道の駅 上品の郷様は、省エネ対策として不要照明の間引き・消灯や高効率照明への更新、デマンド監視装置の導入等を実施されています。今回は、空調や照明等を中心に全般的な省エネ診断を希望されました。診断の結果、空調機の設定温度緩和や早朝・深夜の送風運転化、給湯設備のバーナ点火率向上や給湯温度の低減、浴槽用濾過ポンプのインバータ化、温水配管や空調配管の保温対策強化、照明のLED化等を提案しました。
内訳 | 電力 (千kWh/年) |
灯油 (kL/年) |
LPG (t/年) |
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改善前 | 1,700 | 172 | 12 |
改善後 | 1,587 | 118 | 12 |
提案1
空調設備
設定温度の緩和
省エネ効果 | 7.9 kL/年 |
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削減金額 | 636 千円/年 |
設備概要 | 夜間蓄熱HP空調機(8台、定格計:120kW)、電動HP空調機(15台、定格計:44kW) |
キーワード
設定温度の適正化
内容
政府推奨の冷/暖房設定温度(28/20°C)に基づき、冷/暖房設定温度を緩和(25/25→26/24°C、各1°C)し、省エネ(▲10%)を図ることを提案。
提案2
空調設備
早朝・深夜の送風運転化
省エネ効果 | 2.7 kL/年 |
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削減金額 | 220 千円/年 |
設備概要 | 夜間蓄熱HP空調機(3台、冷/暖房消費電力計:47/43kW) |
キーワード
空調機の運用方法改善
内容
1F休憩室の空調機稼働時間(14.5時間/日)は、蓄熱運転と通常運転で構成される。早朝と深夜(2.5時間)は送風運転、ピーク電力時間帯は蓄熱運転、残り時間は通常運転とし、電力消費量の削減を図ることを提案。
提案3
給湯設備
バーナの点火率向上、給湯設定温度の低減
省エネ効果 | 46.4 kL/年 |
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削減金額 | 4,164 千円/年(内訳:①3,430千円/年、②734千円/年) |
設備概要 | 温水ヒータ(灯油:年間使用量172kL/年) |
キーワード
設定温度の適正化 ボイラ起動停止頻度の低減
内容
①給湯設備(温水ヒータ)は年間燃焼時間率が低く、点火・消火、炉内パージを頻繁に繰り返し運用効率が悪い。バーナ燃焼能力を1/2に下げて燃焼時間率を高め(16.8→33.6%)、運用効率を改善(65→85%)。②給湯設定温度を緩和(78℃→夏期・中間期73℃、冬期75℃)。①②より、燃料消費量を節減(▲29%)することを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案4
空調設備
天窓ガラスへの遮光フィルム貼り付けによる冷房負荷軽減
省エネ効果 | 2.8 kL/年 |
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削減金額 | 224 千円/年 |
設備投資額 | 2,124 千円(回収:9.5年) |
設備概要 | 天窓(236m²)、電動HP空調機(COP:3.3) |
キーワード
窓ガラスの日射対策
内容
南面の天窓ガラス(内面)に遮光フィルムを貼り付けて夏期の日射負荷(空調負荷)を低減し、省エネを図ることを提案。暖房時には逆効果になるため年間での省エネ効果は小さいが、夏期のデマンド対策として有効なため、冷房時の効果を試算した。
提案5
温水配管、空調配管
配管・バルブ類の保温対策強化
省エネ効果 | 3.1 kL/年 |
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削減金額 | 281 千円/年(内訳:温水配管251千円/年、空調配管30千円/年) |
設備投資額 | 550 千円(内訳:温水配管400千円、空調配管150千円)(回収:2.0年) |
設備概要 | 配管(125A:1.3m、100A:1.8m)、フランジ(125A:12個、80A:16個)、フランジ型仕切弁(125A:4個、80A:4個)等 |
キーワード
保温対策
内容
温水ヒータ、給湯、温泉、空調関係の配管・バルブ類の保温処理未施工が散見される。保温対策の強化により放熱損失を低減し、省エネを図ることを提案。
提案6
電気湯沸器
