K社様では生産設備や空調・コンプレッサなどで的確な運用管理が行われ、省エネに積極的に取り組まれています。今回さらなる省エネ活動の強化を目指し、省エネ診断を受診されました。診断の結果、殺菌用蒸気の排熱回収、蒸気配管へのレシーバタンク設置による圧力変動低減と吐出圧力低減、集塵機ファンのインバータ化、冷蔵庫内水銀灯のLED化とドア開閉に連動した点灯等をご提案しました。
内訳 | 電気 (千kWh/年) |
自家発電 (千kWh/年) |
A重油 (kL/年) |
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改善前 | 1,100 | 260 | 950 |
改善後 | 914 | 0 | 886 |
提案1
ボイラ
空気比の適正化
省エネ効果 | 2.2kL/年 |
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削減金額 | 72千円/年 |
設備概要 | ボイラ(燃料消費量235kL/年) |
キーワード
空気比の適正化
内容
燃焼用空気の空気比を適正値(1.5→1.4)にする事で、燃料使用量を削減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案2
空調設備
中温用空調機の更新と、空調方式の統一
省エネ効果 | 6.5kL/年 |
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削減金額 | 489千円/年 |
設備投資額 | 13,300千円(回収27.2年) |
設備概要 | 中温用空調機(19kW×10台):COP3.45→4.30 |
キーワード
高効率空調機への更新
内容
冷蔵庫の空調機では、室内機の結露による水滴垂れ、更新時期が近いなどの課題がある。このため、高効率の中温空調機に更新することで電力使用量を削減するとともに、室内機を床置タイプに変更して結露による水漏れ防止等の設備改善を行うこと等を提案。
提案3
ボイラ
殺菌用蒸気の排熱回収
省エネ効果 | 59.2kL/年 |
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削減金額 | 1,900千円/年 |
設備投資額 | 10,000千円(回収5.3年) |
設備概要 | 乾燥工程用の燃料消費量(A重油、約120kL/年) |
キーワード
蒸気ドレンの回収、排熱利用
内容
殺菌用コンディショナーで使用した蒸気は排気され、一方では乾燥冷却機では空気を150℃まで加熱し熱風乾燥している。そこで、乾燥冷却機に熱交換器を設置し、殺菌で使用した蒸気排気と乾燥用空気で熱交換することで、乾燥用蒸気のための燃料消費量を半減することを提案。
提案4
蒸気配管
蒸気配管・バルブの保温対策
省エネ効果 | 2.9kL/年 |
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削減金額 | 93千円/年 |
設備投資額 | 200千円(回収2.2年) |
設備概要 | フランジ型125A×6台、配管50A×1m×5ヵ所 |
キーワード
保温対策
内容
蒸気配管、バルブを保温することで、熱放散を防止し、燃料消費量を削減することを提案。
提案5
コンプレッサ
レシーバタンク設置による圧力変動低減と吐出圧力低減
省エネ効果 | 4.4kL/年 |
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削減金額 | 335千円/年 |
設備投資額 | 500千円(回収1.5年) |
設備概要 | コンプレッサ(4台の合計77.6kW) |
キーワード
吐出圧力の低減
内容
エア使用機器は低圧(0.4MPa程度)で使用可能。レシーバタンク設置により圧力変動を低減し、吐出圧力を0.2MPa低減(0.8→0.6MPa)することで、電力使用量を削減することを提案。
提案6
コンプレッサ
エア漏れ対策
省エネ効果 | 3.4kL/年 |
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削減金額 | 261千円/年 |
設備投資額 | 100千円(回収0.4年) |
設備概要 | コンプレッサ(4台の合計77.6kW) |
キーワード
圧力損失の低減、エア漏れ対策
内容
エア漏れ調査を行い、損失ロスを低減することで、電力使用量を削減することを提案。
提案7
生産設備
集塵機のファンへのインバータ導入
省エネ効果 | 16.1kL/年 |
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削減金額 | 1,221千円/年 |
設備投資額 | 3,300千円(回収2.7年) |
設備概要 | 集塵機(22kW×2台、37kW×1台) |
キーワード
インバータの導入
内容
集塵機8台のうち、3台に対してダンパによる風量制御をインバータ制御に変更し、残り5台はダンパーの開度100%とすることで、電力消費量を低減することを提案。
提案8
照明
水銀灯のLED化、およびドア開閉に連動した点灯
省エネ効果 | 7.1kL/年 |
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削減金額 | 540千円/年 |
設備投資額 | 2,560千円(回収4.7年) |
設備概要 | 水銀灯30台(400W+安定器15W)→LED照明(77W) |
キーワード
高効率照明への更新
内容
冷蔵庫内で常時点灯している水銀灯16台をLED照明に更新し、さらに入口ドアの開閉と連動してON・OFF制御を行う。また工場内の水銀灯14台をLEDに更新することにより、電力使用量を削減することを提案。
提案9
受変電設備
力率改善
削減金額 | 195千円/年 |
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設備投資額 | 800千円(回収4.1年) |
設備概要 | デマンド(契約電力438kW) |
キーワード
力率改善
内容
高圧側に力率改善用コンデンサを増設し、力率を97%から100%とすることで、電力料金を削減することを提案。
提案10
その他
太陽光発電の導入
省エネ効果 | 10.3kL/年 |
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削減金額 | 1,680千円/年 |
設備投資額 | 20,000千円(回収11.9年) |
設備概要 | 太陽光発電<br /> (屋根面積400m2、最大40kW、年間発電量40,000kWh) |
キーワード
太陽光発電の導入
内容
冷蔵庫屋根へ太陽光発電を導入し、コスト削減と冷蔵庫断熱の強化を図ることを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。