K社様では洗濯業を営まれており、灯油ボイラ1台、廃油ボイラ2台を有し、乾燥・洗濯工程で大量の蒸気を使用されています。今回は燃料の削減を希望され、省エネ診断を受診されました。診断の結果、ボイラの空気比改善、コンプレッサの吐出圧力低減、乾燥機の高効率化、蒸気配管等の保温、ドレン回収タンクの保温などをご提案しました。
内訳 | 電気 (千kWh/年) |
灯油 (kL/年) |
廃油(A重油相当) (kL/年) |
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改善前 | 350 | 100 | 300 |
改善後 | 288 | 90 | 280 |
提案1
ボイラ
空気比の適正化
省エネ効果 | 17.6kL/年 |
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削減金額 | 673千円/年 |
設備概要 | ボイラ(0.8t/h×2台) |
キーワード
空気比の適正化
内容
廃油ボイラの空気比が2.3と高く、排ガスによるエネルギー損失も大きい。省エネ法の判断基準に基づき1.4程度まで下げることで、燃料消費量の削減を図ることを提案。
提案2
ボイラ
運転台数の削減
省エネ効果 | 2.6kL/年 |
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削減金額 | 101千円/年 |
設備概要 | ボイラ(0.8t/h×3台) |
キーワード
運転台数の削減
内容
ボイラの負荷率が30%程度と低い時期は、バーナー点火・消火に伴い暖缶中の炉内パージを頻繁に行う必要があり、排ガス損失が増大し実負荷運用効率が大幅に低下する。負荷率の低い期間はボイラの運転台数を削減して1缶とし、負荷率を向上させることにより、燃料消費量の削減を図ることを提案。
提案3
乾燥炉
乾燥機の空気取入れ口の清掃
省エネ効果 | 3.9kL/年 |
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削減金額 | 254千円/年 |
設備概要 | 乾燥機(6台、323.5kW) |
キーワード
清掃
内容
綿を主体にしたホコリが、乾燥機の空気取入れ口金網や熱交換フィンに付着し、乾燥風量が低下している。埃除去による風量の適正化により乾燥時間が短縮し、電力消費量の削減を図ることを提案。
提案4
コンプレッサ
吐出圧力の低減
省エネ効果 | 2.5kL/年 |
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削減金額 | 165千円/年 |
設備概要 | コンプレッサ(22.5kW) |
キーワード
吐出圧力の低減
内容
コンプレッサの圧縮空気は、主としてエアシリンダー用として使用しているが、吐出圧力が0.80MPaと高い。空気圧力を0.60MPaまで下げてコンプレッサの電力消費量を削減することを提案。
提案5
デマンド管理
最大電力の低減
削減金額 | 73千円/年 |
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キーワード
デマンド監視制御装置の活用(日負荷線図の活用を含む)
内容
照明や事務機器の節電と省エネ対策の実施により、最大電力(契約電力)の抑制を図ることを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案6
乾燥炉
高効率乾燥機への更新
省エネ効果 | 15.6kL/年 |
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削減金額 | 1,197千円/年 |
設備投資額 | 9,000千円(回収7.5年) |
設備概要 | ボイラ(0.44→0.4t/h)、ファン(17.2→9.0kW) |
キーワード
高効率設備への更新
内容
乾燥機が複数台設置されているが、老朽化の著しい乾燥機1台を高効率タイプに更新することにより、蒸気使用量の軽減を図ることを提案。
提案7
蒸気配管
保温対策
省エネ効果 | 3.2kL/年 |
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削減金額 | 252千円/年 |
設備投資額 | 298千円(回収1.2年) |
設備概要 | フランジ型玉型弁(50A×5個・25A×10個、配管50A×2m等) |
キーワード
保温対策
内容
バルブ・蒸気配管に保温未実施箇所があり、保温対策を実施することによりエネルギー損失を削減することを提案。
提案8
蒸気配管
ドレン回収タンクの保温対策
省エネ効果 | 1.0kL/年 |
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削減金額 | 80千円/年 |
設備投資額 | 180千円(回収2.2年) |
設備概要 | タンク(直径1.0m、高さ1.5m) |
キーワード
保温対策
内容
ドレン回収タンクの保温対策を実施することで、負荷調整用のボイラの燃料使用量の削減を図ることを提案。
提案9
照明
プルスイッチ取り付けによる照明の50%間引き
省エネ効果 | 1.6kL/年 |
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削減金額 | 101千円/年 |
設備投資額 | 108千円(回収1.1年) |
設備概要 | 照明(40W2灯×50台) |
キーワード
照明の間引き
内容
作業場の天井照明は間引き消灯で節電しているが、プルスイッチ取り付け、手元照明の設置等により、必要時のみ照明を使用することを徹底し、電力消費量の削減を図ることを提案。
提案10
受変電設備
動力用変圧器の余剰対策としての休止
省エネ効果 | 1.0kL/年 |
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削減金額 | 64千円/年 |
設備投資額 | 50千円(回収0.8年) |
設備概要 | 変圧器(100kVA,150kVA,200kVA) |
キーワード
変圧器の統合
内容
動力用変圧器が3台設置してあり、最大使用電力124kWの時に変圧器の負荷率が24%と低い。変圧器を1台休止させ、無負荷損失の削減を図ることを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。