Aきのこ園様では、省エネ対策として高圧殺菌釜の導入によるボイラ燃料の削減、エア配管のループ化や配管サイズアップ等を実施されています。今回、高圧殺菌釜の保温対策や空調機の更新等を目的に受診されました。診断の結果、高圧殺菌釜の蓋フランジ部への遮熱塗料塗布や、高効率エアコンへの更新、ノズル噴霧式加湿器の超音波式加湿器への更新等をご提案しました。
内訳 | 電気 (千kWh/年) |
A重油 (kL/年) |
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改善前 | 1,700 | 140 |
改善後 | 1,404 | 128 |
提案1
空調設備
設定温度の適正化
省エネ効果 | 1.1kL/年 |
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削減金額 | 66千円/年 |
設備概要 | 空調機(4台、計18.6kW) |
キーワード
設定温度の適正化
内容
包装工程のエアコン設定温度は年間23℃となっている。包装作業に支障のない温度まで設定温度を緩和する。今回、夏季及び冬季の設定温度をそれぞれ2℃緩和することにより、電力消費量を削減することを提案。
提案2
ボイラ
運転台数の削減
省エネ効果 | 2.8kL/年 |
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削減金額 | 181千円/年 |
設備概要 | 温水ボイラ2台(熱出力233kW、116kW) |
キーワード
運転台数の削減
内容
温水ボイラ2缶を工程ごとに同時運転されているが、負荷率(燃焼時間率)が非常に低い。低負荷で運転すると、起動・停止に伴う頻繁な炉内パージにより排ガス損失が増大し、ボイラ効率が大幅に低下する。1缶運転への変更より燃料使用量を軽減することを提案。
提案3
コンプレッサ
吐出圧の低減
省エネ効果 | 11.3kL/年 |
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削減金額 | 665千円/年 |
設備概要 | コンプレッサ(8台、計63.5kW) |
キーワード
吐出圧力の低減
内容
現状、生産機械及び加湿器用の空気源として、ベビコン8台を設置しているが、必要圧力(0.5MPa)に対し吐出圧力が高いので低減(0.8MPa→0.6MPa)することにより、電力消費量を軽減することを提案。
提案4
コンプレッサ
エア漏れ対策
省エネ効果 | 6.3kL/年 |
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削減金額 | 375千円/年 |
設備概要 | コンプレッサ(8台、計63.5kW) |
キーワード
圧力損失の低減、エア漏れ対策
内容
エア配管の漏れは検地しにくかったり、漏れ量が分かりにくいがコンプレッサ動力の損失が意外に大きい。エア配管の漏れ対策により、コンプレッサの電力消費量を低減することを提案。(一般的な値として10%の漏れを想定して試算)
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案5
空調設備
高効率エアコンへの更新
省エネ効果 | 12.3kL/年 |
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削減金額 | 762千円/年 |
設備投資額 | 12,000千円(回収15.7年) |
設備概要 | 冷専エアコン(冷房時COP2.4、7.6冷凍t/台×6台)、<br /> ボイラ燃料(7kL/冬季) <br /> →冷暖房エアコン(冷房時COP3.6、暖房時COP2.8) |
キーワード
高効率空調機への更新
内容
C棟培養室の空調用として、冷専エアコンが設置されているが、設置後20年~30年経過し老朽化が進行している。高効率の冷暖兼用インバータエアコンに更新することで電力消費量削減と、冬季の暖房用温水ボイラ停止による燃料使用量削減を提案。
提案6
空調設備
室外機への散水による空調機負荷軽減
省エネ効果 | 1.2kL/年 |
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削減金額 | 181千円/年 |
設備投資額 | 1,000千円(回収5.5年) |
設備概要 | 建屋の屋根(756m2) |
キーワード
室外機への散水、日射対策、移設
内容
事務所棟及び包装建屋の屋根は折板構造となっている。屋根面への井水の散水により、夏季の消費電力量及び最大電力(契約電力)を軽減することを提案。
提案7
冷凍冷蔵設備
外気侵入防止対策
省エネ効果 | 1.4kL/年 |
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削減金額 | 84千円/年 |
設備投資額 | 320千円(回収3.8年) |
設備概要 | 冷蔵庫の入口4箇所(幅1m、高さ1.8m)、<br /> 入口開放時間(1時間/日) |
キーワード
その他(エアカーテンの設置)
内容
包装工程の冷蔵庫で製品を貯蔵(庫内温度5℃)しているが、搬出入作業中は入口扉からの外気進入により冷蔵庫用空調機の負荷が増加している。扉部へのエアカーテン設置により空調機負荷を軽減し、電力消費量を削減することを提案。
提案8
蒸気配管
保温対策
省エネ効果 | 2.0kL/年 |
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削減金額 | 127千円/年 |
設備投資額 | 390千円(回収3.1年) |
設備概要 | フランジ(40A×30個)、フランジ型玉形弁(40A×20個) |
キーワード
保温対策
内容
蒸気配管のバルブ類の保温を行い、ボイラの燃料使用量を軽減することを提案。なお、保温カバーは既製品(脱着式)を購入し取付ける。
提案9
生産設備
高圧殺菌釜の蓋フランジ部の断熱塗装による保温対策
省エネ効果 | 0.5kL/年 |
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削減金額 | 32千円/年 |
設備投資額 | 48千円(回収1.5年) |
設備概要 | 高圧殺菌釜2台(蓋2箇所/台)、塗装面積1.2m2×2台×2箇所 |
キーワード
保温対策
内容
高圧殺菌釜の蓋フランジ部は、処理品の搬出入による開閉のため保温されていない。当該部に断熱塗装を行うことで放散熱量を軽減し、燃料消費量を低減することを提案。
提案10
コンプレッサ
ノズル噴霧式加湿器を超音波式加湿器に更新
省エネ効果 | 49.6kL/年 |
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削減金額 | 3,214千円/年 |
設備投資額 | 16,000千円(回収5.0年) |
設備概要 | ノズル噴霧式加湿器(ノズル77台)→超音波式加湿器(100台) |
キーワード
高効率機への更新
内容
現状、培養・芽出し・発生工程などの加湿用に、圧縮空気によるノズル噴霧式加湿器を使用している。超音波式加湿器を導入しコンプレッサの消費電力を削減(48kW→19kW)することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。