羽前絹練株式会社様のエネルギー管理については、現状は、エネルギー使用量および金額を月次集計して経費への影響の有無と捉え、担当者が管理されていますが、今後は、省エネ面も加え、省エネの意義を皆でよく理解し、全員参加で省エネ活動を推進されることを望みます。エネルギー使用量では、電力が21%、燃料が79%の比率です。燃料の中でもB重油が特に多く、その使用先は精錬と乾燥ですので、この両者の省エネ改善がポイントです。
内訳 | 電気 (千kWh/年) |
都市ガス (千m3/年) |
B重油 (kL/年) |
灯油 (kL/年) |
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改善前 | 460 | 5 | 400 | 14 |
改善後 | 413 | 5 | 361 | 14 |
提案1
ボイラ
ボイラ交互運転の廃止
省エネ効果 | 22.9kL/年 |
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削減金額 | 1,408千円/年 |
設備概要 | ボイラ |
キーワード
運転台数の削減
内容
診断時には、炉筒煙管ボイラ(5t/h)2台を2時間毎に交互運転をしていた。常時1台で、使用量を賄える場合には1台運転として、放熱量を減少させることで、ボイラ燃料の削減を図る。
提案2
生産設備
動力設備の待機電力削減
省エネ効果 | 1.4kL/年 |
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削減金額 | 96千円/年 |
設備概要 | 動力設備 |
キーワード
待機電力の削減
内容
電力測定記録にM-3ポンプ設備に夜間および休日の待機電力が認められた。インバータ機器の消費電力(1kW/h)とみられるため、主電源を遮断することで、電力消費量の削減を図る。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案3
ボイラ
蒸気ドレンの回収
省エネ効果 | 14.4kL/年 |
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削減金額 | 882千円/年 |
設備投資額 | 1,000千円(回収1.1年) |
設備概要 | 蒸気ボイラ |
キーワード
蒸気ドレンの回収、排熱利用
内容
精錬浴槽、シリンダ、ラジエータは、蒸気により間接加熱されている。加熱可能な蒸気ドレンの温度は、75℃、回収率は、50%であるが、回収装置が故障のため排水されている。ドレン回収装置を修理して再稼動させボイラ燃料(B重油)の削減を図る。
提案4
排水処理
曝気ブロワーのインバータ化
省エネ効果 | 10.1kL/年 |
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削減金額 | 686千円/年 |
設備投資額 | 750千円(回収1.1年) |
設備概要 | 排水処理設備 |
キーワード
インバータの導入
内容
排水処理設備では、ルーツブロワー(15kW×2台)を運転し、常時曝気している。現状のBOD値、SS値は、基準値を大きく下回っているため、曝気量を減らすことが可能である。インバータを導入して、排水簡易分析値を見ながらブロワーの回転数を低減させ電力消費量の削減を図る。
提案5
ボイラ
蒸気配管・バルブの保温対策
省エネ効果 | 4.4kL/年 |
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削減金額 | 272千円/年 |
設備投資額 | 175千円(回収0.6年) |
設備概要 | ボイラ |
キーワード
保温対策
内容
ボイラ室、ボイラより165℃(圧力:0.65Mpa)の蒸気を送っている。ヘッダー管の玉形弁(8個)、及び配管、フランジが、むき出しとなり、そこから放熱している。これ等を保温し放熱を防止することで、ボイラ燃料(B重油)の削減を図る。
提案6
デマンド管理
デマンド監視制御装置の活用による契約電力の低減
省エネ効果 | ー |
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削減金額 | 129千円/年 |
設備投資額 | 300千円(回収2.3年) |
設備概要 | デマンド |
キーワード
デマンド監視制御装置の活用(日負荷線図の活用を含む)
内容
最大電力(契約電力)は、冬季(1月)に発生し、その値は156kWである。その発生要因は、排水設備の常時運転、凍結防止ヒータやトイレパネルヒータの稼動によるものと推定される。最大電力の減目標を146kWと定め、この値に近づいたらデマンド監視制御装置から警報を出させ、予め定めた遮断可能な負荷(排水処理設備や凍結防止ヒータ等)を遮断して契約電力を156kW→146kWへ10kWの低減を図る。
提案7
照明
作業灯(白熱電球利用)を防滴型蛍光灯に更新
省エネ効果 | 0.3kL/年 |
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削減金額 | 19千円/年 |
設備投資額 | 160千円(回収8.4年) |
設備概要 | 照明 |
キーワード
高効率照明への更新
内容
精錬場は、蒸気により湿度が高く白熱電球の作業灯(75W×8台)を使用している。一方、防滴性に優れた防滴器具採用の高効率Hf型蛍光灯(32W、1灯用)があることから、この器具に更新して電力消費量の削減を図る。
提案8
給排水
地下水ポンプのインバータ化
省エネ効果 | 0.2kL/年 |
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削減金額 | 13千円/年 |
設備投資額 | 110千円(回収8.5年) |
設備概要 | ポンプ |
キーワード
インバータの導入
内容
電力測定記録によると地下水ポンプ(2.2kW×1台)は、常時運転している。インバータを導入して、休日などの負荷の小さい時は、回転数制御により流量を約10%減らし、ポンプモータ動力の削減を図る。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。