藤田熱処理株式会社様では、省エネ対策として電力と燃料使用量の削減とエネルギー原単位の改善に取り組まれています。今回、熱処理炉の燃料使用量の削減と工場の電力使用量の削減を目的に受診されました。診断の結果、熱処理炉入出口扉の密閉、コンプレッサ吐出圧の低減、熱処理炉に蓄熱バーナーの導入、熱処理炉ブロワーにインバータ導入等をご提案しました。
内訳 | 電気 (千kWh/年) |
都市ガス (千m3/年) |
---|---|---|
改善前 | 470 | 1,100 |
改善後 | 427 | 945 |
提案1
工業炉
3号熱処理炉入出口扉の密閉
省エネ効果 | 8.1kL/年 |
---|---|
削減金額 | 438千円/年 |
設備概要 | 熱処理炉(空気比1.2、年間130千m3消費) |
キーワード
保温対策、熱ロスの低減
内容
3号熱処理炉の炉内圧を大気圧近くに設定し、入出口扉をクランプで密閉することで燃料消費量を低減することを提案。(現状熱処理工程中の漏洩排ガス量166Nm3/h→改善後漏洩排ガス量83Nm3/h)
提案2
コンプレッサ
コンプレッサ吐出圧力の低減
省エネ効果 | 2.0kL/年 |
---|---|
削減金額 | 115千円/年 |
設備概要 | コンプレッサ(5.5kW+2.2kW) |
キーワード
吐出圧力の低減
内容
コンプレッサが0.9MPa-Gで稼動している。需要先では減圧弁で圧力を調整し0.5MPa-Gで使用されている。コンプレッサの吐出圧を0.3MPa下げ、0.6MPa-Gとして、電力消費量を低減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案3
工業炉
850℃熱処理炉に蓄熱バーナーを導入
省エネ効果 | 97.1kL/年 |
---|---|
削減金額 | 5,230千円/年 |
設備投資額 | 22,000千円(回収4.2年) |
設備概要 | 熱処理炉(空気比1.2、年間250千m3と170千m3消費) |
キーワード
高効率設備への更新
内容
2炉の熱処理炉からの高温排ガスが熱回収されないまま放出されているため、高温排ガスからの熱回収が可能な蓄熱バーナーに更新することで燃料消費量を低減することを提案。(現状保持区間と昇温区間での平均排ガス温度850/500℃→改善後保持区間と昇温区間での平均排ガス温度220/220℃)
提案4
工業炉
950℃熱処理炉に蓄熱バーナーを導入
省エネ効果 | 71.8kL/年 |
---|---|
削減金額 | 3,867千円/年 |
設備投資額 | 12,000千円(回収3.1年) |
設備概要 | 熱処理炉(空気比1.2、年間250千m3消費) |
キーワード
高効率設備への更新
内容
熱処理炉からの高温排ガスが熱回収されないまま放出されているため、高温排ガスからの熱回収が可能な蓄熱バーナーに更新することで燃料消費量を低減することを提案。(現状保持区間と昇温区間での平均排ガス温度950/550℃→改善後保持区間と昇温区間での平均排ガス温度220/220℃)
提案5
工業炉
1,2,5号熱処理炉ブロワーにインバータ導入
省エネ効果 | 5.2kL/年 |
---|---|
削減金額 | 295千円/年 |
設備投資額 | 825千円(回収2.8年) |
設備概要 | 燃焼空気ブロワー(5.5kW×3台) |
キーワード
インバータの導入
内容
1,2,5号熱処理炉のブロワーにインバータを導入し、温度保持区間での空気量を昇温区間より絞り電力消費量を低減することを提案。
提案6
照明
高効率照明への更新
省エネ効果 | 3.9kL/年 |
---|---|
削減金額 | 220千円/年 |
設備投資額 | 765千円(回収3.5年) |
設備概要 | 白熱灯54W×3台、水銀灯400W×14台、<br /> 白熱灯180W×3台 |
キーワード
高効率照明への更新
内容
下記の現状の照明を高効率照明の器具/ランプに更新し、消費電力を削減することを提案。
①現状白熱灯54W→改善後LED7.8W、点灯時間6,096h/年、台数3台
②現状400W→改善後セラミックハライドランプ190W、点灯時間4,038h/年、台数14台
③現状白熱灯180W→改善後LED48W、点灯時間6,096h/年、台数3台
提案7
工業炉
6号熱処理炉のインバータ制御による空気比改善
省エネ効果 | 2.9kL/年 |
---|---|
削減金額 | 156千円/年 |
設備投資額 | 500千円(回収3.2年) |
設備概要 | 熱処理炉(燃焼空気ブロワー1.5kW×1台、空気比1.3、<br /> 年間84千m3消費) |
キーワード
インバータの導入
内容
6号熱処理炉は昇温、温度維持、降温の工程を繰り返すため、各工程での空気量はダンパ制御で調整を行っている。インバータ制御に更新し、より細やかな空気比制御とし燃料消費量を低減することを提案。(平均排ガス温度400℃、現状空気比1.3→改善後空気比1.1)
提案8
デマンド管理
デマンド監視装置の導入
省エネ効果 | ー |
---|---|
削減金額 | 133千円/年 |
設備投資額 | 400千円(回収3.0年) |
設備概要 | デマンド監視装置 |
キーワード
デマンド監視制御装置の導入(電気使用量の見える化装置の導入を含む)
内容
デマンド監視装置を導入してピーク電力を監視し、設定値に近づいた場合には予め定めた機器を停止することによりピーク電力を抑制し、契約電力を低減(97kW→87kW)することを提案。
提案9
受変電設備
高圧コンデンサ増設による力率改善
省エネ効果 | ー |
---|---|
削減金額 | 44千円/年 |
設備投資額 | 150千円(回収3.4年) |
設備概要 | 契約電力97kW、力率97% |
キーワード
力率の改善
内容
現状の力率は97%(遅れ)である。高圧コンデンサを増設し力率改善を行い、基本料金を削減することを提案。(現状力率97%→改善後力率100%)
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。