株式会社ワイヤーテクノ 大阪工場様では、エネルギー管理統括者、エネルギー管理企画推進者を中心に製造部も協力し、省エネ活動を推進されています。今回、エネルギー原単位の改善を目的に受診されました。現状のエネルギー消費は、熱量比率でみると、電力が40%、燃料が60%であり、ボイラ運転台数の削減、蒸気ドレンの回収や蒸気配管・バルブの保温など燃料関連と、工場水銀灯の間引きと高効率化や冷凍機の負荷軽減など電力関連の省エネをご提案しました。
内訳 | 電気 (千kWh/年) |
都市ガス (千m3/年) |
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改善前 | 4,800 | 1,600 |
改善後 | 4,528 | 1,540 |
提案1
デマンド管理
デマンド監視制御装置の活用
省エネ効果 | ― |
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削減金額 | 2,544千円/年 |
設備概要 | デマンド管理 |
キーワード
デマンド監視制御装置の活用(日負荷線図の活用を含む)
内容
デマンド監視装置を活用してピーク電力を監視し、設定値に近づいた場合には予め定めた機器を停止することによりピーク電力を抑制し、契約電力を低減(1,200kW→1,050kW)することを提案。
提案2
ボイラ
酸洗工場ボイラ運転台数の削減
省エネ効果 | 33.9kL/年 |
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削減金額 | 2,167千円/年 |
設備概要 | ボイラ |
キーワード
運転台数の削減
内容
現状 1.2t/hボイラの2台が常時運転されているが、ボイラの負荷率が年平均で16.5%と低い。負荷率が50%以下となると一般に点火、消火、炉内パージを頻繁に繰返し運用効率が低下する。そこで運転台数を1台としてボイラの負荷率を高め(33%)、運用効率を改善して都市ガス消費量を削減することを提案。
提案3
照明
照明の間引き及び、不要時の消灯
省エネ効果 | 8.4kL/年 |
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削減金額 | 385千円/年 |
設備概要 | 照明 |
キーワード
照明の間引き
内容
鍍金室は、機器の増設予定部上部についても高効率水銀灯(400W水銀灯が9台)が設置されており、全数点灯されている。当面増設予定が無いため水銀灯は間引くことを提案。また、伸線機工場酸洗い処理上部は天窓から昼光が射し込むが、上部水銀灯は全数点灯されている。更に、伸線機上部蛍光灯も稼働に関係なく全数点灯されている。今後は、昼光が入る時には水銀灯を消灯し、稼働していない機器上部蛍光灯は消灯を行うことで、消費電力を提案。
提案4
生産設備
高圧伸線機の無負荷運転停止
省エネ効果 | 4.6kL/年 |
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削減金額 | 211千円/年 |
設備概要 | 生産設備 |
キーワード
待機電力の削減
内容
現在、30分程度の停止であれば高圧伸線機を無負荷で運転継続している。短期間であっても不要時には高圧伸線機モーター(全9台、1台当たり定格容量は75kWで無負荷時でも36kWを消費)の電源を停止し、電気消費量を削減することを提案。
提案5
コンプレッサ
コンプレッサ吐出圧力の低減
省エネ効果 | 4.7kL/年 |
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削減金額 | 217千円/年 |
設備概要 | コンプレッサ、2台、11.3kW、11.7kW |
キーワード
吐出圧力の低減
内容
伸線工程では現状、コンプレッサ1台が11.3kWの消費電力で、0.70MPa-Gの吐出圧力で供給しているが、伸線機の必要圧力は0.40MPa-Gであり余裕がある。そこで、吐出圧力を0.50MPa-Gまで0.20MPaだけ下げ、電力消費量を削減することを提案。また、太物工程では現状、コンプレッサ1台が11.7kWの消費電力で、0.60MPa-Gの吐出圧力で供給しているが、伸線機の必要圧力は0.40MPa-Gであり余裕がある。そこで、吐出圧力を0.50MPa-Gまで0.10MPaだけ下げ、電力消費量を削減することを提案。
提案6
ボイラ
ボイラ蒸気圧力の低減
省エネ効果 | 1.3kL/年 |
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削減金額 | 83千円/年 |
設備概要 | ボイラ |
キーワード
蒸気圧力の適正化
内容
