A社様では、職制をベースとした体制で積極的に省エネ活動を展開し、特に用役設備に関しては高いレベルで省エネが進んでいます。一方で、原料を乾燥する工程で大量のエネルギーを必要とするため、この工程を中心とした省エネルギ―対策を希望されていました。診断の結果、乾燥工程で使用している燃焼炉の断熱強化、開口部の補修、前工程での水の注入量の適正管理等をご提案しました。
内訳 | 電気 (千kWh/年) |
LPG (千kg/年) |
A重油 (kL/年) |
---|---|---|---|
改善前 | 970 | 0.8 | 460 |
改善後 | 822 | 0.8 | 424 |
提案1
工業炉
被乾燥物の含有水分量削減
省エネ効果 | 18.3kL/年 |
---|---|
削減金額 | 1,239千円/年 |
設備概要 | 原料処理量(12千トン/年) |
キーワード
被乾燥物の含水量削減
内容
造粒工程で原料に注水する量を低減すると、乾燥工程での所要熱量も下がり、大きな省エネとなる。現状の水分管理範囲に余裕があり、原料含水率を1%下げ、燃料使用量を削減することを提案。
提案2
コンプレッサ
圧縮空気配管の空気漏れの低減
省エネ効果 | 0.7kL/年 |
---|---|
削減金額 | 46千円/年 |
設備概要 | コンプレッサ(22kW) |
キーワード
圧力損失の低減、エア漏れ対策
内容
圧縮空気配管の点検と修理によりエア漏れ量を削減し、コンプレッサの電力消費量を低減することを提案。
提案3
空調設備
空調設定温度の適正化
省エネ効果 | 0.6kL/年 |
---|---|
削減金額 | 36千円/年 |
設備概要 | 空調機(6台、計16.8kW) |
キーワード
設定温度の適正化
内容
事務所と作業員室等の空調設定温度を、国の推奨温度(夏期:28℃、冬期20℃)にすることを提案。
提案4
デマンド管理
負荷調整によるデマンド低減
削減金額 | 170千円/年 |
---|
キーワード
デマンド監視制御装置の活用(日負荷線図の活用を含む)
内容
デマンド監視制御装置の結果から始業時にピークが発生しており、始業時の負荷調整を行うことで10kW程度低減することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案5
工業炉
燃焼炉および乾燥炉の断熱保温
省エネ効果 | 16.4kL/年 |
---|---|
削減金額 | 1,109千円/年 |
設備投資額 | 700千円(回収0.6年) |
設備概要 | 乾燥炉の保温追加面積28m2 |
キーワード
保温対策、熱ロスの低減
内容
燃焼炉と乾燥炉の外壁部で、断熱対策漏れ部分に対して断熱施工を行うことで、燃料使用量を低減することを提案。
提案6
工業炉
空気侵入の防止
省エネ効果 | 1.0kL/年 |
---|---|
削減金額 | 70千円/年 |
設備投資額 | 50千円(回収0.7年) |
設備概要 | 加熱炉の開口部面積0.01m2 |
キーワード
空気混入量の低減
内容
加熱炉の点検用マンホール蓋の開口部および蓋と本体の間の隙間から炉内に空気が侵入し、熱損失が発生している。蓋の開口部や隙間をなくし、燃料消費量を削減することを提案。
提案7
蒸気配管
保温対策
省エネ効果 | 0.8kL/年 |
---|---|
削減金額 | 53千円/年 |
設備投資額 | 530千円(回収10.0年) |
設備概要 | 配管(100A×1m)、フランジ(100A×1個、50A×1個)、<br /> 減圧弁(20A×3個)等 |
キーワード
保温対策
内容
ボイラ室内の配管・フランジ・バルブのほかに、ボイラ本体についても保温未施工部がある。保温対策を行い、燃料消費量の削減を図ることを提案。
提案8
生産設備
集塵装置のファンへのインバータ導入
省エネ効果 | 20.3kL/年 |
---|---|
削減金額 | 1,352千円/年 |
設備投資額 | 2,700千円(回収2.0年) |
設備概要 | ファン(55kW、15kW) |
キーワード
インバータの導入
内容
集塵装置のファンは、ダンパでの風量調整を行っている。ファンにインバータを導入して風量を低減し、集塵機の電力消費量を低減することを提案。
提案9
照明
紐付きスイッチの取付け
省エネ効果 | 3.8kL/年 |
---|---|
削減金額 | 244千円/年 |
設備投資額 | 300千円(回収1.2年) |
設備概要 | 水銀灯(315W×15台)、蛍光灯(42W×20台) |
キーワード
個別スイッチ設置
内容
非稼働設備周辺や窓際など、消灯が可能な所が見受けられる。蛍光灯に紐つきスイッチの取付けや、水銀灯の回路分割を実施して消灯を徹底することを提案。
提案10
照明
水銀灯を高効率蛍光灯に更新
省エネ効果 | 12.2kL/年 |
---|---|
削減金額 | 795千円/年 |
設備投資額 | 3,000千円(回収3.8年) |
設備概要 | 水銀灯(315W×70台)→(Hf蛍光灯33W×120台) |
キーワード
高効率照明への更新
内容
照明が必要な設備類のほとんどが低い位置にあり、天井(高さ5m)の水銀灯を高効率蛍光灯(高さ3m)に更新することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。