S社様では、省エネ対策として力率改善、デマンド監視装置によるピーク電力抑制等を実施されています。今回、インバータの導入や省エネ全般のアドバイス等を目的に受診されました。診断の結果、乾燥機用給気ファンへのインバータ導入、冷却水槽の移設とポンプ容量の適正化、排水処理用散気装置の改善や曝気ブロワーへのインバータ導入等をご提案しました。
内訳 | 電気 (千kWh/年) |
LPG (千kg/年) |
灯油 (kL/年) |
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改善前 | 4,200 | 470 | 1 |
改善後 | 3,934 | 466 | 1 |
提案1
ボイラ
蒸気圧力の適正化
省エネ効果 | 2.7kL/年 |
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削減金額 | 186千円/年 |
設備概要 | ボイラ4台、出口圧力(0.7→0.5MPa) |
キーワード
蒸気圧力の適正化
内容
蒸気ボイラ出口圧力が、使用圧力よりも高く余裕がある。蒸気ボイラ出口圧力を負荷に支障のない圧力まで下げることで、燃料消費量を低減することを提案。
提案2
コンプレッサ
吐出圧力の低減
省エネ効果 | 2.8kL/年 |
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削減金額 | 173千円/年 |
設備概要 | コンプレッサ(15kW) |
キーワード
吐出圧力の低減
内容
コンプレッサ吐出圧力が、使用圧力よりも高い。コンプレッサ吐出圧力を負荷に支障のない圧力まで下げる(0.70→0.50MPa)ことで、電力消費量を低減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案3
ボイラ
蒸気弁等の保温対策
省エネ効果 | 4.0kL/年 |
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削減金額 | 274千円/年 |
設備投資額 | 300千円(回収1.1年) |
設備概要 | フランジ型玉形弁(100A×2個、80A×1個、50A×6個)、<br /> 減圧弁(50A×4個) |
キーワード
保温対策
内容
ボイラ及び主ヘッダー部蒸気弁等から、熱放散が生じている。当該部分に保温対策を行い、燃料消費量を低減することを提案。
提案4
コンプレッサ
吸気温度の低減
省エネ効果 | 1.3kL/年 |
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削減金額 | 78千円/年 |
設備投資額 | 300千円(回収3.8年) |
設備概要 | コンプレッサ(15kW) |
キーワード
吸気温度の低減
内容
コンプレッサの設置場所が乾燥機上部の天井近辺であるため、周囲温度の高い空気を吸入しコンプレッサの効率が悪化している。給気ダクトを設けて外気を直接吸入することで、電力消費量を低減することを提案。
提案5
給排水
冷却水用水槽の移設、補助ポンプ容量の適正化
省エネ効果 | 30.3kL/年 |
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削減金額 | 1,889千円/年 |
設備投資額 | 5,300千円(回収2.8年) |
設備概要 | ポンプ(37kW×3台=111kW→90kW) |
キーワード
その他(水槽の移設、ポンプ容量の適正化)
内容
井戸ポンプで高架水槽に貯水した後、補助ポンプ(流量の安定供給用に増設)を介して製造設備に冷却水を供給している。補助ポンプの増設により、水槽を高所に設置する必要がない。水槽を地上に移設することで、深井戸ポンプの電力消費量を低減することを提案。
現状→更新案 | 投資 (千円) |
効果 (千円/年) |
回収年数 |
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①冷却水槽の移設:深井戸ポンプ(37kW×3台=111kW→90kW) | 4,600 | 1,203 | 3.8 |
②ポンプ容量の適正化:補助ポンプ(15→5.5kW) | 700 | 686 | 1.0 |
提案6
排水処理
高効率型散気装置への交換、曝気ブロワーへのインバータ導入
省エネ効果 | 10.0kL/年 |
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削減金額 | 619千円/年 |
設備投資額 | 1,525千円(回収2.5年) |
設備概要 | 曝気ブロワー(18.5→8.5kW) |
キーワード
インバータの導入 その他(高効率型散気装置への交換)
内容
排水処理設備汚泥槽(A)は、パイプに穴をあけた酸素溶解効率の悪い散気装置を使用している。効率の良い散気装置への交換と曝気ブロワーへのインバータ導入により、電力消費量を低減することを提案。
提案7
乾燥炉
乾燥機の給気ファンへのインバータ導入
省エネ効果 | 24.4kL/年 |
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削減金額 | 1,516千円/年 |
設備投資額 | 1,500千円(回収1.0年) |
設備概要 | 給気ファン(30→9kW) |
キーワード
インバータの導入
内容
乾燥機の給気ファンは、給気ダクトダンパ60%開度で運転している。ダンパを100%開度とし、インバータを導入して適正風量で運転することで、電力消費量を低減することを提案。
提案8
乾燥炉
乾燥機の蒸気弁の保温対策
省エネ効果 | 3.9kL/年 |
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削減金額 | 267千円/年 |
設備投資額 | 240千円(回収0.9年) |
設備概要 | フランジ型玉形弁(80A×6個)、減圧弁(80A×2個)、<br /> コントロール弁(80A×6個) |
キーワード
保温対策、熱ロスの低減
内容
乾燥機(1号機及び3号機)の蒸気弁等から、熱放散が生じている。当該部分に保温対策を行い、燃料消費量を低減することを提案。
提案9
照明
点灯の早い高効率照明への交換
省エネ効果 | 0.4kL/年 |
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削減金額 | 22千円/年 |
設備投資額 | 20千円(回収0.9年) |
設備概要 | HID照明(313W)→蛍光灯(32W×2本) |
キーワード
高効率照明への更新
内容
Cパルパーは非常駐であり、巡回点検時等のみ照明を必要とする。HID照明のためスイッチON後に5分経過しないと規定照度に達しないことから、常時点灯としている。スイッチオンと同時にほぼ規定照度に達する蛍光灯器具(ダウンライト)に変更し、巡回点検時等のみ点灯することにより、電力消費量を低減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。