酸洗工程ボイラでは、蒸気は0.70MPa-Gで製造されている。一方、蒸気の需要先では減圧弁等で0.30MPa-Gまで減圧し使用している。そこでボイラでの製造圧を0.50MPa-Gまで下げることを提案。また、鍍金工程ボイラでは、蒸気は0.60MPa-Gで製造されている。一方、蒸気の需要先では減圧弁等で0.30MPa-Gに減圧し使用している。そこでボイラでの製造圧を0.50MPaに下げ、それぞれ都市ガス消費量を削減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案7
照明
工場照明の高効率化
省エネ効果 | 24.7kL/年 |
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削減金額 | 1,132千円/年 |
設備投資額 | 3,348千円(回収3.0年) |
設備概要 | 照明 |
キーワード
高効率照明への更新
内容
工場照明について、400W水銀灯68台と1,000W水銀灯4台を190Wメタルハライドランプ72台に、また、照度が過剰な400W水銀灯9台をFHF32W2灯式蛍光灯9台に、各々交換して、電力消費量を削減することを提案。なお、1,000W水銀灯4台については現状の明るさがと同等になるまで器具設置高さを下げることで対応する。
提案8
蒸気配管
蒸気ドレン回収
省エネ効果 | 17.2kL/年 |
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削減金額 | 1,103千円/年 |
設備投資額 | 3,080千円(回収3.0年) |
設備概要 | 蒸気配管 |
キーワード
蒸気ドレンの回収、排熱利用
内容
蒸気ドレン回収が行われていない硫酸槽と石灰槽及び、塩酸槽とフラックス槽から蒸気ドレンを回収し、ボイラ給水の一部とする。具体的には、全ドレン熱量の50%に相当するドレンを70℃で回収することで、都市ガス消費量を削減することを提案。
提案9
冷却設備
廃硫酸洗液の冷凍機負荷軽減
省エネ効果 | 18.3kL/年 |
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削減金額 | 839千円/年 |
設備投資額 | 2,300千円(回収2.7年) |
設備概要 | 冷却設備 |
キーワード
その他(予備冷却)
内容
廃硫酸洗液から硫酸鉄を分離するため冷凍機により冷却(50℃→5℃程度)している。そこで、廃液タンクに直接熱交換器(投込み式熱交換器)を投入して、工業用水により廃硫酸洗液を50℃から40℃まで予備冷却し冷凍機負荷を軽減し、電力消費量を削減することを提案。
提案10
蒸気配管
蒸気配管・バルブの保温
省エネ効果 | 10.2kL/年 |
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削減金額 | 651千円/年 |
設備投資額 | 1,344千円(回収2.1年) |
設備概要 | 蒸気配管 |
キーワード
保温対策
内容
現状、蒸気配管(蒸気圧力0.30MPa-G)のバルブ、フランジと配管の一部に保温がされていない。バルブと配管に40mmの保温を施工することで、蒸気配管・バルブ表面からの熱放散を年間で340GJ削減し、都市ガス消費量を削減することを提案。
提案11
生産設備
硫酸槽蓋取付による放熱抑制
省エネ効果 | 6.8kL/年 |
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削減金額 | 438千円/年 |
設備投資額 | 1,280千円(回収2.9年) |
設備概要 | 生産設備 |
キーワード
保温対策
内容
現状、硫酸槽は65℃に加温されているが、操業停止時、蓋が無いため放熱により温度が下がり、蒸気使用量が余分に使用されている。新たに蓋(槽上部面積8m2×4槽)を取り付け、放散熱量を低減(現状170MJ/h → 改善後60MJ/h)することで、都市ガス消費量を削減することを提案。
提案12
生産設備
塩酸槽スプレーポンプインバータ化
省エネ効果 | 5.1kL/年 |
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削減金額 | 234千円/年 |
設備投資額 | 500千円(回収2.1年) |
設備概要 | 生産設備 |
キーワード
インバータの導入
内容
現状、塩酸槽スクラバーのファンがインバータで回転数を40HZにしているのに対し、スプレーポンプは全80%負荷(消費電力6.0kW)で運転されている。そこで、スプレーポンプをインバータ化して集塵風量に見合う水量に下げて、電力使用量を3.6kWまでに削減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。