H社様では、省エネ対策として不要な空調の停止や、デマンド監視装置によるピーク電力抑制等を実施されています。今回、ボイラや冷凍機・排水処理設備等の省エネを目的に受診されました。診断の結果、ボイラの空気比の適正化や運転台数削減、凍結庫等の設定温度の適正化、排水処理用曝気槽への高効率散気ノズル採用等をご提案しました。
内訳 | 電気 (千kWh/年) |
LPG (千kg/年) |
A重油 (kL/年) |
---|---|---|---|
改善前 | 1,340 | 1.7 | 140 |
改善後 | 1,253 | 1.7 | 116 |
提案1
空調設備
冬季以外で、クランクケースヒーターの電源OFF
省エネ効果 | 0.2kL/年 |
---|---|
削減金額 | 12千円/年 |
設備概要 | エアコン5台のヒーター電力(25W×4台、40W×1台) |
キーワード
間欠運転、交互運転
内容
エアコンの室外機の電源は年間投入されている。室外機の圧縮機にはクランクケースヒーターがあり常時電力を消費しているため、不要期間(30日×8ヶ月×24h)は電源を切り節電を図ることを提案。
提案2
ボイラ
空気比の適正化
省エネ効果 | 8.1kL/年 |
---|---|
削減金額 | 498千円/年 |
設備概要 | 炉筒焔管ボイラ(1.5t/h×2台) |
キーワード
空気比の適正化
内容
燃焼用空気を必要以上に供給すると、排ガス量が増えるのでエネルギー損失も大きくなる。現状の空気比2.3を1.3に下げることにより、燃料消費量を低減することを提案。
提案3
ボイラ
運転台数削減
省エネ効果 | 6.8kL/年 |
---|---|
削減金額 | 419千円/年 |
設備概要 | 炉筒焔管ボイラ(1.5t/h×2台) |
キーワード
運転台数の削減
内容
常時2台のボイラが運転されているがボイラ能力が過大であり、バ-ナーを当初の1/2の能力のものに変更するなど対策を講じているものの、依然ボイラの負荷率は低く効率低下の原因の一つとなっている。期間交互運転(例えば10日毎)で常時1台運転とし、燃料消費量の低減を図ることを提案。
提案4
冷凍冷蔵設備
凍結庫、冷凍庫の設定温度の緩和
省エネ効果 | 4.5kL/年 |
---|---|
削減金額 | 258千円/年 |
設備概要 | 凍結庫(55kW)、冷凍庫(18.5kW) |
キーワード
設定温度の適正化
内容
凍結庫の設定温度は常時-36℃、冷凍庫の設定温度は常時-18℃であるが、庫内での作業頻度の少ない平日の夜間及び休日は、設定温度の緩和が可能。現在より5℃緩和することで、燃料消費量を低減することを提案。
現状→更新案 | 効果 (千円/年) |
---|---|
凍結庫(-40℃系):-36℃→-31℃ | 184 |
冷凍庫(-20℃系):-18℃→-13℃ | 74 |
提案5
デマンド管理
デマンド監視制御装置の活用による契約電力の低減
削減金額 | 411千円/年 |
---|---|
回収 | 契約電力(362kW→330kW) |
設備概要 | 受変電設備 |
キーワード
デマンド監視制御装置の活用(日負荷線図の活用を含む)
内容
デマンド監視装置を活用し、契約電力低減(362→330kW)し基本料金の削減を図ることを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案6
冷凍冷蔵設備
配管・バルブ類の保温対策
省エネ効果 | 1.7kL/年 |
---|---|
削減金額 | 102千円/年 |
設備投資額 | 150千円(回収1.5年) |
設備概要 | バルブ(65A×3個)、フランジ(65A×6個) |
キーワード
保温対策
内容
配管・バルブ類の一部が保温対策未実施。保温対策により、燃料消費量を削減することを提案。
提案7
ボイラ
蒸気配管・バルブの保温対策追加
省エネ効果 | 7.1kL/年 |
---|---|
削減金額 | 436千円/年 |
設備投資額 | 620千円(回収1.4年) |
設備概要 | バルブ(65A×8個、50A×8個)、<br /> フランジ(65A×16個、50A×8個)等 |
キーワード
保温対策
内容
ボイラ側ヘッダーとストレージタンクのバルブ類の保温対策がされていない。保温対策により、燃料消費量を削減することを提案。
提案8
排水処理
曝気槽に高効率散気ノズルを採用
省エネ効果 | 17.3kL/年 |
---|---|
削減金額 | 1,008千円/年 |
設備投資額 | 3,000千円(回収3.0年) |
設備概要 | 曝気用ブロワー(7.5kW×2台) |
キーワード
その他(高効率散気ノズルの採用)
内容
現状のノズルは酸素溶解効率が10%以下と低い。処理能力を上げるためブロワー2台のうち1台をインバータ化し、60Hzで運転している。高効率散気ノズルの採用(酸素溶解効率が3倍以上)により、風量を1/2以下に低減し電力消費量を削減することを提案。
提案9
生産設備
洗浄室の温水槽の保温対策
省エネ効果 | 0.4kL/年 |
---|---|
削減金額 | 26千円/年 |
設備投資額 | 100千円(回収3.8年) |
設備概要 | 温水槽(L1.9m×W0.9m×H0.45m) |
キーワード
保温対策
内容
洗浄室の温水槽が保温対策されていない。保温対策により、燃料消費量を削減することを提案。
提案10
照明
高効率照明への更新
省エネ効果 | 0.4kL/年 |
---|---|
削減金額 | 23千円/年 |
設備投資額 | 45千円(回収2.0年) |
設備概要 | 水銀灯6台→演色改善型Naランプ |
キーワード
高効率照明への更新
内容
外灯に使用されている水銀灯(275W)6台を、消費電力が少ない演色改善形ナトリウムランプ(210W)に更新することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。