神田印刷工業株式会社オフリン事業部様では、幹部の省エネ意識が高く運用改善は全員参加が必須との認識に立ち、また、中期的には省エネ設備導入計画も準備中ですが足元の省エネ成果に結び付かず、今回は何から着手するかを求める受診でした。診断の結果、印刷機関連の省エネおよびチラー・コンプレッサ・ポンプなど周辺機器の省エネ対策を中心に提案しました。
内訳 | 電気 (千kWh/年) |
LPG (千kg/年) |
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改善前 | 5,090 | 490 |
改善後 | 4,686 | 467 |
提案1
コンプレッサ
吐出圧力の低減
省エネ効果 | 16.0kL/年 |
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削減金額 | 882千円/年 |
設備概要 | コンプレッサ22kW×4 |
キーワード
吐出圧力の低減
内容
吐出圧力は設置時設定のままだが使用設備では0.45MPaまで減圧しているので、管路圧損を考慮して吐出圧力を0.55MPaに下げると省電力ができる提案。
提案2
コンプレッサ
エア漏れ対策
省エネ効果 | 2.9kL/年 |
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削減金額 | 157千円/年 |
設備概要 | コンプレッサ22kW×4 |
キーワード
圧力損失の低減、エア漏れ対策
内容
圧縮空気配管からの漏れは根絶しにくいが、従来にも増した点検や保全強化および器具選定などで漏れ防止を図る提案。
提案3
デマンド管理
最大電力の抑制
省エネ効果 | 最大電力50kW |
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削減金額 | 908千円/年 |
設備概要 | デマンド監視制御装置 |
キーワード
デマンド監視制御装置の活用(日負荷線図の活用を含む)
内容
すでに実施中の他事業所にならい、現状契約電力より低い目標値に設定し、超過が予測される場合は警報が出るので、予め決めてある重用度の低い負荷を遮断して最大電力を抑制する提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案4
コンプレッサ
インバータ制御コンプレッサの導入
省エネ効果 | 49.6kL/年 |
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削減金額 | 2,738千円/年 |
設備投資額 | 4,000千円(回収1.5年) |
設備概要 | コンプレッサ22kW×4 |
キーワード
高効率機への更新
内容
現在22kW4基体制であるが使用量予想から37kWインバータ制御機を導入して22kW2基+37kW1基にすると(22kW2基は予備)、低負荷時の電力消費率(動力比)が改善し省エネできる提案。
提案5
冷却設備
印刷ローラー冷却水2次ポンプの台数制御
省エネ効果 | 14.6kL/年 |
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削減金額 | 842千円/年 |
設備投資額 | 500千円(回収0.6年) |
設備概要 | 2次ポンプ5.5kW×4 |
キーワード
稼働台数の削減
内容
印刷ライン冷却用に2次ポンプ4台があり常時全数運転しているが、季節別時間別に適切な運転台数にするとポンプ電力が削減できる提案。
提案6
冷却設備
印刷ローラー冷却用チラーの台数制御
省エネ効果 | 11.1kL/年 |
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削減金額 | 638千円/年 |
設備投資額 | 500千円(回収0.8年) |
設備概要 | チラー(22+3.5)kW×5 (1基は予備) |
キーワード
稼働台数の削減
内容
冷却用チラー2基があり常時全数運転しているが、季節別時間別に適切な運転台数にするとチラー電力が削減できる提案。
提案7
乾燥炉
燃焼および排気ファンにインバータ導入
省エネ効果 | 6.8kL/年 |
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削減金額 | 391千円/年 |
設備投資額 | 2,000千円(回収5.1年) |
設備概要 | 燃焼ファン5.5kW×4、排気ファン11kW×4(改造対象2) |
キーワード
インバータの導入
内容
燃焼量が増減する際、①燃焼ファンは一定運転、②排気ファンはダンパー操作で対応しているが、いずれもインバータ制御にするとファン電力が削減できる提案。
現状→改善 | 台数 | 投資 (千円) |
効果 (千円/年) |
回収年数 |
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①5.5kW常時運転→hi,lo制御 | 4 | 1,000 | 196 | 5.1 |
②11kWダンパー調整→hi,lo制御 | 2 | 1,000 | 195 | 5.1 |
提案8
工業炉
脱臭炉の熱回収量の管理
省エネ効果 | 305.4kL/年 |
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削減金額 | 2,447千円/年 |
設備投資額 | 1,000千円(回収4.5年) |
設備概要 | 熱回収量1075.5MJ/h |
キーワード
排熱の回収
内容
毎時熱回収量を監視し回収量が減少したら熱交換器の汚れを整備し、性能を維持する提案(効果試算は10%性能低下を防止する前提)。
提案9
生産設備
集塵機の吸引ブロワーにインバータの導入
省エネ効果 | 2.7kL/年 |
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削減金額 | 154千円/年 |
設備投資額 | 700千円(回収4.5年) |
設備概要 | 集塵ブロワ― 15kW×1 |
キーワード
インバータの導入
内容
集塵ブロワー1台で2個所から吸引しているが、1個所停止した場合はインバータにより吸引風量を減らすと電力消費が削減できる提案。
提案10
空調設備、換気設備
換気扇の間欠運転
省エネ効果 | 0.2kL/年 |
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削減金額 | 13千円/年 |
設備投資額 | 24千円(回収1.8年) |
設備概要 | 換気扇70W/台×3 |
キーワード
間欠運転、交互運転
内容
換気扇3台が24時間運転中だが3台を20分ずつローレーションで運転し、過剰な排気と空調負荷を防ぐと省電力できる提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。