A鋼板様では、省エネ対策として高効率照明の導入、ポンプ・ファンへのインバータ導入や炉の燃料削減対策等を実施されています。今回、LPG使用量の低減や生産設備以外の省エネを目的に受診されました。診断の結果、乾燥炉の空気比適正化、デマンド監視装置の活用、乾燥炉排気ファンのインバータ化や乾燥炉の給気予熱等をご提案しました。
内訳 | 電気 (千kWh/年) |
LPG (千kg/年) |
A重油 (kL/年) |
灯油 (kL/年) |
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改善前 | 5,100 | 2,900 | 10 | 6.4 |
改善後 | 4,723 | 2,625 |
提案1
乾燥炉
乾燥炉の空気比改善
省エネ効果 | 35.9kL/年 |
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削減金額 | 1,871千円/年 |
設備概要 | 乾燥炉(排ガス温度200℃で年間1,400ton消費) |
キーワード
空気比改善
内容
本乾燥炉の排ガス測定は希釈空気混合後に行われており、燃焼用空気そのものではない。そこで、乾燥炉で一般的な空気比である1.6を本乾燥炉の空気比とし、空気比を1.3まで絞ることで燃料使用量を削減することを提案。
提案2
デマンド管理
デマンド監視制御装置の活用
省エネ効果 | ― |
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削減金額 | 578千円/年 |
設備概要 | デマンド監視装置 |
キーワード
デマンド監視制御装置の活用(日負荷線図の活用を含む)
内容
デマンド監視装置を活用してピーク電力を監視し、設定値に近づいた場合には予め定めた機器を停止することによりピーク電力を抑制し、契約電力を低減(980kW→950kW)することを提案。
提案3
コンプレッサ
コンプレッサ吐出圧力の低減
省エネ効果 | 7.8kL/年 |
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削減金額 | 429千円/年 |
設備概要 | コンプレッサ(22kW×4台) |
キーワード
吐出圧力の低減
内容
4台のコンプレッサが0.69MPa-Gで稼動しているが、最も高い圧力を必要とする需要先でも0.55MPa-Gである。そこで、コンプレッサの吐出圧を0.09MPa下げ0.60MPa-Gにして、電力消費量を低減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案4
乾燥炉
乾燥炉排気ファンのインバータ化
省エネ効果 | 229.6kL/年 |
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削減金額 | 12,279千円/年 |
設備投資額 | 7,000千円(回収0.6年) |
設備概要 | 乾燥炉排気ファン(140kW) |
キーワード
インバータの導入
内容
ダンパ開度を固定し使用中の乾燥炉排気ファンをインバータ化し、①定常操業時の電力(稼働時間1,862h/年、現状動力79%→改善後51%)、②非定常操業時の電力(稼働時間2,794h/年、現状動力79%→改善後22%)、③非定常操業時の燃料(稼働時間2,794h/年、熱効率45%、現状排気損失熱量10,356GJ/年→改善後排気損失熱量7,796GJ/年)を低減することを提案。
提案5
乾燥炉
乾燥炉の給気予熱
省エネ効果 | 155.7kL/年 |
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削減金額 | 8,075千円/年 |
設備投資額 | 3,500千円(回収0.4年) |
設備概要 | 乾燥炉(定格燃焼用空気量215Nm3/min) |
キーワード
排熱の回収
内容
乾燥炉に予熱空気システムを導入することで燃料消費量を低減することを提案。(現状空気温度20℃→改善後予熱空気温度120℃)
提案6
照明
水銀灯をセラミックメタルハライドランプに更新
省エネ効果 | 22.8kL/年 |
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削減金額 | 1,251千円/年 |
設備投資額 | 4,950千円(回収4.0年) |
設備概要 | 水銀灯(400W×110台) |
キーワード
高効率照明への更新
内容
現状の400W水銀灯照明器具110台を同程度のランプ光束を持つ190Wセラミックメタルハライドランプ110台に更新し、消費電力を削減することを提案。
提案7
乾燥炉
乾燥炉の保温改善
省エネ効果 | 5.5kL/年 |
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削減金額 | 287千円/年 |
設備投資額 | 1,260千円(回収4.4年) |
設備概要 | 乾燥炉(炉壁表面積36m2) |
キーワード
保温対策
内容
乾燥炉の保温を強化(+50mm)することで燃料使用量を削減することを提案。
提案8
生産設備
冷却装置排気ファンのインバータ化
省エネ効果 | 2.8kL/年 |
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削減金額 | 155千円/年 |
設備投資額 | 200千円(回収1.3年) |
設備概要 | 冷却装置排気ファン(3.7kW×1台) |
キーワード
インバータの導入
内容
冷却装置の排気ファンは常時ダンパで送風量を50%に絞って運転している。インバータを導入し電力使用量を低減することを提案。
提案9
照明
蛍光灯を高効率Hf型に更新
省エネ効果 | 0.3kL/年 |
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削減金額 | 17千円/年 |
設備投資額 | 48千円(回収2.8年) |
設備概要 | 85W×5台→65W×4台 |
キーワード
高効率照明への更新
内容
従来型40W2灯式蛍光灯照明器具5台を約1.2倍のランプ光束を持つHf32W2灯式蛍光灯照明器具4台に更新し、消費電力を削減することを提案。(現状85W×5台→改善後65W×4台)
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。