日本絨氈株式会社様では、不要な照明の消灯、高効率照明の導入、デマンド監視装置導入などの省エネ対策を実施されています。今回省エネを更に進めるためのきっかけとして受診されました。現状のエネルギー消費は、熱量比率で電力が65%、燃料が35%です。設備別消費量では、コンプレッサの電力消費、ボイラ、乾燥炉の都市ガス消費が多いのが特徴です。特にコンプレッサは、設置台数も多く、改善ポイントとして、吐出圧力が高い、軽負荷で運転されている、アンロード運転されているなどが見受けらた。この他、温度・圧力の適正化やポンプ・ファンのインバータ化等の改善策についてご提案しました。
提案1
冷凍冷蔵設備
押出機用冷凍機冷水温度の変更
省エネ効果 | 2.8kL/年 |
---|---|
削減金額 | 154千円/年 |
設備概要 | 冷凍機 |
キーワード
その他(外気温度を考慮に入れた温度設定)
内容
押出機用の冷水は、冷凍機(チラー)より供給している。チラーの冷水出口温度は、年間を通して8℃の設定である。一方、押出機出側では、紡糸を17℃の微風で冷却している。夏季、冷水出口温度を8℃とすると夏季以外の季節は、外気温度が下がるため冷水出口温度を外気温度に見合って低減が可能である。従って、この季節は、チラー冷水出口温度を10℃に変更してチラーの電力消費量を削減することを提案。
提案2
コンプレッサ
2Fコンプレッサ吐出圧力の低減
省エネ効果 | 1.7kL/年 |
---|---|
削減金額 | 91千円/年 |
設備概要 | コンプレッサ |
キーワード
吐出圧力の低減
内容
2Fコンプレッサは、2台(22kW、15kW各1台)運転で、吐出圧力は0.68Mpaである。一方、使用端側の必要圧力は、0.5Mpaであるので、配管系の圧損を考慮に入れても0.6Mpaに低減が可能である。吐出圧力を下げ圧縮機の軸動力を低減して電力消費量を削減することを提案。
提案3
ボイラ
蒸気圧力の低圧化
省エネ効果 | 1.2kL/年 |
---|---|
削減金額 | 84千円/年 |
設備概要 | ボイラ |
キーワード
蒸気圧力の低圧化
内容
ボイラ(1t/h)で発生した蒸気が、タイル、バッキング工程で使用されている。蒸気圧力は0.8Mpaで供給しているが、使用側では0.5Mpaに減圧して使用している。そこで蒸気圧力を0.6Mpaに下げて供給することでボイラ燃料を削減することを提案。蒸気圧力を下げると飽和蒸気の比エンタルピーが小さくなり燃料の節約となる。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案4
コンプレッサ
コンプレッサに台数制御を導入
省エネ効果 | 116.7kL/年 |
---|---|
削減金額 | 6,397千円/年 |
設備投資額 | 4,257千円(回収0.7年) |
設備概要 | コンプレッサ |
キーワード
台数制御
内容
①タクト用コンプレッサ(22kW、37kW)が5台設置されているが、軽負荷のため、その中の3台(定速機2台+インバータ機1台)での台数制御運転。②紡糸用コンプレッサ(75Kw×5台)が設置され4台運転されているが、軽負荷のため、その中の3台(定速機2台+インバータ機1台)での台数制御運転。①、②とも現状は、定速機での低負荷運転のため効率が悪い。台数制御の導入で負荷量に応じた運転をすることで電力消費量を削減することを提案。
提案5
デマンド管理
デマンド監視制御装置の活用による契約電力の低減
省エネ効果 | ー |
---|---|
削減金額 | 907千円/年 |
設備投資額 | 2,000千円(回収2.2年) |
設備概要 | デマンド |
キーワード
デマンド監視制御装置の活用(日負荷線図の活用を含む)
内容
現在の契約電力は、1450kWである。夏季に最大電力が発生、これを抑制するためガス発電機を運転しているが、まだ、最大電力の低減余地がある。デマンド監視制御装置の活用と合せて空調機のピークカット、加工設備のピークシフトを行うことで、最大電力(契約電力)を1,450kW→1,400kW即ち、50kW低減することを提案。
提案6
冷却設備
冷却水ポンプのインバータ化
省エネ効果 | 10.3kL/年 |
---|---|
削減金額 | 568千円/年 |
設備投資額 | 1,700千円(回収3.0年) |
設備概要 | 冷却水ポンプ |
キーワード
インバータの導入
内容
①紡糸用コンプレッサおよびチラーへ供給する冷却水ポンプ(11kW×1台)は、コンプレッサやチラーの稼動台数や季節の変動負荷に関係なく全負荷で運転されている。②押出機用冷却水ポンプ(11kW)も①と同様に全負荷で運転している。③①、②の改善策として、インバータ導入により必要流量(現状の冷水量に比して①は80%,②は83%と推定)に調整して電力消費量を削減することを提案。
提案7
工業炉
集塵機排気ファンにインバータ導入
省エネ効果 | 10.3kL/年 |
---|---|
削減金額 | 564千円/年 |
設備投資額 | 1,800千円(回収3.2年) |
設備概要 | 集塵機ファン |
キーワード
インバータの導入
内容
現状、集塵機排気ファン(定格出力45kW)は、非作業時でも連続運転(ダンパー全開)されている。各設備の排気口には簡易遮蔽板、集塵機ファンにはインバータを取付け排気風量を調整してファン軸動力を低減して電力消費量を削減することを提案。
提案8
受変電設備
変圧器の統合
省エネ効果 | 2.1kL/年 |
---|---|
削減金額 | 114千円/年 |
設備投資額 | 300千円(回収2.6年) |
設備概要 | 変圧器 |
キーワード
変圧器の統合
内容
動力用変圧器750KVA×2台は、軽負荷となっているため、2台を1台に統合して無負荷損失の低減により電力消費量を削減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。