電気湯沸器の小型化更新
省エネ効果 | 2.6 kL/年 |
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削減金額 | 209 千円/年 |
設備投資額 | 249 千円(回収:1.2年) |
設備概要 | 電気湯沸器(1台、4→3kW、貯湯量90→45L) |
キーワード
給湯量の適正化(温水) 給湯器の小型化更新
内容
浴場休憩室の電気湯沸器(90L)は、24時間通電している。現状の使用量は最大で1Lポット40本分であり、貯湯量が過大。電気湯沸器の小型更新により、電力消費量を削減することを提案。
提案7
衛生設備
トイレに擬音装置を設置
削減金額 | 782 千円/年 |
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設備投資額 | 200 千円(回収:0.3年) |
設備概要 | 擬音装置(10個) |
キーワード
トイレに擬音装置設置
内容
女性用トイレに擬音装置を設置し、節水(▲1.3千m³/年)を図ることを提案。
提案8
浴槽
浴槽用ろ過ポンプのインバータ化
省エネ効果 | 6.7 kL/年 |
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削減金額 | 540 千円/年 |
設備投資額 | 350 千円(回収:0.6年) |
設備概要 | ポンプ(2台:2.2kW+1.5kW、稼働時間:13h/日×351日) |
キーワード
インバータの導入
内容
浴槽用ろ過ポンプは、吐出バルブ(開度60%程度)で流量調整されている。インバータ制御による調整方式に変更し、省エネを図ることを提案。インバータにより電源周波数を低減(50→30Hz、60%)すると流量が60%に減水されるが、電力は3乗に比例(0.6³ =0.22)して22%となり、大幅な省エネとなる。
提案9
浴槽
保温シートで浴槽表面をカバー(準備時)
省エネ効果 | 1.3 kL/年 |
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削減金額 | 114 千円/年 |
設備投資額 | 117 千円(発泡ポリエチレンシート:W1m×L26m×t3mm)(回収:1.0年) |
設備概要 | 浴槽(表面積:30m²、湯温:40℃、保温時間(冬期のみ):3h/日×175日) |
キーワード
タンク・湯槽等の保温対策
内容
浴槽は夜間にお湯張りを行うが、その際に浴槽面を簡易保温シートで覆うことにより水分蒸発と湯温低下を防ぎ、ボイラの燃料消費量を削減することを提案。
提案10
照明
照明のLED化
省エネ効果 | 6.3 kL/年 |
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削減金額 | 507 千円/年 |
設備投資額 | 4,227 千円(回収:8.3年) |
設備概要 | ツイン型蛍光灯、ハロゲン灯、ミニクリプトン電球→LED灯 |
キーワード
高効率照明への更新
内容
直売場やコンビニ・レストランの照明をLED化し、電力消費量の削減を図ることを提案。LED化により長寿命化となるため高所の照明交換作業が大幅軽減されるが、効果金額には含めていない。
現状 | 更新案 | 寿命 | 点灯時間 | 台数 | 効果金額 (千円/年) |
投資金額 (千円) |
回収 年数 |
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①直売場 ツイン型蛍光灯 (126W/台) |
LED灯 (72.9W/灯) |
10,000→ 40,000h |
11h/日×364日 | 23 | 101 | 1,422 | 14.1 |
②コンビニ ツイン型蛍光灯 (168W/台) |
LED灯 (93.7W/灯) |
16h/日×364日 | 24 | 215 | 2,376 | 11.1 | |
③レストラン風除室 ハロゲンダウンライト灯 (65W/台) |
LED灯 (22.8W/灯) |
3,000→ 40,000h |
11h/日×364日 | 12 | 42 | 234 | 5.6 |
④レストラン ダウンライト ミニクリプトン電球 (54W/台) |
LED灯 (8W/灯) |
2,000→ 40,000h |
39 | 149 | 195 | 1.3 | |
計 | 507 | 4,227 | 8.3 |
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。