Nメッキ様では、省エネ対策として空調設定温度の適正化、不要時消灯やデマンド監視装置の導入等を実施されています。今回、工場棟の省エネを目的に受診されました。診断の結果、スクラバーファンインバータの有効活用、ボイラ蒸気圧の適正化、蒸気配管・バルブの保温等をご提案しました。
内訳 | 電気 (千kWh/年) |
都市ガス (千m3/年) |
灯油 (kL/年) |
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改善前 | 180 | 70 | 6 |
改善後 | 139 | 60.5 |
提案1
生産設備
スクラバー排気ファンインバータの有効活用
省エネ効果 | 7.0kL/年 |
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削減金額 | 545千円/年 |
設備概要 | スクラバー排気ファン(11kW+7.5kW+5.5kW+2.2kW) |
キーワード
ファンの風量絞込み
内容
スクラバー排気ファンにはインバータが導入されているものの送風量100%で運転されている。風量を絞っても運転可能であるためインバータを調整し電力使用量を低減することを提案。(現状インバータ周波数60Hz→改善後インバータ周波数50Hz)
提案2
ボイラ
蒸気ボイラの蒸気圧力適正化
省エネ効果 | 2.4kL/年 |
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削減金額 | 185千円/年 |
設備概要 | 都市ガス焚蒸気ボイラ(2缶で年間70千m3消費) |
キーワード
蒸気圧力の適正化
内容
蒸気は0.80MPa-Gで製造されている。一方、めっき槽の温度は93℃以下で蒸気圧力の引き下げが可能である。ボイラでの製造圧を0.3MPa下げ、都市ガス消費量を低減することを提案。
提案3
デマンド管理
デマンド監視制御装置の活用
省エネ効果 | ― |
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削減金額 | 135千円/年 |
設備概要 | デマンド監視装置 |
キーワード
デマンド監視制御装置の活用(日負荷線図の活用を含む)
内容
デマンド監視装置を活用してピーク電力を監視し、設定値に近づいた場合には予め定めた機器を停止することによりピーク電力を抑制し、契約電力を低減(109kW→99kW)することを提案。
提案4
ボイラ
蒸気ボイラの空気比適正化
省エネ効果 | 0.4kL/年 |
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削減金額 | 33千円/年 |
設備概要 | 都市ガス焚蒸気ボイラ<br /> (排ガス温度218℃、2缶で年間70千m3消費) |
キーワード
空気比の適正化
内容
蒸気ボイラ2缶は空気比1.3で運転されている。空気比を省エネ法判断基準の目標空気比(1.2)まで絞ることで燃料使用量を削減することを提案。
提案5
コンプレッサ
コンプレッサ吐出圧力の低減
省エネ効果 | 0.2kL/年 |
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削減金額 | 17千円/年 |
設備概要 | コンプレッサ(7.5kW×1台) |
キーワード
吐出圧力の低減
内容
1台のコンプレッサが0.83MPa-Gで稼動しているが、用途(水切り、バブリング)から考え高い。コンプレッサの吐出圧を0.1MPa下げ0.73MPa-Gにして、電力消費量を低減することを提案。
提案6
コンプレッサ
エア漏れ対策
省エネ効果 | 0.1kL/年 |
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削減金額 | 8千円/年 |
設備概要 | コンプレッサ(7.5kW×1台) |
キーワード
圧力損失の低減、エア漏れ対策
内容
圧縮空気は0.83MPa-Gと高圧で耐圧ビニールホースを多用している分、漏れが懸念される。そこで、一般的な工場での漏れ率(10%)を適用し、漏れ対策により電力使用量の低減を提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案7
蒸気配管
蒸気配管、バルブの保温
省エネ効果 | 8.2kL/年 |
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削減金額 | 637千円/年 |
設備投資額 | 2,098千円(回収3.3年) |
設備概要 | 配管(25A×13m)、バルブ(25A×65個)、<br /> フランジ(25A×52個) |
キーワード
保温対策
内容
蒸気配管(蒸気圧力は0.73MPa-G)の一部の配管、バルブ、フランジが未保温である。未保温部に30mmの保温を行うことで燃料使用量を削減することを提案。
提案8
照明
高効率照明に更新
省エネ効果 | 2.1kL/年 |
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削減金額 | 166千円/年 |
設備投資額 | 1,956千円(回収11.8年) |
設備概要 | 主照明:FL40W2灯×換算台数80.5台、<br /> 誘導灯:15W C級片面×6台 |
キーワード
高効率照明への更新
内容
下記の現状の照明器具を高効率照明器具に更新し、消費電力を削減することを提案。
①主照明:点灯時間2,295h/年、換算台数80.5台、現状FL40W2灯→改善後LED22W2灯
②誘導灯:点灯時間8,760h/年、C級片面6台、現状15W→改善後LED2.0W
提案9
照明
照明間引き消灯
省エネ効果 | 0.9kL/年 |
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削減金額 | 72千円/年 |
設備投資額 | 30千円(回収0.4年) |
設備概要 | 消灯可能な蛍光灯消費電力1.275kW、<br /> 消灯可能な水銀灯消費電力0.415kW |
キーワード
照明の間引き
内容
各階の工場蛍光灯照明(通路、窓際、施設の上)に個別にプルスイッチを取り付け適宜消灯、また、水銀灯照明は1台間引き消灯し、消費電力を削減することを提案。(年間消灯可能時間2,295h/年、消灯可能な蛍光灯消費電力1.275kW、蛍光灯の消灯実施率90%、消灯可能な水銀灯消費電力0.415kW)
提案10
空調設備
空調室外機の日射遮蔽
省エネ効果 | 0.1kL/年 |
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削減金額 | 10千円/年 |
設備投資額 | 30千円(回収3.0年) |
設備概要 | 空調室外機(合計定格容量9.44kW、10台) |
キーワード
室外機への散水、日射対策、移設
内容
空調室外機が日射による影響を受けやすい場所に設置されている。よしずや農業用シートを室外機放熱面に取付け日射を遮ることを提案。(削減電力割合10%、冷房年間運転時間680時間、負荷率80%)
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。