(液面の面積24m2) |
キーワード
保温対策
内容
酸洗い工程での槽の液面が開放されているため、熱放散がある。そこで、球状の断熱材を60℃の液面に浮かして敷き詰め、酸洗いの作業性を維持しながら放熱を抑制して(放熱削減量10.8MJ/m2・h)することで、燃料消費量を削減することを提案。
提案9
蒸気配管
蒸気ドレンの回収
省エネ効果 | 4.2kL/年 |
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削減金額 | 292千円/年 |
設備投資額 | 700千円(回収2.4年) |
設備概要 | 対象とするボイラの年間燃料消費量77kL |
キーワード
蒸気ドレンの回収、排熱利用
内容
酸洗い工程から排出され捨てられている蒸気ドレンを回収し、ボイラ給水の一部とする。具体的には、全ドレン熱量の50%に相当するドレンを75℃で回収することで、燃料消費量の5.4%を削減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。