A社様では、省エネ対策として空調設定温度の適正化、高効率照明の導入等を実施されております。今回、ダイカストマシンやアルミ溶解炉等の省エネ対策を目的に受診されました。診断の結果、ダイカストマシンの油圧制御装置へのサーボモーター導入、アルミ溶解槽のバーナーを排熱回収型に取り替え、アルミ湯槽の保温対策、デマンド監視装置の導入等を提案しました。
内訳 | 電気 (千kWh/年) |
LPG (千kg/年) |
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改善前 | 1,350 | 280 |
改善後 | 1,103 | 227 |
提案1
空調設備
暖房設定温度の適正化
省エネ効果 | 0.1kL/年 |
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削減金額 | 6千円/年 |
設備概要 | 空調機(8.5kW) |
キーワード
設定温度の適正化
内容
事務所の暖房設定温度は22℃である。暖房設定温度を政府推奨温度の20℃に緩和し、電力消費量を削減することを提案。
提案2
工業炉
アルミ溶解槽の加熱用バーナーの空気比適正化
省エネ効果 | 6.6kL/年 |
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削減金額 | 458千円/年 |
設備概要 | アルミ溶解槽 |
キーワード
空気比改善
内容
燃焼用空気を必要以上に供給すると、排ガス量が増えエネルギー損失が大きくなる。空気量を適正値に下げる事(1.6→1.25)で、燃料消費量を低減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案3
冷却設備
アルミ溶解槽のファン、ポンプの稼働時間短縮
省エネ効果 | 5.3kL/年 |
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削減金額 | 302千円/年 |
設備投資額 | 300千円(回収1.0年) |
設備概要 | ポンプ(3.7kW+2.2kW)、ファン(0.56kW) |
キーワード
非製造時(不要)時・休日の稼働台数削減
内容
ダイカストマシン冷却用の冷却塔ファン、循環ポンプ及び冷却水送水ポンプが、常時連続運転している。ダイカストマシンの稼働時間に合わせてファン・ポンプ類を運転することにより、電力消費量を削減することを提案。
提案4
工業炉
アルミ溶解槽の排熱回収型バーナーの採用
省エネ効果 | 58.8kL/年 |
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削減金額 | 4,105千円/年 |
設備投資額 | 10,000千円(回収2.4年) |
設備概要 | アルミ溶解槽 |
キーワード
排熱の回収
内容
現在、アルミ溶解槽に使用しているバーナーは、排熱回収型バーナーではない。排熱回収型バーナーに取り替えることで、燃料消費量を削減(▲20%)することを提案。
提案5
工業炉
アルミ溶解槽の保温対策
省エネ効果 | 3.7kL/年 |
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削減金額 | 257千円/年 |
設備投資額 | 390千円(回収1.5年) |
設備概要 | アルミ溶融湯槽(外形1.0m、高さ1.5m) |
キーワード
保温対策、熱ロスの低減
内容
次ぎの保温対策により、燃料消費量を低減(▲2,810kg/年)することを提案。
①アルミ溶融湯槽(外形1.0m、高さ1.5m)には蓋が無く、放熱が多い(湯槽表面温度430℃)。アルミ溶解液注ぎ口と柄杓での汲み取り口以外に、蓋(断熱保温)を設置する。
②アルミ溶解槽はLPGの燃焼と電気ヒーターで加熱しているが、LPG燃焼部の側壁温度が部分的に高温(実測値180℃)である。側面の断熱保温対策の強化を行う。
現状→更新案 | 投資 (千円) |
効果 (千円/年) |
回収年数 |
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①アルミ湯槽:上部(解放部)の保温対策 | 240 | 188 | 1.3 |
②アルミ湯槽:側壁(1.0m2)の保温対策 | 150 | 69 | 2.2 |
提案6
生産設備
油圧制御装置へのサーボモーター導入
省エネ効果 | 52.7kL/年 |
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削減金額 | 3,009千円/年 |
設備投資額 | 20,800千円(回収6.9年) |
設備概要 | 駆動モーター(208kW) |
キーワード
その他(ダイカストマシンの油圧制御装置の変更)
内容
ダイカストマシンでは主シリンダによる締付力保持状態のために、定吐出ポンプを作動油補充(リークによる圧力低下防止分)の目的で稼働させるが、作動油のほとんどがリリーフ弁を経由してオイルタンクに戻され、エネルギー損失が生じている。油圧ポンプ駆動用にサーボモータを導入して回転数制御(作業油流量の低減)を行い、電力消費量を低減することを提案。
提案7
照明
高効率照明への交換
省エネ効果 | 2.4kL/年 |
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削減金額 | 139千円/年 |
設備投資額 | 585千円(回収4.2年) |
設備概要 | 水銀灯(745W、12台)<br /> →メタルセラミックランプ(395W、12台) |
キーワード
高効率照明への更新
内容
水銀灯(745W、12台)をメタルセラミックランプ(395W、12台)に交換(安定器を含む)することで、電力消費量を削減することを提案。
提案8
受変電設備
高効率変圧器に更新
省エネ効果 | 4.5kL/年 |
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削減金額 | 171千円/年 |
設備投資額 | 2,681千円(回収15.7年) |
設備概要 | 変圧器(300VA×2台、200VA×1台、50VA×1台、<br /> 30VA×1台) |
キーワード
高効率変圧器への更新
内容
変圧器は1978年に設置されたもので、33年経過しており、老朽化更新の時期にある。トップランナー変圧器への更新することで変圧器の損失を低減し、電力消費量を削減することを提案。
提案9
デマンド管理
デマンド監視装置の導入
省エネ効果 | ― |
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削減金額 | 365千円/年 |
設備投資額 | 400千円(回収1.1年) |
設備概要 | デマンド管理 |
キーワード
デマンド監視制御装置の導入(電気使用量の見える化装置の導入を含む)
内容
デマンド監視装置を導入し、最大需要電力(デマンド)の設定値超過予測警報が発生したときに、事前に定めた優先度の低い負荷を遮断してデマンドを低減することで、契約電力を低減(▲29kW)することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。