いきいきの郷様では、省エネ対策として不要照明の間引き・消灯や冷暖房設定温度の変更等を実施されています。今回は、ボイラの燃料低減を中心に全般的な省エネ診断を希望されました。診断の結果、空調用冷温水発生機の空気比低減、不使用時間帯の浴槽・プール表面からの熱放散対策、温水配管やタンクの保温対策強化、凍結防止ヒーターの節電対策、変圧器の統合等を提案しました。
内訳 | 電力 (千kWh/年) |
LPG (t/年) |
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改善前 | 1,030 | 366 |
改善後 | 1,003 | 305 |
提案1
空調設備
空気比低減による燃料消費量削減(LPG)
省エネ効果 | 2.5 kL/年 |
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削減金額 | 236 千円/年 |
設備概要 | 吸収式冷温水機(2台、冷/暖房能力:633/736kW/台、LPG消費量:100t/年)) |
キーワード
空気比の適正化
内容
空調用冷温水発生機の空気比を低減(1.60→1.30)して、排ガスによる熱損失を低減し、省エネを図ることを提案。
提案2
空調設備
不使用時期の空調用電源OFF
省エネ効果 | 1.1 kL/年 |
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削減金額 | 83 千円/年 |
設備概要 | エアコン(50台、クランクケースヒーター:30W/台) |
キーワード
不要時の電源遮断(室外機:クランクケースヒーター)
内容
エアコンの電源が常時投入されているため、空調不使用時期(4ヵ月/年)にクランクケースヒーターによる待機電力を消費している。その時期にブレーカをOFFし、省エネを図ることを提案。
(注)クランクケースヒーターは冷媒と潤滑油の混合防止のための設備であり、不使用時は通電不要。メーカーは、エアコン使用の2~3時間前に主電源をONすることを推奨している。
提案3
給排水設備
凍結防止ヒーターの節電対策
省エネ効果 | 0.8 kL/年 |
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削減金額 | 58 千円/年 |
設備概要 | パネルヒーター(1台、1.0kW/台)、電動弁(4台:15W/台) |
キーワード
凍結防止ヒーターの温度制御化 凍結防止ヒーターの不要時電源OFF、撤去
内容
①消防設備の配管凍結防止用パネルヒーターの設定温度適正化(20→5°C)、②濾過ポンプの配管(温水)は凍結の恐れがないため、電動弁の内蔵凍結防止ヒーターの電源配線を撤去。①②より、節電を図ることを提案。
提案4
デマンド管理
デマンド監視装置の活用
省エネ効果 | 最大電力の低減(▲41kW) |
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削減金額 | 685 千円/年 |
設備概要 | デマンド監視装置 |
キーワード
デマンド監視制御装置の導入、活用
内容
最大電力(デマンド)増加の要因として、ベーパーライザ(LPG気化器、3台:計78kW)や食器保管庫(2台:計27kW)等のヒータ稼動が考えられる。デマンド監視装置を活用して最大電力の変化を監視し、設定値に近づいた場合には予め定めた機器(ベーパーライザ等)を停止して、最大電力を抑制(221→180kW、▲41kW)することを提案。
提案5
自販機
省エネ型自販機への更新
省エネ効果 | 0.3 kL/年 |
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削減金額 | 24 千円/年 |
設備投資額 | -(自販機ベンダーによる設置) |
設備概要 | 自販機(2台:計3,020→1,754kW/年) |
キーワード
高効率自販機への更新
内容
飲料用自販機は省エネ法の第2次特定機器に指定され、年々省エネ性能が向上している。自販機を省エネ型に更新し、電力消費量の削減を図ることを提案。
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。
提案6
給湯設備
温水配管用バルブ・フランジや濾過タンクの保温対策強化
省エネ効果 | 9.2 kL/年 |
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削減金額 | 866 千円/年 |
設備投資額 | 413 千円(回収:0.5年) |
設備概要 | フランジ型仕切弁(80A:10個、65A:10個、50A:20個)、フランジ(80A:20個、65A:20個、50A:40個)、濾過タンク(1台:φ1.5m、H3.0m) |
キーワード
保温対策
内容
給湯・暖房用配管のバルブ・フランジ及び濾過タンクの保温対策を強化して熱放散を低減し、省エネを図ることを提案。
提案7
給湯設備
温泉循環ポンプのインバータ化
省エネ効果 | 0.9 kL/年 |
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削減金額 | 70 千円/年 |
設備投資額 | 70 千円(回収:1.0年) |
設備概要 | ポンプ(1台:2.2kW) |
キーワード
インバータの導入
内容
温泉循環ポンプのバルブが絞られた状態であることから、必要流量は機器の定格流量より小さい。そのため、バルブ全開+インバータ制御化により流量を調整し、電力消費量の低減を図ることを提案。
提案8
他の設備
不使用時間帯の浴槽・プール表面からの熱放散対策
省エネ効果 | 68.6 kL/年 |
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削減金額 | 6,459 千円/年 |
設備投資額 | 2,900 千円(回収:0.4年) |
設備概要 | 屋内浴槽(2ヶ所、表面積:計101m²、40°C)、露天風呂(23m²、40°C)、温水プール(約200m²、30°C) |
キーワード
タンク・湯槽等の保温対策
内容
屋内浴槽・露天風呂・温水プールを使用していない時間帯(14h/日×365日)において、水面を簡易保温シート(エアキャップ3層型や発泡ポリエチレンシート等)でカバーして水分蒸発と水温低下を抑制し、ボイラの燃料消費量を削減することを提案。
提案9
照明
水銀灯の高効率化
省エネ効果 | 0.3 kL/年 |
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削減金額 | 26 千円/年 |
設備投資額 | 350 千円(回収:13.5年) |
設備概要 | 水銀灯(7台:400W/台)→セラミックメタルハライド灯(7台:250W/台、安定器付) |
キーワード
高効率照明への更新
内容
外灯用の水銀灯(点灯時間:3.5h/日×365日)を、高効率のセラミックメタルハライド灯(専用安定器付)に更新し、省エネを図ることを提案。
提案10
変圧器
電気室2ヵ所の変圧器統合
省エネ効果 | 3.5 kL/年 |
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削減金額 | 260 千円/年 |
設備投資額 | 1,000 千円(回収:3.8年) |
設備概要 | 3φ変圧器(2台:300kVA+200kVA→1台:300kVA)、1φ変圧器(3台:200kVA/台→1台) |
キーワード
変圧器の統廃合
内容
電気室2ヶ所の変圧器5台は軽負荷である。第1電気室の変圧器2台への統合(3台休止、1次側の配線撤去)により変圧器損失を低減し、省エネを図ることを提案。この場合、第1電気室から第2電気室までのケーブル配線が必要となる。
現状 | 更新案 | |
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第1電気室 | 3φ変圧器(1台:300kVA) 1φ変圧器(2台:200kVA/台) |
第1電気室の ・3φ変圧器(1台:300kVA) ・1φ変圧器(1台:200kVA) に統合 |
第2電気室 | 3φ変圧器(1台:200kVA) 1φ変圧器(1台:200kVA) |
※省エネルギー量は、原油換算で表示しております。