小林鍛工株式会社様では、経営者の強い経費節減意欲を社内全体に浸透させ、エネルギー改善活動を推進することを目的に受診されました。現状のエネルギー消費は、熱量比率でみると、電力が87%、燃料が13%であり、電力消費は電気炉とコンプレッサで9割を占めています。コンプレッサの運転方法の変更、エア漏れ削減や変圧器の運用変更など電力関連と、焼準炉の排熱利用など燃料関連の省エネをご提案しました。
提案1
受変電設備
電気炉変圧器電源の運用変更
省エネ効果 | 9.1kL/年 |
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削減金額 | 536千円/年 |
設備概要 | 受変電設備:3台、合計200kVA |
キーワード
その他(遮断器操作)
内容
現在、電気炉の稼働率が低く変圧器の「二次側」遮断器だけで行っているため、大型変圧器(3台、合計容量2,000kVA)が無負荷運転する機会が多い。そこで、停止時には「一次側」遮断器も開放することにより、変圧器の空充電による無負荷損失を解消することで、電力消費量を年間で削減することを提案。
提案2
コンプレッサ
コンプレッサの運用方法改善
省エネ効果 | 7.9kL/年 |
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削減金額 | 461千円/年 |
設備概要 | コンプレッサ |
キーワード
その他(高効率機の優先使用)
内容
現在、6台のコンプレッサ内、3台(実消費電力は458.8kWで、2台がインバータ機)が稼動しているが、いずれもほぼ100%の負荷で稼働している。インバータ機(2台の実消費電力175.4kW)ではインバータ損失がロスとなっているため、非インバータ機に運用替え(実消費電力166.7kW)することで、電力使用量を削減することを提案。
提案3
冷却設備
冬季クーリングファン及びポンプの停止
省エネ効果 | 2.3kL/年 |
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削減金額 | 132千円/年 |
設備概要 | 冷却設備 |
キーワード
制御法改善
内容
コンプレッサ・電気炉・その他に冷却水を使用している。冷却水はクーリングタワーで冷却し、循環使用している。戻り水の温度が低い冬季はクーリングタワーのファン及び循環ポンプ(2台で合計定格容量は13kW)を停止して、電力消費量を削減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案4
コンプレッサ
コンプレッサのエア漏れ防止
省エネ効果 | 40.2kL/年 |
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削減金額 | 2,359千円/年 |
設備投資額 | 100千円(回収0年) |
設備概要 | コンプレッサ |
キーワード
圧力損失の低減、エア漏れ対策
内容
コンプレッサ(改善後の実消費電力は450kW)が稼動している。空気漏れ音・ホース留め金部からの漏れが有り、空気配管からの漏れが懸念される。そこで漏れ対策により電力使用量の10%削減を提案。
提案5
工業炉
焼準炉からの廃熱回収
省エネ効果 | 3.2kL/年 |
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削減金額 | 255千円/年 |
設備投資額 | 750千円(回収2.9年) |
設備概要 | 工業炉 |
キーワード
排熱の回収
内容
現状の焼準炉排ガス温度は約250℃であり熱回収の余地がある。そこで、120℃まで熱回収を行う空気予熱器を設置し(燃料節約率は2.4%)、都市ガス消費量を削減することを提案。
提案6
生産設備
金型工場の工作機械等電力損失の改善
省エネ効果 | 4.0kL/年 |
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削減金額 | 234千円/年 |
設備投資額 | 1,220千円(回収5.2年) |
設備概要 | 生産設備 |
キーワード
その他(油冷却装置フィルタの清掃) インバータの導入 高効率照明への更新
内容
金型工場の工作機械用循環油冷却装置のフィルタ目詰まり、油圧装置での非インバータポンプの使用ならびに工場過剰照明(水銀灯)等々により電力損失が発生している。そこで、フィルタの清掃、油圧装置に「インバータ制御装置」を追設ならびに水銀灯点灯区分の改善等々を実施することで、電力消費量を削減する(年間で16千kWh)ことを提案。
提案7
空調設備
スポット空調機の清掃
省エネ効果 | 1.5kL/年 |
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削減金額 | 86千円/年 |
設備投資額 | 100千円(回収1.2年) |
設備概要 | 空調設備 |
キーワード
その他(排気を室外に放出) 空調換気設備の清掃(熱交換器、フィルタ等)
内容
現状、スポット空調室外機が工場室内に設置されているため夏季使用時に温度高となり、また、室内の油煙雰囲気により冷却フィンの汚れが堆積している。結果、性能の低下を引き起こしている。そこで、スポット空調室外機の排気を室外に排出し、冷却フィンを清掃することで、電力消費量を削減する(年間で5,700kWh)ことを提案。
提案8
空調設備
室内を仕切り専用空調機を導入
省エネ効果 | 1.4kL/年 |
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削減金額 | 81千円/年 |
設備投資額 | 270千円(回収3.3年) |
設備概要 | 空調設備 |
キーワード
冷気の流出防止
内容
食堂の大部屋は昼食時間帯だけの利用が本来の姿であるが、間仕切りして執務している関係から常時大部屋用の空調機(年間電力消費量7,700kWh)が稼働している。間仕切り部に専用の空調機(年間電力消費量2,300kWh)を設置して大部屋空調機を停止することで、電力消費量を削減することを提案。
提案9
工業炉
焼準炉の保温
省エネ効果 | 0.5kL/年 |
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削減金額 | 38千円/年 |
設備投資額 | 100千円(回収2.6年) |
設備概要 | 工業炉 |
キーワード
保温対策
内容
ガス焚焼準炉の表面は高温(120℃)となっている。そこで、表面(2m2)に耐熱塗料と耐熱シートを用い断熱することで、放散熱量を低減し(現状7,400kWh/年 → 改善後2,600kWh/年)、都市ガス消費量の削減を提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。