S社様では、省エネ対策として、コンプレッサの自動制御装置やデマンド監視装置の導入などを実施されています。今回、高効率型の空調や照明の導入、成形機シリンダの保温対策等を目的に受診されました。診断の結果、高効率パッケージ形空調機への更新、高効率照明への更新、成形機の保温対策、高効率コンプレッサの導入等をご提案しました。
内訳 | 電気 (千kWh/年) |
LPG (千kg/年) |
灯油 (kL/年) |
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改善前 | 3,360 | 0.3 | 68 |
改善後 | 3.096 | 0.3 | 68 |
提案1
コンプレッサ
エア漏れ対策
省エネ効果 | 6.7kL/年 |
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削減金額 | 366千円/年 |
設備概要 | コンプレッサ(4台、75kW×2台、55kW、37kW) |
キーワード
圧力損失の低減、エア漏れ対策
内容
配管のエア漏れによるコンプレッサ動力損失は意外と大きい。エア漏れ量の確認、配管の点検及びエア漏れ箇所の対策により、電力消費量を低減することを提案。
提案2
受変電設備
変圧器の統合
省エネ効果 | 1.5kL/年 |
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削減金額 | 80千円/年 |
設備概要 | 変圧器(3φ150kVA、3φ500kVA→3φ500kVAに統合) |
キーワード
変圧器の統合
内容
①第4動力用150kVA変圧器と②第5動力用500kVA変圧器の負荷率が低い。①変圧器の負荷を②変圧器に移設して①不使用とし、②変圧器1台の運用とすることで無負荷損失を削減し、電力消費量を低減することを提案。
提案3
デマンド管理
デマンド監視装置活用による最大電力の低減
省エネ効果 | ― |
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削減金額 | 1,816千円/年 |
設備概要 | デマンド監視装置 |
キーワード
デマンド監視制御装置の活用(日負荷線図の活用を含む)
内容
デマンド監視装置で最大電力の変化を監視し、設定値に近づいた場合には予め定めた機器の運転を停止することにより最大需用電力を抑制(1,000→900kW)することを提案。
提案4
その他
省エネ型自動販売機への更新
省エネ効果 | 1.5kL/年 |
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削減金額 | 85千円/年 |
設備概要 | 自販機 |
キーワード
省エネ自動販売機の導入
内容
飲料用自動販売機が8台あるが、いずれも旧式タイプである。最新の省エネ型自販機へ取り替えることで、電力消費量を削減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案5
空調設備
室外機コイルの薬品洗浄
省エネ効果 | 4.1kL/年 |
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削減金額 | 227千円/年 |
設備投資額 | 390千円(回収1.7年) |
設備概要 | 空調機(26台、冷房能力578kW、消費電力214kW) |
キーワード
空調換気設備の清掃(熱交換器、フィルタ等)
内容
空調室外機のコイルは長年の使用で空気中の埃や車の排ガスなどで汚れ、コイル表面の熱伝達率が低下している。定期的な薬品洗浄により、電力消費量を低減(5%減)することを提案。
提案6
空調設備
シーリングファンの設置
省エネ効果 | 3.7kL/年 |
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削減金額 | 203千円/年 |
設備投資額 | 1,200千円(回収5.9年) |
設備概要 | 空調機(8台、冷房能力232kW、消費電力87kW)、<br /> ファン(0.15kW/台×8台) |
キーワード
その他(シーリングファンの設置)
内容
モールド工場は天井高が10mほどあり、室内の上下温度差が大きい。天井にシーリングファンの設置して工場内温度の均等化を行い、エネルギー消費量を低減することを提案。
提案7
コンプレッサ
インバータ制御スクリューコンプレッサの導入
省エネ効果 | 31.2kL/年 |
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削減金額 | 1,711千円/年 |
設備投資額 | 4,800千円(回収2.8年) |
設備概要 | コンプレッサ(4台、75kW×2台、55kW、37kW) |
キーワード
インバータの導入
内容
従来型では圧縮空気量が減少し吐出圧力が上昇すると吸込弁を絞って圧力を制御するため、部分負荷時のエネルギー消費量が大きい。かつ、導入後17年経過し、効率が悪い。流量に応じて吐出圧力を一定に保つよう回転数を制御するインバータ制御スクリューコンプレッサを導入し、電力消費量を低減(8.6%減)することを提案。
提案8
換気設備
換気扇の温度制御導入
省エネ効果 | 1.8kL/年 |
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削減金額 | 99千円/年 |
設備投資額 | 100千円(回収1.0年) |
設備概要 | 換気扇(0.4kW×3台) |
キーワード
運転時間の短縮(待機時)
内容
コンプレッサ室は、室内の発熱による温度上昇抑制のため換気扇3台が連続運転している。サーモスタットによる換気扇の運転停止を行い、電力消費量を低減することを提案。
提案9
生産設備
射出成形機のヒーター部外壁の保温対策
省エネ効果 | 6.3kL/年 |
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削減金額 | 343千円/年 |
設備投資額 | 286千円(回収0.8年) |
設備概要 | 射出成形機(ヒーター部外壁表面80~100℃、表面積0.17m2) |
キーワード
保温対策
内容
射出成形機のヒーター部外壁表面から、熱放散によるエネルギー損失が生じている。ヒーター部外壁表面の保温対策により、電力消費量を低減することを提案。
提案10
照明
高効率照明への交換
省エネ効果 | 11.3kL/年 |
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削減金額 | 615千円/年 |
設備投資額 | 1,737千円(回収2.8年) |
設備概要 | 水銀灯45台、FLR蛍光灯118台→セラメタHランプ、<br /> Hf蛍光灯 |
キーワード
高効率照明への更新
内容
現状→更新案 | 台数 | 投資 (千円) |
効果 (千円/年) |
回収年数 |
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水銀灯(400W/台)→セラメタHランプ(273W/台) | 45 | 675 | 540 | 1.3 |
FLR蛍光灯(85W/台)→Hf蛍光灯(65W/台) | 118 | 1,062 | 75 | 14.2 |
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。