S社様では、デマンド監視装置の活用や、様々な省エネ対策(屋根の断熱塗装、照明の間引き、よしず設置、ゴーヤ植栽による暑さ対策等)により、契約電力の大幅低減(480kW→408kW、15%減)を達成されています。今回、工具の熱処理のために大きな電気炉を複数台保有しているため、熱処理炉の断熱等で早く効果の出る省エネ対策に関して助言を希望されました。診断の結果、マシニングセンタ用冷却水ポンプの回転数制御、加熱炉での断熱強化、およびコンプレッサの吐出圧低減などをご提案しました。
提案1
コンプレッサ
吐出圧力の低減
省エネ効果 | 0.9kL/年 |
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削減金額 | 64千円/年 |
設備概要 | コンプレッサ(15kW、7.5kW) |
キーワード
吐出圧力の低減
内容
空気圧縮機の吐出圧力が0.75MPaであるが、使用先ではレギュレータにて減圧して使用している。吐出圧力を0.65MPaに下げて電力消費量を低減することを提案。
提案2
コンプレッサ
圧縮空気配管のエア漏れの低減
省エネ効果 | 1.0kL/年 |
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削減金額 | 68千円/年 |
設備概要 | コンプレッサ(15kW、7.5kW) |
キーワード
圧力損失の低減、エア漏れ対策
内容
圧縮空気配管の点検と修理によりエア漏れ量を削減し、コンプレッサの電力消費量を低減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案3
排水処理
夜間・休日における曝気用送風機の間欠運転
省エネ効果 | 1.2kL/年 |
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削減金額 | 86千円/年 |
設備投資額 | 80千円(回収0.9年) |
設備概要 | ルーツブロワ―(1.5kW×1台) |
キーワード
間欠運転
内容
排水処理装置における曝気用送風機(ルーツブロワー)はBODの流入の少ない夜間・休日も定格運転しているため、タイマーを使用して間欠運転することで送風用電力消費量を低減することを提案。この場合は、曝気漕内の好気性細菌が死滅しないように短時間での間欠運転とし、DO(溶存酸素量)値を測定し管理値以上とすることが必要。
提案4
工業炉
熱処理炉の保温対策
省エネ効果 | 2.7kL/年 |
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削減金額 | 190千円/年 |
設備投資額 | 200千円(回収1.1年) |
設備概要 | 熱処理炉(W1m×D1m×H1.2m、表面積4.0m2) |
キーワード
保温対策、熱ロスの低減
内容
熱処理炉の外装表面温度が70℃と高い。厚さ50mmのグラスウールを熱処理炉の天井、側面に施すことで外装表面温度を30℃まで低減し、加熱用の電力消費量を削減することを提案。
提案5
生産設備
冷却水ポンプへのインバータ導入
省エネ効果 | 5.6kL/年 |
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削減金額 | 395千円/年 |
設備投資額 | 1,500千円(回収3.8年) |
設備概要 | ポンプ(0.7kW×30台) |
キーワード
インバータの導入
内容
マシニングセンタの冷却用クーラントポンプは、バルブで冷却水を絞って運転を行っている。ポンプにインバータを設置して冷却水を適正水量まで低減し、ポンプの電力消費量を削減することを提案。
提案6
空調設備
空調機ファンへのインバータ導入
省エネ効果 | 0.2kL/年 |
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削減金額 | 11千円/年 |
設備投資額 | 50千円(回収4.5年) |
設備概要 | ファン(0.35kW) |
キーワード
インバータの導入
内容
恒温室の空調用ファン風量の調整をダンパ絞りからインバータ回転数制御に変更し、ファンの電力消費量を削減する提案。
提案7
空調設備
空調設備の更新
省エネ効果 | 1.3kL/年 |
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削減金額 | 95千円/年 |
設備投資額 | 2,500千円(回収26.3年) |
設備概要 | 空調(14.5kW,16.3kW) |
キーワード
高効率空調機への更新
内容
現行の空調設備は、耐用年数(法定15年)を超えて23年間使用されている。空調設備は効率(COP)が良くなっており、更新することで省エネを図ることを提案。
提案8
照明
高効率照明への交換
省エネ効果 | 3.1kL/年 |
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削減金額 | 218千円/年 |
設備投資額 | 2,466千円(回収11.3年) |
設備概要 | 水銀灯、蛍光灯の誘導灯、蛍光灯→Hf蛍光灯、LED誘導灯 |
キーワード
高効率照明への更新
内容
現状 | 更新案 | 台数 | 投資 (千円) |
効果 (千円/年) |
回収年数 |
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水銀灯1,000W×4台、400W×2台 | Hf蛍光灯65W | 36 | 540 | 93 | 5.8 |
蛍光灯の誘導灯15W | LED誘導灯2W | 26 | 801 | 54 | 14.8 |
蛍光灯FLR40W | Hf蛍光灯32W | 75 | 1,125 | 71 | 15.8 |
提案9
受変電設備
老朽化変圧器の更新
省エネ効果 | 1.3kL/年 |
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削減金額 | 97千円/年 |
設備投資額 | 3,225千円(回収33.9年) |
設備概要 | 変圧器(50kVA、200kVA) |
キーワード
高効率変圧器への更新
内容
既設の変圧器は設置後25年が経過し、変圧器本体の劣化が懸念される。高効率型変圧器に更新して、負荷損及び無負荷損の削減を図ることを提案。
現状 | 更新案 | 投資 (千円) |
効果 (千円/年) |
回収年数 |
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変圧器1φ50kVA | 変圧器1φ50kVA | 645 | 22 | 29.3 |
変圧器3φ200kVA | 変圧器3φ200kVA | 2,580 | 75 | 34.4 |
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。