株式会社玉野板金工業様のエネルギー消費は、熱量比率でみると、電力が87%、燃料が13%であり、暖房用にコンプレッサの廃熱が利用され、灯油は暖房の不足分のみに使用されるなど省エネが図られています。今回、生産設備で電力を多く使用するレーザー加工機・チラー・コンプレッサの省エネの糸口を見出すために受診されました。診断の結果、不要時コンプレッサ停止、インバータ制御コンプレッサの導入、チラーの性能回復など電力関連の省エネをご提案しました。
提案1
冷却設備
チラーの性能回復
省エネ効果 | 4.9kL/年 |
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削減金額 | 338千円/年 |
設備概要 | 冷却設備:チラー48.2kW、27.6kW |
キーワード
その他(性能回復)
内容
チラーは2台あり、冷却能力は48.2kWと27.6kWである。工業技術センターの電力測定結果では能力比以上の差が出ており、48.2kWチラーがより多く電力を消費している(約4倍で、期待値は約2倍)。設定を含め見直しを行い、電力消費量を削減することを提案。
提案2
デマンド管理
デマンド削減
省エネ効果 | ― |
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削減金額 | 206千円/年 |
設備概要 | デマンド管理 |
キーワード
その他(運転台数の削減)
内容
容易に且つ確実にデマンドを抑える方法として、組立場1台(消費電力8kW)と機械場1台(消費電力8kW)のエアコンを稼働しないことが挙げられる。昨夏エアコン1台が故障していたにもかかわらず、不快さを感じなかったということであるので、今夏も停止しても問題ないと考え、契約電力を低減(232kW→216kW)することを提案。
提案3
コンプレッサ
コンプレッサ吐出圧力の低減
省エネ効果 | 0.4kL/年 |
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削減金額 | 25千円/年 |
設備概要 | コンプレッサ:7.5kW |
キーワード
吐出圧力の低減
内容
塗装工場用のコンプレッサ1台(定格容量7.5kW)は、0.73MPa-Gの吐出圧力で供給されているが、使用先では減圧弁で減圧し余裕がある。そこで、吐出圧力を0.63MPa-Gまで0.10MPaだけ下げ、電力消費量を削減することを提案。
提案4
冷却設備
チラーの凍結防止運転解除
省エネ効果 | 0.1kL/年 |
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削減金額 | 10千円/年 |
設備概要 | 冷却設備:ポンプ、0.4kW |
キーワード
その他(不要時の電源遮断)
内容
工業技術センターの電力測定結果によると、レーザー加工機が停止中でもチラーが一定の間隔で運転している。これは、凍結防止用ポンプ(平均消費電力0.4kW)の運転のためと考えられ、凍結の心配がない12月~3月以外は完全に停止して、電力消費量を削減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案5
コンプレッサ
インバータ制御スクリューコンプレッサの導入
省エネ効果 | 8.8kL/年 |
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削減金額 | 610千円/年 |
設備投資額 | 3,000千円(回収4.9年) |
設備概要 | コンプレッサ:37kW |
キーワード
高効率機への更新
内容
現状、レーザー加工機用コンプレッサ(定格容量は37kW)は、ロード時間よりもパージ時間が長い状況であり、低負荷運転(吐出量で60%)となっている。インバータ制御のスクリューコンプレッサを導入し効率を改善し(現状88% → 改善後66%)、電力消費量を削減することを提案。
提案6
コンプレッサ
非生産時にコンプレッサ電源遮断
省エネ効果 | 6.8kL/年 |
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削減金額 | 473千円/年 |
設備投資額 | 150千円(回収0.3年) |
設備概要 | コンプレッサ:37kW |
キーワード
非生産(不要)時・休日にコンプレッサを停止・削減
内容
現状、夜間にレーザー加工機が運転終了した後も、レーザー加工機用コンプレッサ(定格容量は37kW)の運転が継続している。レーザー加工機の運転終了信号でレーザー加工機用コンプレッサの運転を停止することで、電力消費量を削減することを提案。
提案7
照明
水銀灯のLED化
省エネ効果 | 1.4kL/年 |
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削減金額 | 100千円/年 |
設備投資額 | 800千円(回収8.0年) |
設備概要 | 照明 |
キーワード
高効率照明への更新
内容
水銀灯のLED化は組立場で採用済であり、残りの機械場もLED化することで省エネを図る。具体的には、8台の400W水銀灯を120WのLEDランプに更新し、電力消費量を年間5,600kWh削減することを提案。
提案8
その他
自販機の電源遮断(休日・夜間)
省エネ効果 | 0.2kL/年 |
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削減金額 | 16千円/年 |
設備投資額 | 6千円(回収0.4年) |
設備概要 | その他(自販機) |
キーワード
不要時の電源OFF
内容
休日などの利用者不在時間帯に、タイマーを作動させて自販機(1台、年間消費電力量1,750kWh)の電源を遮断し、電力消費量を削減することを提案。
提案9
照明
外灯を照度センサーで点消灯
省エネ効果 | 0.2kL/年 |
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削減金額 | 11千円/年 |
設備投資額 | 20千円(回収1.8年) |
設備概要 | 照明 |
キーワード
人感センサーの設置、照度センサーの設置
内容
現状、外灯(400W×3台)はタイマーの設定時刻で点・消灯を制御しているが、照度センサーを併設し明るさ感知で自動点灯させることで、電力消費量を削減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。