M社様では、エネルギー管理のアドバイス、コンプレッサ・排風機の電力消費量削減などのご希望があり、省エネ診断を受診されました。診断の結果、非生産時のエアナイフ停止、コンプレッサ吐出圧力の低減、建屋の過剰な排気量の低減、メッキ槽及び湯洗槽の保温強化、照明の間引きなどをご提案しました。
内訳 | 電気 (千kWh/年) |
LPG (千kg/年) |
灯油 (kL/年) |
A重油 (kL/年) |
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改善前 | 750 | 400 | 1 | 110 |
改善後 | 649 | 400 | 1 | 107 |
提案1
コンプレッサ
非生産時のエアナイフ停止
省エネ効果 | 16.8kL/年 |
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削減金額 | 1,052千円/年 |
設備概要 | コンプレッサ(37kW) |
キーワード
不要設備の停止
内容
2ラインで、鍍金製品の洗浄水水切り(エアナイフ)用に圧縮空気を使用している。エアナイフ部での圧縮空気の使用は、製品が流れているラインのみとし、製品の流れの無いラインは停止することを提案。
提案2
コンプレッサ
吐出圧力の低減
省エネ効果 | 1.7kL/年 |
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削減金額 | 108千円/年 |
設備概要 | コンプレッサ(37kW) |
キーワード
吐出圧力の低減
内容
コンプレッサの吐出圧力は、0.7MPaに設定されている。圧縮空気の使用先はシリンダー駆動用および鍍金後製品の洗浄水の水切り用であり、現状の吐出圧力は高い。そのため、吐出圧力設定を0.65MPaまで下げることにより、コンプレッサの電力消費量を削減することを提案。
提案3
生産設備
整流器の待機電力の削減
省エネ効果 | 1.4kL/年 |
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削減金額 | 91千円/年 |
設備概要 | 整流器(全消費電力752千kWh/年の15%、うち待機電力5%) |
キーワード
待機電力の削減
内容
非作業時に整流器電源を遮断しても支障は生じないため、工場の作業終了後は電源を遮断し、待機電力を削減することを提案。
提案4
換気設備
建屋の過剰な排気量の低減
省エネ効果 | 1.2kL/年 |
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削減金額 | 73千円/年 |
設備概要 | 排気ファン(3.7kW) |
キーワード
インバータの導入
内容
建屋の排気ファンはインバータ制御されており、現状の運転周波数は60Hzである。排気ファンは工場内臭気の低減を目的に設置されているが、診断時は工場内臭気をほとんど感じなかった。排気ファンのインバータ制御運転周波数を下げて排気量を低減し、電力消費量を削減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案5
生産設備
メッキ槽、湯洗槽の保温の強化
省エネ効果 | 2.1kL/年 |
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削減金額 | 134千円/年 |
設備投資額 | 150千円(回収1.1年) |
設備概要 | 未保温部(表面積19.7m2)からの放熱量9.26kW |
キーワード
保温対策
内容
メッキ槽や湯洗槽の温度は周囲より高いが、槽の保温はされていない。85~90℃の槽の側面および底面を外側から保温することで、槽温度の低下を防ぎ、加熱用蒸気消費量を削減することを提案。
提案6
ボイラ
蒸気配管およびバルブの保温
省エネ効果 | 0.8kL/年 |
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削減金額 | 51千円/年 |
設備投資額 | 60千円(回収1.2年) |
設備概要 | バルブ(32A×5)、配管(32A×5.5m) |
キーワード
保温対策
内容
ボイラの気出口配管およびバルブの一部が、保温されていない。未保温部をマジックバンド付の断熱マットで保温することにより、ボイラ燃料消費量を削減することを提案。
提案7
照明
照明の間引き
省エネ効果 | 2.1kL/年 |
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削減金額 | 133千円/年 |
設備投資額 | 100千円(回収0.8年) |
設備概要 | 蛍光灯(65W×60台、40~90%の消灯) |
キーワード
照明の間引き
内容
工場内のライン設備は自動化され、診断時、ライン周りに作業員が皆無であったが、照明は全て点灯されていた。照明を間引きし、必要に応じて点灯することで、電力消費量を削減することを提案。
提案8
照明
高効率蛍光灯への更新
省エネ効果 | 1.6kL/年 |
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削減金額 | 102千円/年 |
設備投資額 | 702千円(回収6.9年) |
設備概要 | FLR蛍光灯→Hf蛍光灯 |
キーワード
高効率照明への更新
内容
現状 | 更新案 | 台数 | 投資 (千円) |
効果 (千円/年) |
回収年数 |
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FLR蛍光灯86W | Hf蛍光灯65W | 60→54 | 702 | 102 | 6.9 |
提案9
その他
自動販売機の非作業時の電源OFF
省エネ効果 | 1.2kL/年 |
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削減金額 | 75千円/年 |
設備投資額 | 60千円(回収0.8年) |
設備概要 | 自動販売機(500W×2台) |
キーワード
不要時の電源OFF
内容
構内には自動販売機が2台設置されており、24時間電源が入っている。自動販売機の電源にタイマーを設置して、夜間及び会社の休日は電源を遮断し、電力消費量を削減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。