M社様は、平成19年に空調システムの大幅な改修が行われ、空調の設定温度や照明などについて積極的な省エネ対策に取り組まれています。今回はさらなる省エネ推進を目的に、診断を受診されました。診断の結果、始業前の空調立上げ時間の短縮、駐車場排気ファンの間欠運転、タスクアンビエント照明の導入、変圧器の高効率化と統合などをご提案しました。
提案1
空調設備
始業前の空調立上げ時間の短縮
省エネ効果 | 18.8kL/年 |
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削減金額 | 1,361千円/年 |
設備概要 | 空調機(20台、計316kW)、全熱交換器(16台、計8.8kW) |
キーワード
運転時間の短縮(待機時)
内容
現在、午前8時半の始業時間に対し3時間前の午前5時半に空調設備を起動している。この空調機の起動を始業の1時間前の午前7時半にすることを提案。
提案2
空調設備
外気導入量の低減
省エネ効果 | 0.9kL/年 |
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削減金額 | 63千円/年 |
設備概要 | 空調機(20台、316kW) |
キーワード
外気導入量・換気量の適正化
内容
夏期は室温に比べて温度の高い外気を、冬期は温度の低い外気を大量に取り込んでいる。室内の二酸化炭素濃度が建築物環境衛生基準1,000ppmを超えない程度まで外気導入削減をすることにより、節電を図ることを提案。
提案3
その他
非就業時のエレベータの間引き運転強化
省エネ効果 | 0.4kL/年 |
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削減金額 | 27千円/年 |
設備概要 | エレベータ(13kW×1、15kW×1台) |
キーワード
エレベータの間引き運転
内容
2基あるエレベータは休日に1基停止しているが、さらに夜間も一基停止することを提案。
提案4
OA・事務機器
パソコンの節電管理の徹底
省エネ効果 | 3.1kL/年 |
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削減金額 | 223千円/年 |
設備概要 | デスクトップPC(34W×80台)、ノートPC(40W×340台) |
キーワード
節電モード設定(待機電力の削減) 離籍時(帰宅時)の電源遮断
内容
パソコンのスリープモード設定、離席時のモニター電源OFF、帰宅時のコンセント電源からの切り離し等、節電管理の徹底を行うことを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案5
換気設備
駐車場排気ファンの間欠運転
省エネ効果 | 5.7kL/年 |
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削減金額 | 414千円/年 |
設備投資額 | 200千円(回収0.5年) |
設備概要 | 排気ファン(11kW×1台) |
キーワード
間欠運転、交互運転
内容
駐車場の排気ファンは6:00~21:00の連続運転を行っているが、時間帯によって車の出入りは変動する。朝夕の2時間は連続運転、車の出入りが少ない時間帯は30分毎の間欠運転とすることを提案。
提案6
照明
タスクアンビエント照明の導入
省エネ効果 | 14.1kL/年 |
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削減金額 | 1,019千円/年 |
設備投資額 | 5,040千円(回収4.9年) |
設備概要 | LEDスタンド(7.3W×420台) |
キーワード
タスクアンビエント照明の導入
内容
現在、各フロアーの照明はキャノピースイッチ付きのHf蛍光灯であるが、この点灯率を10%とし、各デスクにLED照明スタンドを設置するタスクアンビエント照明を提案。
(注)タスク・アンビエント照明:「アンビエント(周囲環境)照明」として控え目の照度で室内全体を照明し、「タスク(作業)照明」として局部的に作業面を明るく照明する方式。
提案7
照明
共用部照明の高効率化
省エネ効果 | 4.5kL/年 |
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削減金額 | 327千円/年 |
設備投資額 | 1,599千円(回収4.9年) |
設備概要 | 蛍光灯(89台)、ダウンライト蛍光灯(112台)<br /> →照度補正付Hf蛍光灯、LED灯 |
キーワード
高効率照明への更新
内容
現状 | 更新案 | 台数 | 投資 (千円) |
効果 (千円/年) |
回収年数 |
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共用部の蛍光灯FL40W | 初期照度補正付き Hf蛍光灯32W |
89 | 703 | 147 | 4.8 |
蛍光灯ダウンライト32W | LED照明5W | 112 | 896 | 180 | 5.0 |
提案8
受変電設備
変圧器の高効率化と統合
省エネ効果 | 3.8kL/年 |
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削減金額 | 276千円/年 |
設備投資額 | 1,840千円(回収6.7年) |
設備概要 | 変圧器(3φ200kVA2台→3φ50kVA)、<br /> (1φ75kVA,100kVA→1φ100kVA) |
キーワード
変圧器の統合 高効率変圧器への更新
内容
動力用変圧器(200kVA×2台)の負荷率が低いため、高効率の1台(50kVA)に更新して統合する。電灯コンセント用変圧器2台(75kVA,100kVA)についても、高効率の1台(100kVA)に更新することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。