政竜閣様では、空調設定温度の変更や、不要な照明の消灯、高効率空調機器の導入などの省エネ対策を実施されています。今回省エネを更に進めるためのきっかけとして受診されました。現状のエネルギー消費は、熱量比率でみると電力が57%、灯油、LPGで43%です。その主な設備は、電力では、パッケージ形空調機と照明設備、灯油では浴槽加温用の温水ボイラ、LPGでは厨房設備などです。冬季暖房負荷の増大により最大電力を発生することからデマンド監視装置の導入、また、燃料消費の多い温水ボイラの空気比の適正化、温水配管や浴槽湯面の保温対策などをご提案しました。
内訳 | 電気 (千kWh/年) |
LPG (千kg/年) |
灯油 (kL/年) |
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改善前 | 780 | 10 | 145 |
改善後 | 742 | 10 | 129 |
提案1
給湯設備
真空式温水機の空気比の適正化
省エネ効果 | 2.2kL/年 |
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削減金額 | 203千円/年 |
設備概要 | 真空式温水機 |
キーワード
空気比の適正化
内容
真空式温水機(灯油消費量:約119L/年×1台)の排ガス酸素濃度は、7.8%(空気比=1.6)と高い値であった。燃焼用空気を必要以上に供給すると、排ガス量が増えエネルギー損失が増大することから、空気量を適正値(空気比=1.4)に下げて灯油使用量を削減することを提案。
提案2
冷凍冷蔵設備 その他
客室不在時間帯の客室冷蔵庫、温水洗浄便座の停止
省エネ効果 | 1.3kL/年 |
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削減金額 | 84千円/年 |
設備概要 | 冷蔵庫、便座 |
キーワード
非製造時(不要)時・休日の稼働台数削減、運転停止 不要時の便座保温停止、暖房便座の蓋閉め
内容
客室の空いている時間帯でも冷蔵庫(消費電力27.4W/台)や温水洗浄便座が通電状態になっている。客室不在時間帯には電源を切り電力消費量を削減することを提案。
提案3
空調設備
客室、廊下通路の空調設定温度の適正化
省エネ効果 | 1.1kL/年 |
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削減金額 | 72千円/年 |
設備概要 | 空調室内機 |
キーワード
設定温度の適正化
内容
事務所フロントの室内温度は、夏季28℃、冬季20℃で管理されているが、通路、宴会場を含めた共有部は、冷房27℃、暖房23℃なっている。これら共有部の温度を1℃改善して空調の電力消費量を削減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案4
その他
浴槽の湯面の保温対策
省エネ効果 | 11kL/年 |
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削減金額 | 958千円/年 |
設備投資額 | 135千円(回収0.1年) |
設備概要 | 浴槽 |
キーワード
その他(浴槽の保温強化)
内容
屋内大浴場(2箇所)、露天風呂(2箇所)がある。これ等の浴槽の湯面から湯気(潜熱)が放散し、この放熱で湯温が低下する、その低下分をボイラで昇温して補っている。湯槽湯面に断熱シート(アルミ保温シート)を施すことで、湯面からの放熱を抑えてボイラ-の燃料消費を削減することを提案。
提案5
デマンド管理
デマンド監視制御装置の導入による契約電力の低減
省エネ効果 | ー |
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削減金額 | 571千円/年 |
設備投資額 | 400千円(回収0.7年) |
設備概要 | デマンド |
キーワード
デマンド監視制御装置の導入(電気使用量の見える化装置の導入を含む)
内容
現在の契約電力は307kWである。最大電力は2月に発生している、その要因は、冬季の暖房負荷の増大によるものと想定される。最大電力の低減目標を270kWと定め、この値に近づいたら、デマンド監視制御装置から警報を出力させ、予め定めた遮断可能な負荷(空調機、照明)の電源オフして最大電力を抑制することで、契約電力を、307kW→270kWへ37kW低減することを提案。
提案6
給湯設備
給湯2次ポンプへのインバータ導入
省エネ効果 | 3.8kL/年 |
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削減金額 | 247千円/年 |
設備投資額 | 1,100千円(回収4.5年) |
設備概要 | 給湯2次ポンプ |
キーワード
その他(ポンプにインバータ導入)
内容
おとぎ亭、四季亭、及び、りんりん亭の2系統の給湯ポンプ(5.5kW2系統)がある。現状は吐出しバルブを絞って流量調整(80%)を行っているが、バルブを絞ると圧損が増え電動機の軸動力は増加する。そこでインバータによる回転数制御で流量調整(80%)を行い、電動機の軸動力を下げ電力消費量を削減することを提案。なお、本給油ポンプ系統は、開放系統のため全揚程35m、実揚程20mを考慮して試算している。
提案7
給湯設備
温水配管の保温対策
省エネ効果 | 2.2kL/年 |
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削減金額 | 187千円/年 |
設備投資額 | 500千円(回収2.7年) |
設備概要 | 給湯配管 |
キーワード
保温対策
内容
給湯配管、バルブの表面温度は、約70℃である。配管部の断熱はある程度施されているが、バルブやフランジなどの断熱は施されていない。この部分の保温断熱を施すことで熱放散を抑制して、ボイラ燃料(灯油)を削減することを提案。
提案8
照明
高効率照明への交換
省エネ効果 | 1.8kL/年 |
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削減金額 | 119千円/年 |
設備投資額 | 600千円(回収5.0年) |
設備概要 | 照明 |
キーワード
高効率照明への更新
内容
①従来型蛍光灯の40Wランプを節電型36Wランプに交換する。(ランプのみの交換)
②従来形蛍光灯(FLR40W×2灯用)をHf形蛍光灯(Hf32W×2灯用)へ器具を含め交換する。
①、②を実施して電力消費量を削減することを提案。
提案9
照明
水銀灯をセラミックメタルハライドランプへの交換
省エネ効果 | 1.5kL/年 |
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削減金額 | 96千円/年 |
設備投資額 | 405千円(回収4.2年) |
設備概要 | 照明 |
キーワード
高効率照明への更新
内容
岩風呂には水銀灯(300W×9台)が使用され長時間点灯している。水銀灯は消費電力が大きいので、高効率なHIDランプ(セラミックメタルハライドランプ:190W)に交換して電力消費量を削減することを提案。
提案10
空調設備
エアコン室外機の日射防止対策
省エネ効果 | 0.2kL/年 |
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削減金額 | 15千円/年 |
設備投資額 | 30千円(回収2.0年) |
設備概要 | 空調室外機 |
キーワード
室外機への散水、日射対策、移設
内容
エアコン室外機(消費電力43.6W/台×5台)は、冷房時、吸込み空気温度が低いと運転効率がアップすることから、屋上に設置されている室外機への直射日光を遮る遮光ネット(日除け効果:5%)を設置し、運転効率改善により電力消費量を削減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。