T社様のエネルギー消費は、熱量比率で電力が44%、燃料が56%です。設備別では、蒸気ボイラ、乾燥炉などのA重油消費量、照明、コンプレッサなどの電力消費量の多いのが特徴です。診断先から乾燥炉、照明の省エネの要望もあり、これ等の設備とその付帯設備の省エネ、更にデマンド監視装置による契約電力の低減や受電力率の改善をご提案しました。
内訳 | 電気 (千kWh/年) |
都市ガス (千m3/年) |
A重油 (kL/年) |
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改善前 | 394 | 43 | 78 |
改善後 | 338 | 43 | 64 |
提案1
その他
省エネ自動販売機への更新
省エネ効果 | 0.3kL/年 |
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削減金額 | 24千円/年 |
設備概要 | 自動販売機 |
キーワード
省エネ自動販売機の導入
内容
現在、飲料自動販売機が2台使用されているが、旧型のため年間の消費電力が大きい。省エネ型自動販売機へ更新することにより電力消費量を削減することを提案。
提案2
コンプレッサ
第1、第2工場 コンプレッサ吐出圧力の低減
省エネ効果 | 0.2kL/年 |
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削減金額 | 17千円/年 |
設備概要 | コンプレッサ |
キーワード
吐出圧力の低減
内容
第1、第2工場には、2.2kW×2台の容積型コンプレッサが設置されている。その吐出圧力は、平均で0.7Mpaで、使用端の必要圧力が0.5Mpaである。配管の圧力損失を考慮に入れても吐出圧力を0.6Mpaに低減が可能である。吐出圧力を下げることで圧縮機の動力を低減し、電力消費量を削減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案3
照明
従来型蛍光灯をHf安定器へ更新
省エネ効果 | 7.3kL/年 |
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削減金額 | 533千円/年 |
設備投資額 | 4,626千円(回収8.7年) |
設備概要 | 照明 |
キーワード
蛍光灯用安定器のHf化
内容
従来型蛍光灯(40W×2灯用および1灯用)の安定器をHf用安定器に交換して電力消費量を削減することを提案。Hf蛍光灯の高周波安定器は、従来型蛍光灯の銅鉄型安定器に比べて損失が少ない。また、併せて節電型ランプに交換する。
提案4
ボイラ
蒸気配管・バルブの保温対策
省エネ効果 | 7.5kL/年 |
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削減金額 | 474千円/年 |
設備投資額 | 500千円(回収1.1年) |
設備概要 | 蒸気ボイラ |
キーワード
保温対策
内容
ボイラ室および蒸気使用設備周りのバルブ、ヘッダー、フランジ、コントロールバルブ、曲がり部、直間部に未保温部位、および、保温材の劣化が散見された。これ等の部位を保温し、熱放散を抑えることでボイラ燃料(A重油)を削減することを提案。
提案5
ボイラ
第1、第2工場 蒸気ドレンの回収
省エネ効果 | 6.2kL/年 |
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削減金額 | 391千円/年 |
設備投資額 | 1,000千円(回収2.6年) |
設備概要 | ボイラ |
キーワード
蒸気ドレンの回収、排熱利用
内容
第1、第2工場の蒸気ドレンは、回収されずに排水されている。ドレン温度は、70℃であり、これを回収してボイラの給水として利用することで、ボイラ燃料(A重油)を削減することを提案。
提案6
乾燥炉
乾燥炉、循環ファンへのインバータ導入
省エネ効果 | 3.2kL/年 |
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削減金額 | 235千円/年 |
設備投資額 | 680千円(回収2.9年) |
設備概要 | 乾燥炉 |
キーワード
インバータの導入
内容
第1、第2工場 乾燥炉に循環ファン(2.2kW×4台)が設置されている。現在はダンパーで流量を絞って運転しているが、圧力損失があるのでファン動力は余り減らない。そこで、ダンパーを全開とし、インバータによる回転数制御で流量を調整する。インバータによる流量調整(83%)により、ファン動力は、流量の3乗に比例して低減することにより電力消費量を削減することを提案。
提案7
デマンド管理
デマンド監視制御装置の導入による契約電力の低減
省エネ効果 | ー |
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削減金額 | 201千円/年 |
設備投資額 | 600千円(回収3.0年) |
設備概要 | デマンド |
キーワード
デマンド監視制御装置の導入(電気使用量の見える化装置の導入を含む)
内容
現在の契約電力(最大電力)は、200kWである。稼働率の低い第4工場、第6工場、プレス設備が同時運転したときに最大電力が発生すると推察される。本設備の生産調整や照明などの負荷調整を行うことで最大電力を15kW(200kW→185kW)低減することを提案。なお、デマンド監視制御装置の警報機能を活用して最大電力が目標値に近づいたら警報を出させ、遮断可能な設備を遮断して最大電力を抑制する。
提案8
生産設備
調合機用モータの空転防止
省エネ効果 | 2.3kL/年 |
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削減金額 | 167千円/年 |
設備投資額 | 350千円(回収2.1年) |
設備概要 | 調合機 |
キーワード
待機電力の削減
内容
調合ラインに調合機用モータ(3.7kW×2台、2.2kW×2台)が稼動しているが、原料切れになっても運転している。原料検出センサーを取り付けてモータの空転防止することで、電力消費量を削減することを提案。
提案9
照明
蛍光灯器具に個別スイッチの設置
省エネ効果 | 1.0kL/年 |
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削減金額 | 75千円/年 |
設備投資額 | 180千円(回収2.4年) |
設備概要 | 照明 |
キーワード
個別スイッチ設置
内容
稼動していない設備エリアや窓際など、蛍光灯の消灯可能なエリアが見受けられた。蛍光灯(FLR40W・2灯×20台)にプルスイッチを取付けて消灯の徹底を図り、電力消費量を削減することを提案。
提案10
受変電設備
受電力率の改善
省エネ効果 | ー |
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削減金額 | 62千円/年 |
設備投資額 | 250千円(回収4.0年) |
設備概要 | 受変電設備 |
キーワード
力率の改善
内容
受電力率が98%(電力会社請求書より)であり、力率100%に比べて電力基本料金が2%割高(62千円/年)となっている。力率改善用コンデンサを追加して受電点の力率改善を図ることを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。